経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊 (24) ”成長”し続けなければならない苦しみとは? 山田玲司氏『資本主義卒業試験』
経済キャスターの鈴木ともみです。
今回は、漫画家の山田玲司さんの著書『資本主義卒業試験』(星海社新書)をご紹介します。
難題であるテーマ『資本主義』の構造が「マンガ×小説」形式により、とてもわかりやすくまとめられています。
ぜひ、若い世代の方々にお読みいただきたい一冊です。
鈴木 : 一気読みさせていただきました。
複雑な「資本主義の構造」が的確に整理されている一冊ですね。
山田 : ありがとうございます。
難しいテーマですので、漫画のスキルを生かし、理解しやすいような会話形式でまとめました。
鈴木 : クライマックスにかけてのシーンは、まさに舞台演劇の一幕のような迫力があり、圧巻でした。
これまで、山田さんは「恋愛」や「非属」など、あらゆるテーマを題材にした(漫画を中心とした)作品を世に送り出し、評価を得ています。
今回、改めて「資本主義」をテーマに選ばれたのには、どのような理由があったのでしょうか?山田 : 私は、日本経済のバブル成長期を20代で体験し、その恩恵を受けてきた世代です。
さらに私よりも上の世代は、高度経済成長期を生きてきた世代です。
そのような歴史を経た今、どんな時代にあるかと言うと、それら成長期に積み上げられたツケを多くの人たちが払わされている時代、まさに「巻きこまれの時代」