山田隆道の幸せになれる結婚 (2) 妻の手料理と夫の気持ち
「本格的な中華を作ってくれたら嬉しい」などである。
こうすることで、妻がその料理のレシピを学ぼうとしてくれたら万々歳だ。
本屋で料理本を購入したり、ネットで料理のレシピを調べたり、初めて作る料理だからこそ人間は一から学ぼうとするわけで、その結果の積み重ねが無意識の技術向上につながっていく。
さらにその情熱を消さぬよう、妻の姿勢をきちんと褒めてあげることも重要だ。
食事の支度とは、妻が専業主婦であるなら、彼女にとって最大の仕事なのだから、それが報われたという充実感は何よりも活力になる。
それはすべての仕事に共通する話だろう。
また、これは僕の知人の料理人が教えてくれた裏技だが、料理が下手な妻にあえて夫のほうから「料理を教えてくれない?」と頼んでみると、自然に彼女は料理を学び始めるという。
なるほど、これは逆説的な真理のひとつかもしれない。
人間は誰しも、他人に何かを教えるとなったら、まずは自分できっちり勉強しようとする。「他人に何かを教える」という行為には、「自分が学ぶ」という裏の意味も含まれているのだ。
要するに妻の手料理というものは、たとえそれがどんなにまずいものであっても、そう簡単に非難してはいけない。