『カメラを止めるな!』上田監督、奇跡の舞台裏と“ワイルド親父”の教え
●琵琶湖遭難事件と父の反応
○最初の動員目標は5,000人
――普段映画を観ないような人も劇場に足を運ぶほど、大きなうねりを生み出しています。その予感はいつ頃感じ始めましたか?
作品として面白いものができたという手応えを感じたのは、関係者試写の時です。関係者は台本を読み、展開も分かってるので粗探しをしがちなんですよね。キャストもスタッフも、フラットに見ることができない。だから、そこまで盛り上がることがないんですが、今回はすごく盛り上がって笑い声もあって、拍手も力強くて長かった。その後の打ち上げは12時間、4次会まで続きました(笑)。「自分たちはいいものを作ったんだ」という日の飲み会って、なかなか帰りたくないじゃないですか? 当時はまだ著名人の方々からも全くコメントをいただいてなくてヒットする見込みなんて全くない状態ですけど、その時点で「俺たちは面白いものを作ったんだ!」という達成感がありました。
去年の11月の6日間先行上映が連日の満員で、そこから口コミが広がっていきました。
ただ、ワークショップで作った映画のお披露目の場でもあるので、知り合いや身内も多い。関係者ではない人たちが褒めてくれて自信はついたのですが、果たして一般の方々に届くのかという不安が残ったままでした。