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“人生は、旅である”という言葉がありますが、こどもの頃『兼高かおる世界の旅』というTV番組が大好きで、毎週楽しみに見ていました。未知なる世界も魅力的でしたが、旅する兼高かおるさんもとても素敵でこんな大人になりたいと思ったものです。そんなこともあり20代の頃に縁あって福岡の旅行会社で3年ほど働いていたことがあります。旅行会社では、国内海外旅行の接客予約手配業務、パッケージツアーなどの添乗をしていましたが、旅という幸せな時間をサポートするお仕事は、直接お客様の喜ぶ顔を見ることができ、とても楽しかったのを覚えています。老若男女、様々な立場の方のお世話をさせていただいたのは、今になって思えばとても貴重な経験でした。この春、旅行を予定されている方も多いことでしょう。旅をテーマにした名作映画といえば、ベン・スティーラ監督・主演の『LIFE!』ですね!シネマの時間第4回は、ニューヨークの伝統ある雑誌社『LIFE』で働く平凡で空想癖のある主人公が、壮大な旅を経て人生を変えていくファンタスティックなヒューマン・ドラマ『LIFE!』をご紹介させていただきます!■映画『LIFE!』あらすじ - 世界を知ろう、お互いを知ろう、それが人生の目的だから©︎YUMIMOROTO主人公のウォルター・ミリーは、ニューヨークの伝統ある雑誌社『LIFE』の写真管理部で16年働いているベテラン社員。不器用な性格ゆえに人付き合いが苦手で、想いを寄せる同僚の女性シェリルにも話しかけることすらままなりません。変化のない単調な日々を過ごす彼の唯一の楽しみは、むなしい現実から逃避する刺激に満ちた空想をすることでした。空想の世界では、時にアクションヒーロー、時に勇敢な冒険者となり、シェリルに対しても情熱的な人間になることができたのです。そんなある日『LIFE』誌にもデジタル化の時代の波が押し寄せ、事業再編にともなう休刊が決定されてしまいます。『LIFE』誌代表のフォト・ジャーナリストであり冒険家のショーンは、誠実で質の高い仕事ぶりから、ウォルターのことを非常に信頼していました。世界中を飛び回る彼にとって仕事熱心なウォルターは、彼の写真を安心してゆだねることのできる志を共にしたかけがえのない存在だったのです。『LIFE』誌の休刊をいち早く知ったショーンは、ウォルターに宛ててこれまでの仕事ぶりに感謝を込めた手紙と最後の撮影フィルム、「素晴らしい仕事に感謝」という言葉と『LIFE』社のスローガンが印字された革財布の贈り物を届けます。しかし送られたはずの『LIFE』誌の最終号の表紙を飾る大切なネガが見当たりません。そこでウォルターは、一大決心をしてネガの在処を求めてショーンを探す冒険の旅へと出発するのです。ショーンを追って、北極圏のグリーンランドからアイスランドの火山地帯やヒマラヤへ。ありえないほど奇想天外な道のりは、はからずも彼の可能性を引き出し、人生を輝かしく一変させていくのでした。■この映画の主人公はあなたです!現状を抜け出して、新しい自分に変わりたい。日々の生活や仕事に追われ、それなりに充実しているけれど恋愛になかなか踏み込めない。なりたいものややりたいことが沢山あったはずなのに、夢を追いかけることを諦めてしまった主人公のウォルターは、誰もが「これって自分のことかも」と思い当たるキャラクターです。そんなウォルターが『LIFE』誌の最終号の表紙を飾る大切なネガを探すために、未知なる冒険の旅に出発。彼が、自分自身の可能性を見出し生き生きと変わっていく様子は、見る人すべてに勇気と希望を与え深い共感を覚えずにいられません。かけがえのない人生の瞬間を謳い上げた珠玉のストーリーは、あなた自身の物語でもあるのです!カメラマンのショーンからウォルターへ『LIFE』誌のための最後のフィルムとともに感謝の気持ちを込めて贈った皮財布には、映画の根底にあるメッセージでもある『LIFE』誌のスローガンが印字されており心に響きます。“世界を見よう”“壁を越える勇気を持とう”“いろんな人と出会い、お互いを知ろう”“そして感じよう”“それが人生の目的だから”そしてショーンは、「LIFE誌の最後の表紙には25番のネガを採用していただきたい。25番は俺の最高傑作だ。人生の真髄とはこれだ。いい仕事をしてくれ。信頼している。」とウォルターに宛てた手紙に書いていました。このネガが見当たらないためにウォルターは、“人生の真髄”を探す旅になるのですが、ネガに映し出された“人生の真髄”とは何だと思いますか?ただのロードムービーでないところがこの映画の素晴らしいところで、最後のシーンは何度見ても心あたたまり感動します。人生は短い。好きなこと、やりたいことがあるのなら、やってみるべきですね!■未知なる旅を彩る壮大なロケーションウォルターの旅を彩る壮大なロケーションも本作の見所のひとつです。空想の世界を抜け出し、北極圏のグリーンランドからアイスランドの火山地帯やヒマラヤへ。大自然の中に身を投じたウォルターが、ヘリコプターに飛び乗り、極寒の海にジャンプし、一日漁船員となり、荒々しい大地を駆け抜け、スケートボードで疾走し、ノシャック山を登頂し、過酷な雪山を越えていく光景は、息をのむほどの驚きと美しさに満ち溢れています。ようやくショーンを見つけたウォルターが、ふたりで幻のユキヒョウを見たり、夕暮れのなか現地の人達とサッカーをするシーンは、空想の世界以上の素晴らしさで男同士の友情にグッとくることでしょう。旅するなか素晴らしい多くの出会いを通して地味で平凡だったウォルターが、カッコ良く素敵に変わりはじめる瞬間を共有したみなさんは愛おしい幸福感でいっぱいになるに違いありません。また、ウォルターを取り巻く豪華なキャストも魅力的です。『LIFE』誌の表紙をになう冒険家のカメラマン、ショーン・オコンネルに扮するのは、『ミスティック・リバー』『ミルク』で二度のアカデミー主演男優賞に輝く名優ショーン・ペン。ウォルターが恋するヒロインのシェリルには、人気女優クリスティン・ウィグがあたたかな雰囲気で親しみやすく演じてウォルターの恋を応援せずにはいられません。また、ウォルターの母親を『アパートの鍵貸します』『愛と追憶の日々』などで伝説的な大女優シャーリー・マクレーンが存在感たっぷりに脇を引き締め安定の満足感です。■音楽とポスターの効果的な演出劇中の音楽やビジュアルも、効果的に演出されており素敵です。特に、ショーンを追ってアイスランドで酔っぱらいの運転手が操縦するヘリコプターに乗るかどうかの決断をするシーンで想いを寄せるシェリルが空想でギターを持ってDavid Bowieの名曲「Space Oddity」を歌いながら現れるのは印象的でした。まさにこの歌が、ウォルターに新しい世界へ一歩を踏み出す勇気を与えるのです。そしてオフィスのインテリアのビジュアルにも注目です。ご存知の通り、実際の『LIFE』誌はアメリカで2007年まで刊行し、写真を中心にアメリカの思想・政治・外交を世界に魅力的に伝える名グラフ雑誌ですが、現在は映画通りWEB上で事業を続けています。劇中では歴代の『LIFE』誌のカバーポスターがオフィスに飾られ、それがまた素敵なのです。特に、ウォルターがカメラマンのショーンを探すことに決めて廊下を走りだすシーンでは、モハメド・アリやジョン・レノン、宇宙飛行士などのヒーロー達が映し出されワクワク感をかき立ててくれます。是非、この機会に新しい自分へ人生観を広げてくれるヒューマン・アドベンチャー映画『LIFE!』をお楽しみください!■映画『LIFE!』作品紹介公式ホームページ:foxmovies.jp/life/movie©2013 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.原題:THE SECRET LIFE OF WALTER MITTY製作年:2013年製作国:アメリカ映倫区分:G配給:20世紀フォックス映画上映時間:114分監督:ベン・スティラー原作:ジェームズ・サーバー脚本:スティーブ・コンラッド製作:サミュエル・ゴールドウィン・Jr.、ジョン・ゴールドウィン、スチュアート・コーンフェルド、ベン・スティラー撮影:スチュアート・ドライバーグ美術:ジェフ・マン衣装:サラ・エドワ音楽:セオドア・シャピロ編集:グレッグ・ヘイデン■『LIFE!』キャストベン・スティーラー=ウォルタ・ミティショーン・ペン=ショーン・オコンネルクリステン・ウィグ=シェリル・メルホフシャーリー・マクレーン=エドナ・ミティアダム・スコット=テッド・ヘンドリックスバットン・オズワルト=トッド・マハールキャスリン・ハーン=オデッサ・ミティアートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美
