2012年10月24日 16:13
群馬県碓氷峠で人気の駅弁「釜めし」には、温かい歴史が詰まっている!
そこで、当時4代目社長であった高見澤みねじは「なにか特徴のある駅弁でなくては」という思いから、旅行客一人ひとりに「どんな弁当がいいか」聞いてまわったのだという。
結果、長旅でずっと冷たいお弁当を食べてきた旅行客の意見は共通して、「温かいご飯とおかずが食べたい」だった。
その意見を弁当に反映させるにはどうしたらいいか。
悩む高見澤氏の目にとまったのは、「益子焼」の土釜だったという。
陶器は保温性に優れているので、「温かいご飯とおかず」という条件をクリアできるのだ。
当時「折り詰め」が常識だった駅弁で、ひとり用の土釜に入った駅弁とはなんと斬新なアイデアだろうか。
そして、1958年2月1日、後に人気を博す「峠の釜めし」の販売を開始したという。
オレンジ色の鮮やかな包装紙に包まれた「峠の釜めし」。
持つと思ったよりずっしりと重い。
ひもを外して、その包装紙をめくると、早速土釜の登場。
取りあえず土釜のことは置いておき、まずは中身を見てみたい。ふたを開けると、まずその彩りに目を奪われる。
うずらの卵、クリ、ごぼう、アンズ、シイタケ、タケノコ、鶏肉……。
そして鮮やかな緑色をしたグリーンピースと、ほのかに赤い紅ショウガ。