耳にはシルバーではなくゴールドのピアスがついていて、足元は黒の革ではなく茶色いスウェードの靴だったけれど、以前と同じような格好の彼女にまた再会できて、わたしは内心とても喜んでいた。
何日間か取材で同行することが続いた最終日、帰り際に彼女が近寄ってきて、
「前から思っていたけど、いつも着ているこのセーターいいですね」
と褒めてくれた。すっと軽く袖のあたりを撫で、「手触りが気持ちいい」と微笑む。
わたしは自分が憧れている人にそんなことを言われてびっくりして、
「同じものばっかり着てしまうんです。気に入るとずっと着てしまって」
と、なぜか言い訳をした。その瞬間、「あっ」と思う。あのときの彼女と同じことを言っている。
彼女は一瞬目を丸くしたようだったが、すぐにうなずいて笑った。
「素敵だと思います。土門さんは、自分に似合うものを知っているんですね」
そう言ってもらえたわたしのセーターは、やっぱりなんだか誇らしそうだった。
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