親愛なる仕事人間たちへ (2) 働く男の疲労は「媚薬」?? - おかざき真里『&』
「仕事人間」とひとことで言っても、そのイメージはさまざま。バリバリと意欲的に働く人もいれば、働き過ぎてくたびれちゃってる人もいます。今回ご紹介する「矢飼黄河(やがいこうが)」は、いつだって働き過ぎ&疲労困憊(こんぱい)の中年男……なのですが、疲労の奥からなにやら色気が漂ってきています。
矢飼は、おかざき真里が「FEEL YOUNG(祥伝社)」で連載中のマンガ『&』に登場する45歳の肺外科医です。彼に恋をする女主人公の青木薫は26歳で、昼は医療事務、夜はネイリストとして働くダブルワーカー。仕事以外で男に触れる(触れられる)のが苦手であるため、彼氏を作ったことがありません。そんな薫がはじめて触れたいと思えた相手、それが同じ職場にいた矢飼先生だったのです。
矢飼の勤める病院では、医師が夜勤明けに手術をするなんて当たり前。
控え室には、ぶっ倒れるように眠りこける研修医がゴロゴロしているし、薫たち医療事務も、鬼のように忙しい。肉体的にも精神的にもかなりキツい、現代医療の実態がリアルに描かれています。そうした状況下で、誰よりもよく働くが故に、誰よりも疲れていて不機嫌そうな矢飼先生は「オヤジ」なんてあだ名をつけられ、患者からのクレームも多い「院内でも有名な 毒舌 人嫌い」