くらし情報『ワンピースの女王』

ワンピースの女王

になることを望んでいた。

ディズニープリンセスがきらいでむっくりと太っていて、目つきの悪い小学生中学生時代を送っていたが、本当は『ちびまる子ちゃん』の城ヶ崎さんや笹山さんにあこがれていた。アイスクリームのうたに出てくるおとぎ話の王女や、こまったさんが大慌てしながら走り回るときにひらひらとするドレスに溜息が出た。

母に「お嬢さんに見えるように」と言われるせいですべてのかわいらしいものに反抗心が芽生えて、ショートカットでデカい眼鏡をかけてだぼだぼのパンツを履き、原色のゴツいスニーカーを履いてヘッドフォンをしていたような時代もあったが、18歳になり、大学でかわいい同級生たちを見て相当焦っていた。お嬢さんになるために、良いワンピースを買うのは悪くないかもしれない、と思った。

母の言うワンピース購入の極意は3つだった

1 パッと目立つ色のもの
2 試着を必ずする
3 三回迷う

「これだ! と思うやつが絶対あるから」と母は言った。グッドラックという顔だった。

ひとり暮らしの仙台へ帰り、ファッションビル4つをぐるぐる回った。
フォーマルやパーティーものは大抵お店の奥の方、レジの近くや試着室の近くに設けられていることが多い。

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