2024年12月10日ドラァグクイーンもトランスジェンダーも女装家も、なんでも「オネエ」とまとめたがる乱暴な時代で、さらりとそれを引き受ける方の素顔に迫る連載『オネエのすっぴん』。第1回は、ドリアン・ロロブリジーダさんにお話を伺いました。大学在学中、「若手女装グランプリ」初出場にして優勝。紆余曲折ありながらも「今でもどうにか口紅を引き続けている」と語る彼の、これまでとこれから。ドリアン・ロロブリジーダさん プロフィールドラァグクイーン。新宿二丁目発本格DIVAユニット「八方不美人」や、好きな歌を好きな場所で“ただただ歌う”ユニット「ふたりのビッグショー」メンバーとしても活動。2019年夏には、日本航空による日本初の試みである「JAL LGBT ALLYチャーター」にスペシャルアテンダントとして搭乗するなど、活躍の場は多方面に渡る。本名はマサキ。■堂々としてればいい「ん、オカマ?羨ましいの?」ドラァグクイーンになったきっかけは、高校生のときに遊んでもらってた、近所に住むゲイの仲良しグループ。その中に昔ドラァグクイーンをやられてたって方がいて、初めてその方の女装をみたときに、まぁ!って衝撃を受けたの。もともとビジュアル系バンドが好きだったから自然に入れたのか、なんて素敵なんだろう!かっこいいんだろう!って釘付けになって。ハッキリとドラァグクイーンに憧れたのはあのときが最初です。マサキ少年の“女装魂”に火がついちゃったんだよね。そこから彼のメイクを真似てみたりするようになって、ちょっとずつ女装をする機会が増えていきました。でも最初はただの趣味ですよ。LGBTのパレードで女装して歩いたり、大学の学園祭を女装で練り歩いたりっていう。本格的に「ドリアン・ロロブリジーダ」として活動することになるきっかけは、新宿2丁目のあるクラブで開催された「若手女装グランプリ」。リル・グランビッチさんっていうドラァグクイーンに勧められてなんの気なしに出てみたら、いきなり優勝をいただけたんです。そこからドラァグクイーンとして本格的に活動が始まりました。仕事をいろいろといただけるようになって、なんやかんやあり、今もどうにか口紅を引き続けてる。そんな感じです。ドラァグクイーンの中には、普段のすっぴんの自分とクイーンとしての人格を使い分けてる方もいるんだけど、自分の場合はどちらも一緒。ドリアンはあくまでも「マサキくん」が派手な化粧をしてるだけなんだよね。抑圧された自我やジェンダーを開放するために……!みたいなことは全くなくて。ただこれが美しいと思うから、目立ちたいから、楽しいし、楽しませたいからやってるだけ。性格は、むかしっから明るかったですよ。自分がゲイだということで悩んだこともないし。小学生のころ母親に「あんたのせいでお兄ちゃん(編集部注:ドリアンさんの実兄)が”オカマ”の兄貴だって言われる」だなんて言われたこともあったけど。兄貴、気の毒よねぇ(笑)。 でも、それもあんまり気にしなかった。というのも”オカマ”よばわりされるような表現が、自分のセクシャリティから自然に出てきたものだったのか、それともおもしろいと思って意識的にやってたのかちょっとわかんなくて。とにかく「自分は”オカマ”の方がいい。羨ましいでしょ〜?」くらいに思ってました。でもどうなんだろう、それも当時周りにいた友達が良かったからなのかもしれない。こっちが堂々としていたら、そのまま受け入れてくれる人たちでしたから。だから、堂々とすることは今でも大事だなって思ってます。「実はゲイで……」と後ろ暗いことのように伝えてしまうと、相手だってそうとらえてしまう。だから「そうよ!オカマだよ!? 羨ましい?」という態度でいる。もちろん嫌がられることもなくはないけど、そんな人には「つまんないノンケ(※1)ね〜!」くらいにしか思わないかな。■営業マンもPRマンもパフォーマーも同じ。 まずは自分を好きになってもらうことからゲイであることよりよっぽど悩んだのは、大学を中退したときかな。大学に入って2丁目で遊びに遊んで、その上ゲイバーで働きだして、女装もはじめて。気付いたら単位数がえらいことになって思い切って中退。母親が泣いてね、自分もこれからどうしようって真っ暗な気持ちになりました。でも運良く香水メーカーに拾ってもらえて、そこからは「取り返さなきゃ!」ってがんばった。最初は営業をやらせてもらって、次がPR。それから転職してもずっとPRとしてキャリアを積んできました。会社員のマサキくんとドリアンの違いは、これまたあまりないんだよね。もちろん会社員の仕事のときはオネエ丸出しだと社会人としてNGだからそのあたりはちゃんと振る舞うけど、メンタリティとしては一緒。売るのは物だったり情報だったりブランド自体だったりしたけど、「まずは自分という人間を買ってくれ!」と思ってやってきたから。最初はアウェイだったお客さんがどんどん自分を見てくれるっていうのはクイーンのときも一緒です。「さあファンになってもらうぞ!イッツ、ショウタイム!」っていう気持ちで昼の仕事もやってきました。最近はありがたくもドラァグクイーンの仕事が忙しくなって、2月に「これ一本に賭けてみよう!」って昼の仕事をやめたんですけど、そうしたらこの世界の状況(新型コロナウィルス※2)で。先行きは“煮こごり”くらい不透明だけど、でも人生は一度きりだから。どうせなら死ぬときに「楽しかったー!」って言えるように、いろいろ挑戦していこうと思ってます。今はクラブイベントだけじゃなくて、一般企業のイベントでもMCやショーをさせていただいたり、『八方不美人』っていうグループでCDも出させていただいたりね。著名なアーティストのみなさんと一緒に大きなステージに立たせてもらえることも増えました。『八方不美人』のステージ(ドリアン・ロロブリジーダさん提供)だけど自分が今そんなことをできるのも、先輩たちが道を作ってくれたおかげ。もともとはアングラなものだったドラァグカルチャーを地上に出して、いろんな仕事とつないでくれた人たちがいる。だから自分も若い人たちにバトンをつないでいきたいって思います。そのためにも面白そう!と思う現場にはどんどん飛び込んで、「ドラァグクイーンって、こんなにいろんなことができるんだぞ!」ということを日本の人たちに知らしめたいですね。アングラな魅力は持っていながら、もっと道を広げていきたい。欧米の「Drag culture」の単純なコピーじゃなくて、日本がこの数十年で培ってきた「ドラァグ文化」の魅力を知ってほしいの。■楽しむから楽しい。 先輩たちが教えてくれたドラァグクイーン道。まぁ、でも、とは言っても吹いて飛ぶような仕事だから、周りからは「そんな生き方をしていて不安にならないの?」って聞かれたりしますけど、大学の中退もそうだし、自分には恥ずかしい失敗とか挫折が人生でたくさんあって。もう失うものはあんまりないって思う。今の自分の人生のゴールは「目指せ、野垂れ死に」なの。自分はきれいなお布団の上で死ねるとは思ってないんです。それだけこれまでの人生、すっごくおもしろかったり楽しいことをさせていただいてるから。いやーな死に方すると思うよ(笑)。そこまでどうぞご覧いただきたい、そう思ってます。今はもう1分後に死んでも後悔ないな。楽しかったなーって、今でもそう思える。もちろんこれからも目の前のひとりでも多くの人を笑わせたいし、笑顔にしたいから、ステージに立ち続けたいですけど。目の前の人を楽しませるコツは、まず自分が誰より楽しむことじゃないかな。楽しそうにしていれば、楽しい人たちが周りに増える。逆にずっと文句を言ってるような人って、そういう人しか寄ってこないじゃない。そう思うようになったのもドラァグクイーンをやってからです。仕事をしてると、しょっぱい現場なんてしょっちゅう出くわすんですよ。ステージ裏でバッチリメイクして「よし!」っていざステージに出たらお客さんが二人しかいないとか、他にもショウタイムに機材トラブルで音が一切出ないとか。控室がないからビルの外付けの非常階段でメイクするなんてこともあった。夜だし暗いし見えないっつーの!でもそういう現場で先輩たちが「こういうときの方が楽しいのよ」って教えてくれた。「笑っちゃうね」「なんか楽しくなってきた!」って。だから今では自分もああいう瞬間が一番楽しいって思うようになりましたね。