誰にも見せない自分だけの幸せ。高山都のランジェリーに宿る哲学
「どうすれば大きく見えるか」「谷間がつくれるか」という視点が、いらなくなったんです。
それまではワイヤーのあるものばかり選んでいたけれど、私のサイズならノンワイヤーでも充分。もちろん、パットもつけません。肩紐が細くて華奢で、すっきりと女性っぽく見えるデザインが、いっそう好きになりました。
自分が本当に気に入るランジェリーを、ビジュアルやつけ心地で、心底楽しく選べるようになったんです。
■背筋が伸びる「よいランジェリー」にも出会えた
自分のバストを認めて、愛してあげる。
その個性に合わせて、素敵な下着を選ぶ。
そんな習慣ができてからしばらくして、この数年は「よいランジェリー」にも興味がわいてきました。
20代のころは下着にまではなかなかお金をかけられず、上下セットで数千円のものばかり。「もしいま交通事故に遭って、万が一下着を見られることになったら、恥ずかしいな」なんて思うような柄物をつけていたこともありました……。
だけど、昔のバイト仲間が夢を叶えてランジェリーデザイナーになり、自身のアトリエを開くということで、お祝いに駆けつけたとき。サイズを測ってもらい、はじめてオーダーの下着をつくってもらったんです。