という自分の陣地を勝ちとるために、最初はあえてそれよりハードルが高い行為の容認を彼女に求めることにしたという。
具体的な内容は次の通りだ。
「今度、友達から風俗に付き合ってくれって誘われているんだけど、いいかな?」
当然ながら、彼女はこれに反対した。
「風俗? ダメに決まってんじゃん」
もちろん、Tさんにしてみれば、この反対は想定済みだった。だから、この段階では「わかったよ。おまえのために断わるから」と素直に引き下がったという。ここでの目的は彼女の脳裏に「彼氏を一度束縛した」という記憶を刻んでおくだとか。
さらに、Tさんはあえて彼女のことをほったらかして男友達と連日飲み歩いてみたという。
すると、予想通り彼女はだんだん不機嫌になり、やがて「ねえ、あたしをほったらかして友達とばかり飲みに行くってどういうことよ」と文句を言ってきた。
そこで、Tさんはまたも彼女のために引き下がった。
「わかったよ。おまえのために友達付き合いを控えるようにするよ」
つまり、こういうことを何度か繰り返していき、彼女の脳裏に少しずつ「彼氏を束縛すること」に対する罪悪感を植えつける作戦を実行したのだ。