があります。法律では、「怪しいと思ったら停止させて、質問することができる」となっているんです。とはいえ、怪しいと思われても仕方のないような客観的状況は必要とされますが。でも、こちらには「対応しなければならない」という「義務はない」んですよ。
――例えば、夜、自転車に乗っていて警官に止められて、「ちょっといいですか」と声をかけられたとします。「何か身分証明書を持ってたら見せてください」とか言われたら、これに答えなくちゃいけないんでしょうか。
刈谷弁護士向こうには「権利」があって、こちらには「義務」がないので、そこで答えないと、「答えてください」「いやです」と、どちらかが根負けするまで「押し問答」ということになりますね。ただ、気を付けないといけないのは、そこで自転車に乗って逃げ出そうとしたり、肩を小突いたりといった小競り合いにまで発展すると「公務執行妨害」になってしまい、現行犯逮捕される可能性があります。
――何も言わずに行こうとしたらどうなるんでしょうか。
刈谷弁護士やっぱり「怪しい」ということになって、追いかけてくるかもしれませんね。その場合もやっぱり大ごとになってしまうかもしれません。