「さあどうしよう!」って逆境を楽しむというか。もちろんいつもブツブツ文句は言うんだけど。言いながら、でもやる、みたいなね。この「じゃあどう楽しもう?」精神は自分の日常の中にも返ってきてますね。■ワーママ、オネエ、好きに呼ばせておけばいい。どんな呼び名であれ、どのみち私たちって素晴らしいしこれから先のことは、もうあと5年で40歳ですから、ひとまずそこまでは走り続けようと思ってます。5年なんてほんとに一瞬。ふんばりどきだと思ってます。できるなら女優デビューもしたいし、ダンスも習いたい。恋人も作りたいし、いろんなことをしてみたいです。「ドラァグクイーンにはこれくらいしかできないだろう」という誰かの思い込みを壊せるくらい、たくさんのことに挑戦していきたいです。読者のみなさんに伝えたいことは、なんだろう……、「あなたの魅力は、あなたに貼られたラベルごときでは到底表現し得ない」かな。今の時代って例えば母親だったらシングルマザーとかワーキングマザーとかなにかとラベルを貼られやすいし、それは迷惑なことでもあるけれど、でもそんなラベルなんてたいしたことない。あなたの魅力とは関係ないから。だからラベルは社会と戦うための単なる窓口だと思って、逆手にとって楽しんじゃおうよって言いたいです。自分もよく「オネエ」ってひとまとめにされるけど、でもこんなにいい男だし、メイクをすれば美人だし、PRの仕事もできるし、歌も歌えるのよ、いいでしょう〜?って思ってる。ドラァグクイーンをやるときも男装をすることがよくあるんだけど、ドラァグクイーン=女性の格好をするっていう固定観念を逆手にとって、ドラァグクイーンで男装、だけど壮絶に美しい、というのを見せて、見る人が混乱している様子を楽しみたいんです(笑)。人がそれぞれ持ってる「男らしさ」「女らしさ」の思い込みをグラグラ動かすきっかけになりたいって思う。だからあなたも何かラベルを貼られたら、そんなラベルは気にしないで、あなたのありのままを存分に出しちゃえばいいと思う。全身全霊のあなたで、貼られたラベルのイメージごと変えちゃえばいいのよ。私たちは何を貼られたって、どうしたって、どんな状況になったって、それはそれは素晴らしいんだから。自分は自分のことをすっごくダメな人間だと思うけど、でもすっごく愛してるの。どうしてこんな自己肯定の化け物みたいになったのかはわからないけど(笑)、そうなるには、小さなことからでも成功体験を積み重ねることじゃないかな。自分がやりたいことで誰かから褒められたり、頑張った結果を自分で褒めてあげることができたりっていうのが少しずつ自信や自愛につながると思うから。1日10回腕立てするとか、毎日ベッドメイキングをするとか、なんだっていいのよ。なにかひとつ続けていくと、自信は育まれていくと思う。だからまずは「なんか欲しがれ!」って言いたい。欲しがる対象は具体的なモノやコトだけじゃなく、「こういう自分になりたい」っていうのも含めて。「どうせ私なんて」っていうのはほんとに禁句。小さいことから欲しがっていく先に、自己肯定ってあると思うから。まぁ、ほどほどにしないとこんな化け物みたいになっちゃうけどね(笑)。ドリアン・ロロブリジーダさんの愛用アイテム「ポンズ(POND’S)」ふきとるコールドクリーム「ドラァグの濃いメイクを落とすのは、これが一番。化粧のテクニックとかは、正直全然話せることはないのよ、本当にメイク下手だから(笑)」※こちらは2020年5月4日に公開した記事内のリンク切れなどを修正したうえで再掲載したものです。
2024年12月10日■グラマーサイズ限定の、心ときめくナイトブラ|プロジェクトの背景――まず、今回のプロジェクトの背景について教えていただけますか?kyokaさん(以下、敬称略):このプロジェクトは、胸が大きめ、いわゆる「グラマーバスト」と言われる女性たちが抱える共通の悩みをなんとかできないかというところから始まりました。特にナイトブラに関しては、機能性を重視するあまり、デザインが犠牲になることがとても多いんです。着けるたびに気持ちが萎えるような……。そこで、高い機能性をもちつつも、可愛くて気分が上がるようなデザインを兼ね備えたナイトブラを開発することにしました。――具体的に、どのような特徴があるのですか?大まかに4つの特徴があります。・高機能性:睡眠中のバストのサポートと形状維持を実現しています。・デザイン:大人でも使えるような可愛いさと上品さを兼ね備えた気分が上がるデザインです。・着心地:柔らかく伸縮性のある素材を使用し、一晩中快適に過ごせます。・サイズ展開:F〜Iカップのグラマーサイズに特化しています。■こだわりを詰め込みました!――特にこだわったところを教えてください。kyoka:そうですね。たくさんあるんですけど、3つだけ挙げるとしたら……まず、バストが大きいと肩紐の部分が食い込みがちになるので、それを避けられるようなデザインを工夫しました。でも、あくまでも可愛いデザインに。2パターン用意しています。それから、気分に合わせて選べるように、胸元にリボンをつけられるようにしています。それから、着心地や触り心地を快適にしたかったので、採算度外視で素材にはとことんこだわっています。――ショーツもセットになっていますよね。kyoka:はい。上下でセットになっているほうが、やっぱり気分がいいと思うのでセットで出しています。ショーツのデザインもこだわりました。体を締めつけないゆったりとした着心地や、肌触りの良い滑らかな素材感で、快眠につながるアイテムにしたいと思ってこちらも細部にこだわっています。■想像してはいたつもり……でも想定以上に難しかった――開発にあたって、特に難しかったことがあれば教えてください。kyoka:困ったなって思うことはいくつもありました。まず、自分のなかにあるイメージを伝えることが難しかったです。自分の思うイメージとサンプルを作ってくれる方のイメージをすり合わせることの難しさを思い知りました。それから、コロナ禍の影響でレース屋さんや工場が倒産してしまい、サンプル作成が遅れることもありました。さらに、サンプルを作ってくれる方自身も大変な時期が重なり、時間がかかってしまったり。――自分では不可抗力な部分もありますね。kyoka:たしかに仕方がないという面もありますが、反省点もあります。じつは、コンセプトやターゲットがしっかり定まっていないなかで作り始めてしまったことが、そもそもスムーズに進まなかった一因となっている部分もあったりしましたので。反省しています。勉強になりました……。――それでもプロジェクトを進めることができたのはすごいことですよね。支援者へのリターンについても簡単に教えてください。kyoka:ご支援いただいた方には、以下のリターンをご用意しています。- ナイトブラとナイトショーツをお得に購入いただけます。- ギフトチケット- 限定グッズ:洗濯ネット生地を使ったお洗濯できるアイテム5点-ブランドたちあげの裏側を語るセミナー――最後に、読者へのメッセージをお願いします。kyoka:このプロジェクトは、グラマーサイズの女性たちが自信をもって毎日を過ごせるようにするための第一歩だとおもっています。みなさまの温かいご支援を心よりお待ちしております。■詳細とご支援方法はこちらからご覧ください●プロジェクト名:グラマーサイズ限定の心ときめくナイトブラ●ブランド名:kyoka●カテゴリー:ファッション●開始日:2024年5月24日●終了日:2024年6月24日●目標金額:80万円⇩ クラウドファンディングページ ⇩「グラマーサイズ限定の、心ときめくナイトブラ」■インスタライブ配信⇩ こちらからぜひご参加ください ⇩kyokaさん配信▶︎Instaramアカウント▶︎Instaramブランド公式アカウント(kyoka glamorous lingerie)▶︎TikTokアカウント▶︎公式HP↓ DRESS部活に無料で参加しませんか? ↓DRESS部活の詳細をみてみる!一般社団法人日本ランジェリースタイリスト協会ランジェリーを通して、人々の人生を豊かに。を理念にランジェリースクール『ランジェリーカレッジ』の運営とランジェリーの専門家『ランジェリースタイリスト』の育成をしています。▷公式ホームページ:JLS 日本ランジェリースタイリスト協会
