2013年4月29日 11:00
東北弁はオノマトペも独自路線! その意味を伝える「用例集」も登場!?
方言の宝庫・東北。その奥深さを知るのにぴったりな本が、『東北方言オノマトペ用例集』だ。表紙には「のどぁぜらぜら」とおばあちゃんに言われて、医師が様子を伺っている風景が描かれているが、この用例集は、東北で日常的に使用されている方言を理解するための指南書なのだ。
○高齢患者のオノマトペに医師たちは「??」
「オノマトペ」とは、「擬音語・擬態語」を意味するフランス語。『東北方言オノマトペ用例集』は東北地方固有の方言擬音語や擬態語を集めた用例集で、主に身体感覚や症状、気持ちや気分などを表す言葉が解説されている。
「標準語」とされる言葉を使う人たちなら、頭やおなかが痛い時は、「ズキズキ」「シクシク」「キリキリ」といった単語を使って痛みを表現することが多いだろう。地方にいけばここに方言が加わるため、オノマトペの種類が増える。とりわけ、方言の宝庫である東北地方ではその数が豊富だ。
それで困ったのが、医者や看護師である。東日本大震災によって、東北地方にはけが人や病人があふれ、ボランティアを含め全国から数多くの医師や看護師が馳せ参じたが、患者には高齢者が多く、彼らの話す方言オノマトペに困惑する事態が発生した。