映画『ニート・ニート・ニート』、撮影現場で生まれた「くだらねぇ」
――そうだったんですね。
現場で段取りをやっているときに、月子役の灯さんを呼んで「くだらねぇ」と言ってほしいと指示しました。「言い方はどうしたらいいんですか?」と質問されたので、「それは任せる。月子だったら、くだらないって思うでしょう」と(笑)。
撮り方も、現場で変えました。リハーサルの時は僕もアップで撮るつもりで近くで見ていたので、彼らは「ここはアップで撮られるんだろう」という想定をしていたと思うんです。でも現場で実際にやってみると、このシーンで寄って丁寧に撮ると、too muchというか、お腹いっぱいすぎるような気がしたので、最後は引くようにしました。彼らは初めて自分の思いをぶつけあっているんだけど、客観的に見たらくだらないことをやっているということは、引きで見せた方が伝わるのかな、と思いました。
多分、僕自身が「あ、くだらねぇ」と思っていたんでしょうね(笑)。その時に、月子も「くだらねぇ」と思うだろうなと思ったので、セリフでも言ってもらいました。あとは、レンチと月子が2人で語っているシーンがあるんですけど、あそこはラブシーンにしたいと思っていました。いわゆる恋愛のラブシーンではないんだけど、心がグッと、最も近づくところにしたくて。