2024年05月24日「大きな胸」は一般的には良いこととされますが、これをもて余し、悩んでいる女性はじつは少なくありません。大きな胸を小さく見せる方法や、物理的に小さくする方法を求める女性も多いのです。そんな中、自身の経験を活かし、グラマーサイズの女性たちのためのランジェリーブランドを立ち上げた、「DRESS会員」のkyokaさん。スタート地点に立った当初、kyokaさんの武器は「想い」のみ。そこから一歩一歩、確実に歩みを進めてきました。■「悩みは大きな胸」とは言えず、鬱屈した日々※ 画像はイメージです。あまり表には出てきにくいことですが、胸が大きい女性は日常生活でさまざまな苦労に直面しています。例えば、自分に合うサイズのブラを探すのが大変で、サイズがあっても好みのデザインがびっくりするほど少ないです。さんざんデザインを選んだあげく、「そのデザインはサイズがないですね」と言われたときの悲しい気持ちたるや……。また、バストラインのシルエットが目立ってしまうために着たい洋服が着れない、服のかたちによっては太って見えることがある、谷間が少しでも見える服を着ると好奇の目で見られるなど……。なのに、こうした悩みは理解されにくく、一般的に胸が大きいほうがいいという定説があることで、人にも相談しづらいぶん、ひとりで抱え込んでしまう女性が多いのです。kyokaさんもそのひとりでした。■自分好みのランジェリーがない……! ならば作ってしまおう!!※ 画像はイメージです。日常のちょっとしたストレスは、チリもつもれば……。気がつくと大きな悩みとなって膨れ上がり、自信のなさにもつながってしまうことも。いろいろなブランドのものを試してみても、なかなかお気に入りのランジェリーに出会えないkyokaさんは、「だったら自分で作ろう」と思い立ちます。物があふれているこの時代、なんでも探せば理想に近いものが見つかるものですが、下着だけはkyokaさんが満足できる理想のものがなかった……のだそうです。さて、インナーウェアは、極めて伸縮性の高い生地を使用すること、立体的に仕上げることなど、制作するうえで衣類の中でも難易度が高いカテゴリーに属するものです。たんに自分好みのデザインで作りたいということならメーカーに委託すればスムーズでしょう。でも、kyokaさんは下着制作にまつわることを修得して本当に満足のいく製品を作りたいとの思いから、専門的な素養を身につけるため就学する道を選びます。楽な選択とは言えませんが、理想のランジェリーを開発する、ブランドを立ち上げるという目標のために自分を鼓舞しながら、無事に卒業。いよいよ、自分のデザインを世に出すためのスタート地点に立ちました。■“欲しい”“使いたい”と思えるナイトブラを自ら開発※ 画像はイメージです。kyokaさんが、普段から自分がストレスに感じていることで、最初になんとかしたいと思ったのが、就寝中のバストケアです。バストが大きいと就寝中に形が崩れるなどという話もありますが、そうでなくてもなんとなく落ち着かないし、安眠のためにはぜひナイトブラを着けたい……。けれど、「着けたい!」と心から思える可愛いデザインのナイトブラが探しても見つかりません。そこで、これが、胸が大きい女性の悩みを解決するための第一歩として、美バストをキープできるナイトブラの開発に着手しました。“kyokaさん的”絶対に外せないポイントはこれ・大きいバストをしっかり適切にサポートする:美バストのために!・睡眠中も快適に過ごせるように通気性にも気配り:安眠できるように!・良い着心地や耐久性アップのための上質な素材:品質重視!・ルームウェアと合わせやすい設計(ショーツもセットに):コーデしやすく!・着けるたびに気分が上がるような可愛いデザイン:着けたくなるナイトブラ!■理想のランジェリーを追求してランジェリーブランドの立ち上げへ縫製の仕上がり具合をチェックするkyokaさんもちろん、ナイトブラだけでは十分とは言えません。バストが大きい方が苦手とするTシャツや、スリムなブラウスなどを着るときにも困らないで済むような日常使いできるブラジャー、肩紐の食い込みを抑えつつデザイン性も高いおしゃれなブラジャーなど、これから作ってみたいものはたくさん!作るアイテムはすべて、kyokaさんご自身のリアルな経験・悩みをもとに企画されるので、まさに、女性の悩みに寄り添ったブランド。kyokaさんが望んでいるのは、このブランドで作ったアイテムが、大きな胸で悩む女性たちに新たな選択肢を提供し、みんなが自分の体をもっと好きになれるようサポートできることです。■大きな胸の女性が自信をもてる“普通の”ランジェーリーを目指してランジェリーブランド「kyoka」は、大きな胸に悩む女性たちに寄り添うために生まれました。kyokaさん自身も同じ悩みを抱えていたからこそ、「自分と同じように悩んでいる人たちの力になりたい」という思いでブランドを立ち上げました。「どうすれば大きな胸でもランジェリーを楽しめるか、安心して毎日を過ごせるか、自信をもって生きられるのか」。kyokaさんは、そんなことを考えながら、日々ランジェリー作りに励んでいます。▷Instagram:「kyoka_lingerie」▷公式HP:「」※ 次回、kyokaさんの思いが詰め込まれた製品の詳細をご紹介します。↓ バストケアにおすすめの美容液2点をご紹介 ↓①【ワコール|ナイトビージェル R ZRA100】バストとデコルテにハリと潤いを与える美容液。ヒアルロン酸や海洋コラーゲンを配合し、しっとりとしたキメ肌を実現します。②【FUCRA|バストケア エンリッチクリーム pb001】バストにふっくらとしたハリ感をもたらすために開発されたクリーム。エステティックサロンの人気メニューから生まれたもので、保湿成分が豊富に含まれています。
2024年05月18日2023年7月27日、タレントのはるな愛さんがSNSを更新。自身の性的指向などを公表するカミングアウトについて言及しました。はるな愛「縛られない生き方を」性別適合手術を受けたことを公表している、はるなさん。芸能人としてデビュー後も、積極的に性の多様性について発言してきました。はるなさんは、同日の投稿で「カミングアウトする人。カミングアウトしない人。それぞれの生き方がある」としたうえで「カミングアウトに縛られない生き方をしてほしいなぁ」とつづっています。また、「自分はどう生きるか!」と、あくまでも自分自身の考えを大切にすることの重要性を説きました。カミングアウトする人。カミングアウトしない人。それぞれの生き方がある。カミングアウトアウトに縛られない生き方をしてほしいなぁ。1秒1分1日と性別は安定しないと思う。これからも自由に生きてほしい。自分はどう生きるか!!! #カミングアウト — はるな愛 (@haruna_ai0721) July 27, 2023 はるなさんがカミングアウトについて言及した前日の26日には、パフォーマンスグループ『AAA』のメンバーである、與真司郎(あたえ・しんじろう)さんが同性愛者であること自ら公表し、話題を呼びました。性的指向などについて公表することは、当事者にとって、難しい問題です。事情があって公表できない人、自らの意思で公表しない人、多くの選択肢があります。どうするかは自分次第ですが、どんな選択をしてもその意思が尊重され、批判されることのない世の中になることを、当事者のみならず、多くの人が願っているはずです。[文・構成/grape編集部]
2023年07月27日特別悪いことが起きなくても、なぜか毎日が辛い、苦しいと感じる人もいるでしょう。今回は、イラストが何に見えるかによって、あなたの「生き方上手度」がわかる心理テストをご紹介します。生きやすくなるためのアドバイスや、克服のコツもご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。Q.このイラストは何に見えますか?A:花瓶B:目C:ビーカーD:玉ねぎあなたはどれを選びましたか?さっそく結果をみてみましょう。この心理テストでわかるのは?「生き方上手度」深層心理においていろいろなものに見える“イラスト”は、不確定な状態や不安定さを象徴しています。また、どうなるのかわからない人生ともリンクしています。イラストが何に見えたかによって、人生への向き合い方、つまり生き方が上手か下手かを探ることができるのです。A:「花瓶」を選んだあなた…生き方上手度40%人目を引くような華やかさとオーラを漂わせているのが、この答えを選んだ人。あなた自身はマイペースな性格で目立ちたいという欲はないものの、自然と周囲から注目を浴びやすい傾向があるようです。生き方上手度は、40%です。わざわざ大変な道や選択肢を選びがちなところもあり、それゆえに苦労することも多いかもしれません。