山田隆道の幸せになれる結婚 (2) 妻の手料理と夫の気持ち
とイチャモンをつける様子がどうも気に食わない。
僕の友人である某男性は、奥様が料理下手だということを今年6月に結婚して初めて知ったそうで、「おまえの料理はまずいから、もっと勉強しろ!」といった厳しい台詞を奥様に浴びせているという。
この話を聞いたとき、僕は奥様に対していたたまれない気持ちになった。
確かに、妻が料理下手ということは家族にとって由々しき問題だろうが、それにしても言葉が辛辣すぎる。
最近は「なんでもはっきり言うほうが、その人のためになる」という考え方が主流を占めつつあるが、それはきっと物事を是正する際の最終手段であり、是正対策の序盤で安直に使用されるべきではないのだろう。
言葉の暴力によって深い傷を負う人間もいることを考えると、それが諸刃の剣にもなりうることを充分に考慮しなければならない。
もし僕の妻に同じ台詞をぶつけたら、おそらく彼女は部屋から出てこなくなると思う。
それに、こういうダメ出しの類は夫婦間では逆効果になる危険性もはらんでいる。
人間という生き物は、大人になればなるほど、あるいは間柄が親密になればなるほど、妙な自意識が邪魔をして相手からの注意を素直に受け入れられなくなる。