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【コブスくんのモテ男道!】専門医に聞く。急増中の「ヘッドホン難聴」を防ぐには?

マイナビニュース
スマートフォンや携帯型音楽プレーヤーでヘッドホンを使う人が急増中と言いますが、同時に難聴になる人が増えているというニュースが続いています。

そこで、聴覚の仕組みや難聴の予防策について耳鼻咽喉科専門医でとおやま耳鼻咽喉科院長の遠山祐司先生にお話を伺いました。

■個人差や体調によっても難聴になりやすさが違う

――ヘッドホンやイヤホンによる難聴が多くなっていると聞きますが、先生の病院でも増えていますか。

遠山先生ここ1~2年、ヘッドホンで音楽を聴き続けたことによって耳が聞こえづらくなったという患者さんが増えています。以前は「ロック難聴」といってロックのコンサートやディスコの強大音で難聴になるケースがありました。

今はヘッドホンやイヤホンで音楽を聴くのが習慣になっていて、突然耳が聞こえづらくなる症状で来院する人が多いんです。

大きな音を聞いたあとは、誰もが一時的に耳が遠くなりますが、その後平常の状態に戻ります。

また、一般的に言うと、若いうちはもとに戻りやすく、年齢とともに戻りにくくなる傾向にあります。
とはいえ、個人差も大きく、その日の体調によっても影響の度合いは大きく左右されます。

――ヘッドホンによる難聴は耳のどこを損傷しているのでしょうか。

遠山先生聴覚は、音の振動によって鼓膜(こまく)がたわみ、それが耳小骨(じしょうこつ)を通って内耳(ないじ)の内リンパ液をふるわせることから起こります。そしてリンパ液の振動が神経に伝わり、脳へと音を感知する仕組みになっています。

ヘッドホン難聴はこの内耳の部分が損傷を受けて発症します。今の医学では、この部分を手術で治すことができないため、保存的加療(服薬や点滴など)をします。

■後ろから自転車が近づいてきたことが分かる音量にする

――では難聴を防ぐには、どのくらいの音量で聞けばよいのでしょうか。

遠山先生例えば、ヘッドホンで音楽を聴きながら歩く場合、「後ろから自転車が近づいてきたことが分かるかどうか」が一つの目安になります。


音によって聴覚が損傷を受ける「音響外傷(おんきょうがいしょう)」の一つに「騒音性難聴」があります。これは鉄工所や解体作業場など、慢性的な騒音が原因で難聴になるケースです。労災では勤務場所の騒音レベルは85デシベル以下と規定されています。この85デシベルという音量は、工事現場や電車の騒音と同じレベルで、ヘッドホンで音楽を聴く場合でも、音量がおおよそ85デシベル以下なら問題はないといえます。その目安が後ろからきた自転車に気付くかどうかです。

ちなみにロックのコンサートやディスコの音は110~120デシベルで、120デシベルを超えると、人は不快になりうるさいと感じます。火薬類の爆発は140デシベルほどあり、衝撃が大きすぎて、耳の奥から耳全体が痛くなります。

■ヘッドホンで音楽を聴く時間はCD一枚程度に

――ヘッドホンを使うときに気をつけたほうがよいことを教えてください。


遠山先生「ヘッドホン難聴」を防ぐには、耳が疲れたなと思ったら休ませることが肝心です。さらに、聞く時間はCD一枚程度にとどめておくのが無難です。

また、ヘッドホンは耳にはめ込むタイプのものよりも、耳全体を覆う形の方が負担は少ないです。

あと、寝るときにヘッドホンで音楽を聴きながら眠る人がいますが、それは耳を疲れさせるので止めおきましょう。

――よく分かりました。ありがとうございました。

若くても耳を酷使しすぎて、難聴を引き起こすこともあるのは本当のようです。ヘッドホンで音楽を聴くときは音量や時間に十分に気をつけましょう。


監修:遠山祐司氏。耳鼻咽喉科・気管食道科専門医。医学博士。とおやま耳鼻咽喉科院長。
とおやま耳鼻咽喉科TEL: 06-6923-4187大阪市都島区御幸町1-9-1地下鉄谷町線都島駅から徒歩7分http://www.is-is.org/tohyamajibika/

(藤井空、庄司真紀/ユンブル)

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