しかし、そのおかげで強くたくましいマインドを持つことができるでしょう。無理に上手に生きようとしなくても、自分の信念ややり方を貫くことが生きやすくなるための近道と言えるでしょう。B:「目」を選んだあなた…生き方上手度20%あなたは几帳面で、何事もきちんとしないと気が済まないタイプのよう。丁寧なスタンスが評判を呼ぶ一方で、融通やアレンジが利かない、面白みがないと思われることも。この答えを選んだ人は、これまでも生きづらさを感じることが多かったのではないでしょうか。その原因は、あなたがきちんとしすぎることに原因があるのかもしれません。人生は不確定要素の多いゲームのようなもの。もっと気楽に出たとこ勝負で楽しめば、きっと生きるのも楽になるはず。たとえば、買い物やレジャー先もフィーリングで決めるなど、小さなことでいいからトライしてみて。C:「ビーカー」を選んだあなた…生き方上手度60%あなたは頭の回転が速く、ユニークな発想力の持ち主でしょう。周囲の想像を超えたことをパッと思いつくことが多く、アイディア勝負の世界で生きているかもしれません。生き方上手度は、60%です。ピンチに直面しても、持ち前の閃きと柔軟な思考力のおかげで、辛いと思わずにサラッと切り抜けることができそう。コミュ二ケーション力も高く、人と関わることにストレスを感じないところも生き方上手の証拠。今後も困ったことが起きたら、頭をひねって周囲にオープンに相談する。これを忘れなければ、事なきを得られるでしょう。D:「玉ねぎ」を選んだあなた…生き方上手度80%この答えを選んだ人は、ガードが固くトラブルへの耐性があります。ピンチに陥っても、周囲からいじわるされても、ヘコたれない強さがあるでしょう。性格も慎重かつ温厚で、小さなことにクヨクヨしない傾向が。あなたの生き方上手度は80%です。悪いことが起きても、「ま、いいか」「なんとかなるさ」と深刻に考えないのがあなたの強みでしょう。ただし、体調が悪いときは考えもネガティブになりやすいものです。常に健康に気遣い、心身ともに元気でいることも、生き方上手度をより高めるポイントと覚えておいてください。おわりにもっと上手に生きられたら苦労しないのに……と思っている人もいるかもしれません。幸い、生き方は自覚や努力で変えることが可能です。今回の診断を参考にして、人生をより生きやすく心地良いものにしていきましょう。©JDawnInk/gettyimages文・月風うさぎ
2023年07月23日突然ですが、皆さまは運命のランジェリーに出会ったことはありますか?「運命」と一口に言ってもさまざま。自分の好みに合ったデザインであったり、ものすごくつけ心地が良かったり、人によって異なります。私はランジェリーに関わる仕事に就いて8年目。いくつか思い浮かぶのですが、そのうちのひとつは、実は最近出会ったものなのです。運命を感じるランジェリー撮影:堀部優李(本人私物)私が運命を感じたランジェリーは、「NAOLINGERIE(ナオランジェリー)」のノンパテッドブラジャー。はっとするような鮮やかなパープルに一目惚れ!軽いつけ心地とフィット感の高さにも驚き、見た目と機能面、共に心をつかまれ、購入しました。ちなみにノンパテッドブラジャーというのは、カップの部分にパッドがなく、レース1枚でできているブラジャーのこと。ほどよい透け感と軽さが特徴です。NAOLINGERIEのアイテムには、全てに名前がついています。デザイナーさんの想いがアイテムに込められているのが大きな魅力で、今回私が購入したブラジャーは「I’m valuable.」という名前でした。意味は「私には私のままで価値がある」。もともと大好きなブランドで、その理由のひとつがこのメッセージ性でもあったのですが、今回はデザインに一目惚れしたため、その意味を聞くことなく購入したのです。帰宅してから、ふと「そういえばどんな名前なのだろう」と思い調べたところ、以下のように書いてありました。(※ 以下原文ママ)Designer’s Message:紫色は日本で最も高貴な色。紫のバラを纏って、「そう、私自身も高貴な精神をもち、価値のある存在」だと再認識してほしいのです。何度感じても良い感情だと思います。ナオランジェリーのお客様は本当に心の素敵な方が多く、お客様を表現したと言っても過言ではありません。「私は存在そのものに価値がある」何度でもこの言葉を贈ります。私には私のままで価値があるこれを読んだとき、すごく驚きました。なぜなら、私がランジェリースタイリストとして本当にお客様に伝えたいことと全く同じだったから。実はこのブラジャーを購入する少し前は、日々お客様と接したり、想いをSNSで発信する中で、少し自分の軸のようなものが薄れているように感じていた時期でした。ランジェリーの正しい知識を広めたい、衣類としてだけでなく、楽しめるアイテムとして生活に取り入れてもらいたい、身体と心に合ったランジェリーを身につけてほしい、など、自分の中で想いが溢れすぎて何が何やらわからなくなっていたのです。なぜ自分がランジェリーを好きになり、仕事にまでするようになったのか。その原点をずっと考えていました。そして、自分の身体やバストに否定的で、ランジェリーも好きではなかった私がここまでこれたのは、本当に合うものに出会えて、徐々に自分のバストを肯定できるようになったから、ということに気づいたのです。長年コンプレックスであった小さなバストも、「スッキリしてていいじゃん」「大きなバストが良いと思っていたけど、私のままでいいじゃん」と前向きに捉えられるようになったのは、好きではなかったはずのランジェリーのおかげだったのです。このことに気づいたとき、ランジェリーの偉大さを改めて知ったと同時に、これが自分の根底にある想いなんだと、心のもやもやが晴れていくような気がしました。それから、自分の経験とともに、「あなたにはあなたのままで価値がある」「あなたのバストにぴったりのランジェリーは必ずある」ということを発信しよう! と心に決めたのです。運命の出会いってこういうことそして数日後に、このブラジャーを購入しました。ほぼ一目惚れで、うまく言葉で表現できないけれど、「あ、これいいなぁ、すごく好きな気がする!」とビビッときたのです。実際、お店に入って試着して購入するまで、15分ほどしかかかりませんでした。とても不思議な感覚で、今思うと、これが運命の出会いなのか! と納得しています。身体と心に合うランジェリーは勇気をくれる撮影:堀部優李(本人私物)今でこそ自分のバストに肯定的で、ぴったりのつけ心地のランジェリーを見分けられるようになった私ですが、それでも気持ちの浮き沈みで「こうだったらいいのに」とネガティブになってしまうことも多々あります。「ボディーポジティブ」という言葉も少しずつ浸透してきているけれど、気になるところは気になるものです。小さなバストも私らしさのひとつだと理解しているけれど、谷間に憧れちゃうときもある。ちょっとお腹がぷにぷにしてきたことも受け入れているはずだけれど、やっぱりもう少し絞ったほうがいいのかな……。1度ネガティブな思考になると、なかなか抜け出せないことってありますよね。でもそんなとき、このブラジャーに込められた想いを噛みしめながら身につけることで、「そうだった、今の私のままで価値があるんだった」と気づかせてくれるのです。そして、この想いを私もランジェリーを通してたくさんの人に伝えたい! と前を向かせてくれるのです。あなたはあなたのままで価値があるバストや身体、ランジェリーの悩みって、とても根深いもの。過去に他人に言われた一言がトラウマになっているという方も多いでしょう。なかなか抜け出せない方が多いように思います。しかもランジェリーは毎日身につけるものなので、そこにコンプレックスがあると常に目に入ってしまい、また落ち込むという負のループ。でも、だからこそ、本当に身体と心に合うランジェリーに出会えるだけで変わるのです。毎日目にする自分の下着姿がとっても素敵なものに変わるとしたら、前向きになれそうな気がしませんか?運命のランジェリーに出会うためにランジェリーは何も言わずそっとあなたに寄り添ってくれます。他の人からは見えない部分で、優しく支えてくれるのです。そんな、運命のランジェリーに出会うために、「私なんて」って諦めないでください。「どうせ私に合うブラなんてないでしょ」って自暴自棄にならず、たくさん試してみてください。自分でわからないことがあれば、私たちランジェリースタイリストや店員さんに声をかけてください。自分を諦めずに探究心を持ち続けることで、運命のランジェリーに出会えるはずです。Text:堀部 優李堀部優李 プロフィールランジェリースタイリストPrimulinge(プリムランジェ) 代表「想い」を叶えるランジェリー提案”をテーマに、個人のお客さまのスタイリングやコラムの執筆などを行う。また、顔タイプや相貌心理学、カラーセラピーなどを駆使した、外見と内面両方のアプローチで美をアップデートする企画「トータルビューティー研究所」もスタート。映画オタクな2児の母。一般社団法人日本ランジェリースタイリスト協会ランジェリーを通して、人々の人生を豊かに。を理念にランジェリースクール『ランジェリーカレッジ』の運営とランジェリーの専門家『ランジェリースタイリスト』の育成をしています。
