『カメラを止めるな!』上田監督、奇跡の舞台裏と“ワイルド親父”の教え
映像上、1カットで繋がってるように見せられてもテンションとか空気感、緊張感みたいなものは1カットにならない。映画を観てくださった方なら分かると思うんですが、そもそも彼らを「1カット風」で撮っていいのか? そんな嘘はアカンやろと(笑)。結局は、みんな納得してくれました。
――説得するのも一苦労だったわけですね。
説得というよりは……やっぱり、「無理」「不可能」って言われることって、本当はみんなやりたいと思っているはずなんです。僕も、企画を出した時に「いいね」って言われるより、「これ、やれるの?」と言われる方が燃えるタイプ。徐々にみんなも「マジでやるの?」から「マジでやるのか!」に変わって、モチベーションが上がっていって、最終的にはノリノリになっていました(笑)。
――オリジナル作の映画化は非常に難しいという声をたびたび耳にしますが、そういう苦労はありましたか?
僕は商業映画をやったことがないので分からないんですが、今回でいえばプロデューサーから「上田くんの好きな企画を好きなようにやってくれ」と言われ、具体的な指図もないまま自分のやりたいことをやらせてもらいました。
もちろん1カットを撮るために工夫したことはたくさんありますが、世間で流行っているものを入れてくれとか、有名キャストを起用してくれとかも言われなかったので、そういう大変さは全くなかったです。