岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (5) 日銀は本当に”悪者”なのか? - 「何もしない日銀」というバッシングの虚構
でした。
これまで発表された第1~3四半期の平均をもとに単純計算すれば2011年の年間では4,700億ドル(35兆円)ほどの経常赤字となります。
通常であれば日本で余った資金は米国に流れますが、例えばリーマン・ショックのような経済危機が発生したり、日本で震災が起こると、こうした海外へ投資していた資金は日本に戻ってきます。
不安なことがあれば誰でも自分の手元に現金を置きたいと思うのは自然なことだと思いませんか? ですから、海外に投資していた資金を元に戻そう、あるいは新しい海外投資は手控えよう、という動きとなります。
さらに万年貿易黒字であれば輸出によって稼いだ米ドルを、そして投資収支が黒字であれば海外で受け取った配当など日本国内へと戻そうとする動きが常にあります。
外向きにお金が出て行かない以上は、海外から国内へという力に押されてしまうのです。
ですから、海外の金融不安が落ち着き、日本の景気が立ち上がってくれば、また海外に投資でもしようか、と言う気持ちになりますので自然な円安となるはずです。
【拡大画像を含む完全版はこちら】