2023年03月31日「頑張りすぎて疲れた」という経験がある方もいるのでは?なかには、他人の経験から自らの生き方を見つめ直した方もいるようで……。そこで今回は、実際に寄せられた「頑張りすぎない生き方」を2つご紹介します。他人の経験を踏まえて……ある人の話で「人は臨終直前に何を思うのか」という話を聞いたことがあります。一部の人は「あんなに働きすぎるんじゃなかった……」と思うそうです。仕事を頑張っても、いざ自分の人生楽しもうと思ったときには身体に不調をきたしてしまい、やりたいことも出来ず……。その話を聞いてから「自分の身を削ってまで働く必要はないな」と思うようになりました。(38歳/看護師)まずは限界を決めずに……どのくらい頑張ったら自分の心身が崩れてしまうのか、それを知って見極めることが必要ではないでしょうか。ギリギリのラインまで頑張ってみてから、耐えられる許容量を知ってそこから頑張り過ぎないように生きることが大切だと思います。やらないうちに自分の限界を決めてしまっては、自らの可能性を狭めてしまうのでもったいないと思います。(38歳/自由業)自分に合った頑張り方を……今回は、「頑張りすぎない生き方」を2つご紹介しました。皆さんは頑張りすぎないために、意識していることはありますか?※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2023年03月14日生きるうえで大切にしていることは人それぞれ。なかには、自分に合った生き方を見つけた方もいるようで……。そこで今回は、実際に寄せられた「頑張りすぎない生き方」を2つご紹介します。頑張らなくても……頑張ることは大切です。しかし、周りに合わせて“普通の人”になるために頑張る必要はないと思います。日々の生活で他人に迷惑をかけず、自分が出来ることで誰かの役に立てることがあれば手を貸す、そのくらいの意識で生活していけば良いと思います。(52歳/アルバイト)自分に合った働き方で……私は仕事を頑張った結果に体調を崩してしまい、現在はアルバイトなどをしながら生活しています。会社勤めをしていた頃よりも収入は減りましたが、精神的にはだいぶ楽になりました。今は会社勤めでなくても、在宅ワーク等で収入が得られる時代です。また、会社勤めでも週4勤務が可能な企業も少しずつ増えてきました。仕事でストレスを感じている方は、無理をせずに自分に合った働き方を見つけるのもアリだと思います。(36歳/アルバイト)生き方は人それぞれ……皆さんそれぞれ自分に合った生き方を見つけているようですね。皆さんは頑張りすぎないために、何か意識していることはありますか?※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2023年03月11日『DRESS』読者の皆さま、初めまして。ランジェリースタイリストの堀部優李と申します。主にオンライン上で時間無制限のランジェリーカウンセリングをさせていただいています。「カウンセリング」と言ってもさまざまで、お客さまのお悩みを解決することはもちろん、理想の姿に近づくためにランジェリーができることをお伝えするなど、内容は多岐に渡ります。お客さまが100人いらっしゃれば想いも100通り。それらの大切な想いを「ランジェリーで叶える」ことを目的とし、日々お仕事をさせていただいています。2023年! 新しい下着はどう選ぶ?さて、今回のテーマは「ランジェリーの選び方」。皆さまは下着を新調するとき、何を大切にして選ばれていますか?ただ古くなったから、という方から、何か特別な想いを抱えて選ばれる方までさまざまだと思います。実際、販売員をしていたとき、日々たくさんのお客様と接する中で「選び方」は決してひとつではないということを学びました。結論を言ってしまうと、「選び方」に決まったものはなく、正しいも正しくないも、ありません。直感で選ぶも良し、一目惚れしても良し、本当に「自由」なのです! もちろん、サイズが合っていることや身体と相性が良いことは大切なポイントですが、それらをクリアしていればどんなアイテムを選んでも良いのです!自由と言われるとかえって選びづらくなってしまうかもしれませんので、下着を選びやすいように指標となる要点をご紹介します。下着の選び方5選ここからは、実際に私が販売員時代に出会った、定番〜ちょっとめずらしい(?)選び方まで、5つご紹介します。1.「とにかくデザイン重視」派これは定番! どんな方でも何かしらお好きな雰囲気やカラーがあるのでは? テンションの上がるデザインを身に着けるのって、それだけで心がほくほくしますよね!心底デザインに惚れている方だと、実際に使用するものと観賞用の2セットを購入されたり、3色あれば3セットを色違いで購入されたり、なんていう買い方も意外とあるあるでした。2.「ショーツ命」派Annebra Collection 29「Collection Concept "Glam of 1960’s"」1960’sの自由で開放的、革新的な女性たちのファッションからインスパイアされたCollection No. 29。左のショーツ:「Olive バックオープンデザインショーツ 2750円(税込)」右のショーツ:「Vintage ソングショーツ 3190円(税込)※2023年5月後半頃に発売予定」こちらはブラよりもショーツのデザインや形を重視している方々。お気に入りのショーツを見つけてからブラの試着をする、少しめずらしいタイプです。ちなみに私もこの派閥に所属しております!レーシーでシアー感が強いものとか、ヒップ側に穴が開いているとか(ハート型にくり抜かれているとか)、ちょっとエッジの効いたクセありデザインが大好き!ランジェリーフリークの方だと、共感できるのではないでしょうか?3.「なりたい私を演出する」派いつも選ぶような安定感のあるデザインも良いけれど、ちょっと雰囲気を変えたいときってありますよね。お仕事で気合を入れたいとか、久しぶりにパートナーと会うからちょっと冒険してみたいとか。そのときの気分や未来のイベントに合わせて選ぶので、バリエーションが増える選び方です。おのずと自分の心と向き合うことになりますから、アイテムにも命が吹き込まれるような、そんなイメージ。「なぜこのデザインを選んだのか」をお客さまがお話ししてくれる時間は、すごく幸せで満たされる時間だったなぁと思い出されます。4.「スピリチュアル」派この選び方をされていたのはおひとりで、少数派ではあると思うのですが、とても興味深く感じたのでご紹介させてください。このお客さまは、数カ月に1度の周期でご自身のパワーが出る色があり、それが変わるたびにその色のランジェリーを探しに来てくださるんです! ちょっとめずらしい色のご要望があったときは探すのが大変だったなぁというのも良い思い出。下着って消耗品だし、ただただ「衣類」として購入する方も多い中で、何か特別な想いをランジェリーにのせて選ぶのって素敵だし、そのほうが、一つひとつのランジェリーをより大切にできるのかなと思います。5.「どさっと1年分買っちゃう」 派1月、新年を迎えると、1年分どーんと購入される方がチラホラ。よくよく聞くと、もともとランジェリーが大好きで、お店に立ち寄ると買ってしまう自分を制するために1年分を一気に購入して、また来年まで我慢する! とのこと。1日でたくさんのお店をまわり、お気に入りを何着もゲットするそうで、それもなんだかワクワクしますよね。私の場合、たぶんその後の1年我慢できないでしょうけど……。2023年、身体と心にぴったりのランジェリーに出会えますように今回ご紹介させていただいた5つの選び方は、私が販売員時代に実際に出会ったものですが、これらはほんの一部です。お客さまの数だけ選び方があり、そのどれもがそれぞれの心を満たし、お気に入りのものを手に入れた方は皆さまキラキラと輝いていらっしゃいました。サイズが合っていて、お身体と相性が良いものであれば、お好きな色やときめくデザイン、一目惚れなど、ご自身の心に問いかけて、そのときビビッとくるものをチョイスできたら良いのです!2023年、これを読んでくださっている皆さまが、身体と心にぴったりのランジェリーに出会えますように。Text:堀部 優李堀部優李 プロフィールランジェリースタイリストPrimulinge(プリムランジェ) 代表「想い」を叶えるランジェリー提案”をテーマに、個人のお客さまのスタイリングやコラムの執筆などを行う。また、顔タイプや相貌心理学、カラーセラピーなどを駆使した、外見と内面両方のアプローチで美をアップデートする企画「トータルビューティー研究所」もスタート。映画オタクな2児の母。一般社団法人日本ランジェリースタイリスト協会ランジェリーを通して、人々の人生を豊かに。を理念にランジェリースクール『ランジェリーカレッジ』の運営とランジェリーの専門家『ランジェリースタイリスト』の育成をしています。
