2012年5月17日 11:47
岩本沙弓の”裏読み”世界診断 (12) ”ディーラー的”な「ユーロ」に対する見方とは? - 危機の再燃は当然だった!!
前回、ゴールデンウィークは相場が荒れやすいとコメントしましたが、今年も波乱要因はユーロでした。
特定の波乱要因を王道と表現するのはいささか語弊がありますが、実際に国際金融市場の最前線で取引をする人たちにとっては、欧州債務危機の再燃は相場を動かす因子としては極めて順当だったと言えるでしょう。
ここにきてフランスの大統領選、ギリシャの選挙など欧州にとって悪い材料が一斉に出てきたように思われるかもしれません。
しかし、思い出して下さい。
昨年の年末から今年の年初にかけて、世界中はユーロ悲観論で一色でした。
しかし、今年の2月から4月まではやや楽観的な見方に変わっていました。
昨年の時点から現在に至るまで、欧州債務問題を抜本的に解決するような提案は何もありません。
したがって、極論ではありますが、フランスの大統領選やギリシャの選挙がどうであれ、いずれにしてもユーロ危機が早晩再燃するというのはむしろ当然の成り行きだったと言えます。
今年の1月中旬の事になりますが、この連載の第1回目と第2回目でユーロ危機の解説をしました。
その際に申し上げたのは、短期的には昨年12月に実施されたECB(欧州中央銀行)