岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (5) 日銀は本当に”悪者”なのか? - 「何もしない日銀」というバッシングの虚構
日銀の資産規模がGDP比で30%であるのに対してFRBは19%です。
国の経済力(GDP)のスケールから考えれば、日銀はFRB以上の資産規模を有しています。
日銀の資産規模がなぜ大きいのか? それは日銀が金融機関から国債を引き取るかわりに市場に大量の資金を供給しているからです。
日銀の資産の内訳ですが、最新(2012年2月20日現在)の数値では、日銀の資産は140.2兆円、そのうち国債は83.3兆円です。
3年前(2008年12月31日時点)の資産は122.8兆円、うち国債は63.1兆円でした。
国債の保有額が増えて資産も大きくなっています。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2012/ac120220.htm/そこで、日米の昨年末時点で保有する国債残高をGDP比で見てみると、日銀は19%、FRBが11%となっているそうです。
確かにFRBの総資産はここ数年で3倍以上に膨らんでいますから、拡大するスピードは非常に速いと言えます。
それはサブプライム危機以降、FRBが量的緩和を実施して急激に国債を買い入れたからなのですが、それでも国債の保有率もGDP比率でみれば日銀の方が大きいのです。