『カメラを止めるな!』上田監督、奇跡の舞台裏と“ワイルド親父”の教え
と青ざめたと聞きました。
ええ。結局、企画コンペには落ちてしまって、その直後にシネマプロジェクトのお話をいただきました。新人の俳優と新人の監督で、ワークショップを経て1本の映画を作るという企画です。俳優応募者の中から僕が選抜させていただいて、最初の数回は普通のワークショップをしたんですよ。既存の映画台本や演技トレーニングをして。みんなの個性を知った上で、このメンバーとなら『カメラを止めるな!』が作れるかもしれない、そう思いました。もともとあった骨組みの中に12人を投げ込んで、完全当て書きで作りました。
○「これ、やれるの?」に燃える
――出演者の方々に1カット37分のシーンがあると伝えた時の反応はいかがでしたか?
最初に伝えたのはカメラマンと特殊造形のスタッフだったんですが、「いや、無理だ」と(笑)。ホラー映画やゾンビ映画はカット割りありきの仕掛けだったりするので、37分の会話劇ならまだしも、37分廃墟を走り回って首や腕がとれたりするのを1カットで撮るのは無理だと。うまくつないで1カット風にするか、本当の1カットにするかは、撮影直前まで検討しました。僕はもちろん1カットで撮る派。