2023年01月27日シンプル・イズ・ベターな暮らしをご提案シンプルライフアドバイザー®による無理や背伸びをしない暮らしのアイデアをご紹介。収納アイデアや考え方など実践しやすい暮らしの知恵は必見です!今回は「メモしておきたい2023年の縁起のいい日」についてご紹介します。2023年の縁起のいい日背中を押してもらえる日をチェックinstagram(@ie_memo)突然ですが…暦の上で縁起がいいと言われる日を気にしていますか?私は縁起のいい日を「背中を押してもらえる日」と思い、少しだけ意識して過ごしています。そこで今回は、2023年の縁起のいい日をお届け。ぜひ参考にしてくださいね。暦の上で縁起のいい日は…instagram(@ie_memo)暦の上で縁起がいいと言われる日、気にする・気にしないは人それぞれだと思います。私は、縁起のいい日を「背中を押してもらえる日」だと思って少しだけ意識して過ごしています。私が意識する大切な日instagram(@ie_memo)私が意識している日は「天赦日」と「一粒万倍日」。どちらも日本の暦に古くからある吉日の一つです。新しい手帳を買ったら、まず最初に「天赦日」と「一粒万倍日」の日に印をつけています。年に5日ほどしかない特別な日instagram(@ie_memo)「天赦日」は、年に5日ほどしかない暦の上で最も縁起のいい日です。神様が天に昇りすべてをゆるす日という意味があるそうで、新しいことに挑戦するのに最適な日です。「一粒万倍日」は、月に4〜6日。年に60日ほどある吉日です。一粒の籾が万倍にも実り立派な稲穂になると言われていて、新しいことを始めるのに最適な日です。一歩踏み出せない方は…instagram(@ie_memo)結婚式・入籍・好きな人に告白・引っ越し・開店・開業・口座開設・財布の新調・スキルアップのための勉強・習い事など。「やりたいな、でも…」と、なかなか一歩踏み出せない人は天赦日や一粒万倍日など、縁起のいい日に背中を押してもらうと行動しやすいかもしれませんね。2023年の天赦日と一粒万倍日instagram(@ie_memo)2023年の天赦日と一粒万倍日を一覧にまとめました。ぜひスケジュール帳やカレンダーにメモしてみてくださいね。天赦日と一粒万倍日が重なる日instagram(@ie_memo)天赦日と一粒万倍日が重なる特別な日もあります。この3日間のうち、3月21日と8月4日は更に見逃せない「スーパー強運日」。2023年よいことたくさんありますようにinstagram(@ie_memo)「今年はちょっと意識してみようかな?」という人は、ぜひお試しくださいね!
2023年01月15日お久しぶりです。ランジェリースタイリストの中根菜穂子です。久しぶりに『DRESS』でランジェリーの連載をさせていただくことになりました。この3年、おうちにいることが増えたことで、インナーやルームウエアなど、自分や親しい人だけが目にする衣服に意識を向けた方も多かったのではないでしょうか?ランジェリーは洋服と違って日常的に人から見えるものではありませんが、自分は毎日目にするもの。自宅で過ごす時間が増えたとき、おうち時間を楽しむアイディアを考えたように、もっと“自分”を楽しむために、ランジェリーを日々の中に取り入れてみませんか?■今年、パリに行って改めて気がついた「日本の下着の素晴らしさ」2022年6月、パリで行なわれた「SALON INTERNATIONAL DE LA LINGERIE」に2年半ぶりに取材に行ってきました。パリはランジェリーショップの数が多く、日本ではなかなか見かけないうっとりするようなデザインのランジェリーが数えきれないほどあります。私を含め、ランジェリーが好きな方にとっては夢のような場所。展示会の会場でさまざまなブランドを取材したり、街のランジェリーショップや百貨店でランジェリーを試着していたりして気がついたことがあります。吸い付くようなフィット感や、快適さと補正力を両立させる技術は、日本の下着がやっぱり素晴らしいということ。もちろん、私たちは、ありのままで美しいし、ありのままの姿を認めることも大切です。でも、あと少しバストの形を整えたい、お腹をスッキリさせたい、ヒップアップしたい……。そんな気持ちになるのは自然なこと。そんなときに、美意識から生み出された補正力と、丁寧な仕事から生み出された心地よさを兼ね備えた下着が簡単に手に入るのは、日本ならではと言えるのではないかなぁ、と思いました。■ランジェリーは私たちの毎日を彩るもの私たちランジェリースタイリストが大切にしている考え方に「正解はお客様の中にある」というものがあります。こんなことを聞いたことはありませんか?「ワイヤー入りブラを着けないとだめ! 胸が垂れますよ!」ワイヤー入りブラが良くて、ノンワイヤーが悪いのか? と言えばそんなことはありません。デニムを履きたい日もあれば、ドレスアップしたい日もある。スキンケアは肌の調子に合わせて変えたり、年齢を重ねて見直すこともありますよね。これはランジェリーも同じです。心も体もリラックスしたい……。そんなときは、ノンパテッドのノンワイヤーブラを合わせてみるのはいかがでしょう。ブラジャー&ショーツ:intimissimiバストケアに力を入れたい!そんなときは、補正力の高いワイヤー入りブラでバストをきちんと安定させる。ブラジャー:WACOAL LUXE BEAUTE洋服をキレイに着こなしたい。そんなときは洋服と相性の良いブラを選んでみる。ブラキャミ:HANRO、ショーツ:intimissimiこんな風に、気分や洋服、体調など、目的や状況に合わせて自由にランジェリーを選ぶことで、毎日がもっと楽しくなったり、知らなかった自分を発見できたりします。さらに最近は、新しいランジェリーブランドが続々と登場しているので、今まではサイズがなかった方や好きなデザインがなかった方も改めて目を向けてみると選択肢の多さに驚くかもしれません。日本に住み、この時代に生きる私たちがランジェリーを楽しまないなんてもったいない!これからランジェリーであなたの毎日を彩る、さまざまなアイディアをお伝えしていきますので、もっと“自分”を楽しむためにランジェリーを知って、いいなと思ったことは取り入れていただけたら嬉しいです。***最後に。この連載は日本ランジェリースタイリスト協会会員のランジェリースタイリストの皆さんと一緒にお届けしていきます。この連載を読んでくれた皆さんの日々がランジェリーで彩られ、もっと豊かになりますように。最後までお読みいただきありがとうございました。中根菜穂子 プロフィールランジェリースタイリスト日本ランジェリースタイリスト協会 代表理事雑誌やウェブメディアを中心に下着企画の監修・スタイリングを行なうほか“ランジェリーを学ぶ・楽しむ・仕事にする”をテーマとしたスクール「ランジェリーカレッジ」を主宰。ライフスタイルに合わせたランジェリーの選び方やランジェリーの専門家育成の講座を開講している。一般社団法人日本ランジェリースタイリスト協会ランジェリーを通して、人々の人生を豊かに。を理念にランジェリースクール『ランジェリーカレッジ』の運営とランジェリーの専門家『ランジェリースタイリスト』の育成をしています。
