山田隆道の幸せになれる結婚 (11) 芸能界に”できちゃった婚”が多い理由
一方、女は人気アーティストだ。
大手レコード会社から異例の待遇でデビューしたのは5年前。
ルックスが良かったためか、芸能界の重鎮に寵愛され、デビュー曲が話題の映画の主題歌になるわ、CMソングとして使われるわ、都市圏の歓楽街に看板が立つわ、宣伝カーが街中を走り回るわ、とにかく数億円の広告費がかかった一大キャンペーンを展開。
その結果、デビュー半年で知名度が著しく向上し、現在はニューアルバムを製作中。
来年早々から全国ツアーが控えており、終了後はなぜかセクシー写真集の撮影でサイパンだ。
そんな二人は2年前に友人の紹介という名の合コンで知り合い、その夜から早くも付き合うようになった。
以降は互いの所属事務所に内緒にしながら逢瀬を重ね、半年前から結婚を意識し始めた。
しかし、結婚するためには互いの事務所の了解が必要で、二人ともマネージャーにそれとなく打診したものの、どちらも烈火のごとく反対されてしまう。
特に逆風が激しかったのは、女のほうだ。
実は彼女は数億円の出資のおかげで知名度こそ上がったものの、肝心のCDセールスはからっきしで、デビュー時の投資額の半分も回収できていない状態。