永瀬廉の“憂いを帯びた声”の魅力 『よめぼく』三木孝浩監督「お芝居になるとふとした瞬間に憂いの部分が…」
もし自分が余命を宣告されたらどういう気持ちになるのか。命の期限を明確にされた時、自分はその中でどう生きようとするのか。それは視聴者への問いになり、映画の中で生きるキャラクターたちを見て「あなたはどう感じますか?」というさらなる問いへと繋がっていく。
「その問いそのものが“余命もの”の一番大きなファクターかなという気はしています」
自らに余命が迫る中、さらに短いスパンで命のリミットが近付くヒロインに懸命に恋をする主人公・秋人を演じたのは永瀬。永瀬とは初タッグとなる三木監督は、「もともと彼の声がすごく好きだった」と語る。
「キラキラしたアイドルの方なのに、憂いを帯びた声。陽と陰で言うと、陰のニュアンスを持った方だなと思っていました。それが秋人の諦観した感じや、自分の運命を自嘲的に捉えているところ…でも落ち込む時はしっかり落ち込むみたいなキャラクターと重なるなと。
ご本人は普段はとても明るい関西のお兄ちゃんですが(笑)、お芝居になるとふとした瞬間に憂いの部分が表出する。それは永瀬くんの魅力だなと思います。秋人に関してはこれまで斜に構えていた彼が、春奈に出会うことで“ただただこの子のために生きたい”と思うようになる、変化のカーブを描きたかった。