2022年12月31日食欲の秋、スポーツの秋、勉強の秋…みなさまは今年の秋をどのようにお過ごしですか。もうすでに来年のことを考えていらっしゃる方も多いかもしれませんね。そんなあなたが、これからの「生き方のヒント」を見つけるとしたらどこにあるのでしょうか。以下の簡単な心理テストをどうぞおためしください!Q.帰宅して郵便ポストを開けると、何も書かれていない白い封筒が入っていました。不思議に思って中を開けると、何かが描かれている一枚の紙が出てきました。さて何が描かれていたと思いますか?1.天使2.分厚い本3.虹4.窓選べましたか? それでは、答えを見てみましょう。1、「天使」を選んだあなたあなたのこれからの生き方のヒントは、「今までの自分史」にあります。記憶をたどって人生で経験したイベント、それに伴う感情などを書き出してみると、本来やりたかったことや再度チャレンジしたいことなどが明確になりますよ。2、「分厚い本」を選んだあなたあなたのこれからの生き方のヒントは、「偉人の言葉」にあります。名言がまとめられたサイトや書籍があるので、時間のあるときに目を通してみてください。心が安らいだり元気をもらえたり、考え方を変えるきっかけになるかもしれませんよ。3、「虹」を選んだあなたあなたのこれからの生き方のヒントは「旅など非日常空間」にあります。旅行に行く時間がなくても、普段行かないようなお店に足を運んだり、ホテルのラウンジを利用するだけで気分が変わり、新たなものの見方ができるようになりますよ。4、「窓」を選んだあなたあなたのこれからの生き方のヒントは「映画やドラマ」にあります。仕事や家族問題など興味のあるテーマに絞って、いろいろな作品を観てみましょう。「こんな生き方もあるのか」と参考になる人物像に出会えますよ。いかがでしたか? 日常のふとした弾みで目にしたり、耳に入ってきたことから、問題解決に対するヒラメキがわいたり、インスピレーションが働くことがあるので、直感のアンテナは磨いておきたいですね。そのためにも、できるだけ自分自身の課題は片づけて身軽にしておきたいものですが、あなたが今年中に取り組んでおくべきことは何でしょうか。詳しいテストをご用意していますので、こちらもご覧ください。 「2023年を迎えるにあたり、今年中にあなたがやっておくべきことは?」 ママが気になる心理テストがいっぱい! 子育て診断はこちら
2022年11月15日オードリー・ヘプバーンの特集本『オードリー・ヘプバーンという生き方』が、2022年10月14日(金)に発売される。世界中から愛された女優の美しい生き方を振り返る『オードリー・ヘプバーンという生き方』は、オードリーの美しい生き方、常に注目を浴びてきたファッション、珠玉の名言などを275点の写真と共にまとめた書籍。オードリー没後30年を前に、波乱万丈でありながらも謙虚・気丈に生きた彼女の人生から、前向きに美しく生きるヒントが見つかる一冊だ。『オードリー・ヘプバーンという生き方』では、4つのチャプターに分けてオードリーという人物を深堀する。当時カリスマ的人気を博した彼女のファッションから、一躍トップ女優に躍り出た『ローマの休日』などの出演映画と演じたキャラクター解説、彼女の人柄に至るまで、有名写真家による多くの写真と共に紹介。監修者は、1987年にオードリーが来日した際に、インタビューを行うなどした清藤秀人。また、巻頭8ページには、世界最高峰の写真家集団マグナム・フォトによる秘蔵写真を掲載する。【詳細】書籍『オードリー・ヘプバーンという生き方』発売日:2022年10月14日(金)定価:1,540円監修:清藤秀人出版社:宝島社
2022年10月17日「お鮨屋さん」一番好きな食べものは? と聞かれたら、迷わずお鮨と答える。カウンターで、まずはゆっくりお刺身をつまむのが好きだ。二十代前半、渋谷近くの名店に、俳優の先輩が連れて行ってくださった。シンコの時期だから行こうということになり、男性三人プラスおまけの私の四人でうかがった。本わさびは醤油に溶かさず、刺身にのせて食べること、ぬる燗のおいしさもそのとき知った。ゆずの皮を散らした煮蛤(にはま)にも感動。煮蛸もなんとも味に深みがある。卵も貝柱のうまみの甘過ぎないもので、ふわっとしつつキメが細い。私は広島出身なので瀬戸内のおいしい魚は知っていたが、この江戸前の仕事の麗わしさに、ため息が出るほど心打たれ、先輩方と同じカウンターに並ぶ緊張感と、隠れ家のようなその店の佇まいもあり、とろけるように幸せな時間だった。二軒目に向う夏の夜、ノースリーブのワンピースの腕に感じる夜風が心地良く、ハイヒールを履いていたのに、足元がふわふわと夢見心地に軽やかだった。いつしかその店にひとりで通うようになる。入口の戸をガラガラと開ける時のドキドキ。高揚感と共にとても特別なうれしい時間を過ごさせてもらった。今も、やはりひとりのときはカウンターの店を選ぶ。「おいしい!」という言葉は、心の中より口に出したいものだ。笑い話なのだが、20歳の記念に箱根宮の下の富士屋ホテルに初めてのひとり旅をした。そのときの夕食が、まるで鹿鳴館のような大広間でのフレンチ。ナイフやフォークがずらりという“あれ”で、それはそれは孤独だった。それからというもの、ひとりのときはカウンター。行きつけのそういう店 が、好きな街にいくつかあるといい ものだ。あれから20年の時が過ぎ、久しぶりにそのお鮨屋さんに母と行った。ご主人はあの頃のままの謙虚さで、昔と変わらずすべすべとした白い手だった。だけど、何か落ち着かない。すると、急に周りの音が消え、カウンターの隅から二番目に、背筋を伸ばして座っている20代の私がいた。あの頃、ちょっと背伸びして、すてきな大人達に混ざって、ここで幸せな時間を過ごさせてもらってたね。本当に良かったね。そう、こうべを垂れるように静かに思った。それからは、また行きたいと思いながら、まだ行ってない。あの店は、祭のあと の余韻にも似た、私の中のひとつの灯(ともしび)であり、誇りでもあり、そう、青春なのだ。戸田菜穂
2021年12月25日気温が高くても、秋の風を感じるようになってきたなーと思う今日この頃。みなさんこんにちは。かわベーコンです。季節は秋冬が好き…! ただ、この微妙な気温の変化に着る物をどうするか悩む毎日よ…。暑いのと寒いのは仕事に影響が出る(暑くてやる気が出ない&手がかじかんで動かない)ので程よくていいんですがね。一年はあっという間に過ぎるんだなと毎年思います。いつも一緒にいるから気づきにくいけど、娘と息子も日々成長して、体が大きくなったり、精神的に育ってきたなと思います。そんな娘と息子。まずは最近の娘を見ていて思うことです。■自己主張の強いTシャツを着るなど、メンタルが強い娘いや、メンタル強すぎん? 自己主張が強いTシャツが最近のお気に入りらしくてよく着ています。周りの子にその服について突っ込まれるらしいんですが、本人はまったく気にしてないらしく、むしろ楽しいそうです。私もよく髪の毛を派手色にしたりして、母に突っ込まれますが、そういうところは娘と私は似ている…?ただ、ヒソヒソされるのは好きじゃない…。一度きりの人生、好きなことや、好きなものに囲まれて過ごしたい、というのはごもっともなので、これからもそのメンタル大事にしてくれ娘ェ!一方、息子はそんな目立つようなことはしないタイプ。ただ、息子は赤ちゃんの頃から変わってないなと思うところがあります。それは…動き。 ■動くのが大好き! 立派な元気ボーイに育っている息子息子、赤ちゃんの頃、めちゃくちゃ動く子で、特に足をよくビヨンビヨン、ゲシゲシ、バンバン、と動かしていました。足腰の強い子になりそうだなーと思っていましたが、予想通り…ジャンプが大好き! 体動かすの大好き! な立派な元気ボーイに育っています。家でテレビを見ている時もオケツをプリプリさせたり、とにかく動いている…。落ち着きがない、とはちょっと違う。おとなしい時はいい子にしていますが、リラックスしていると足がタコよろしく並に大暴れするみたいです。マグロっていってんのにタコとか…。まぁ、でも同じ海に住む生き物なんで良しとしましょう(よくない)。それでも休日をはさんだりすると、二人とも月曜日になって「足が痛い~」というので、休日は平日ほど動いていないんでしょうね。…あれで動いていないだと…?娘も娘でお友だちと遊ぶとなれば、朝から遊んでいます。子どもって、めっちゃアクティブ〜。自分にもその体力が戻ってきてほしい〜と強く思う母なのでした。
2021年10月15日昔、久々に学生時代の友人に会ったとき。「久しぶりー!」と声をかけられても、誰だか全然わからなかったことがあります。「このイベントに参加しそうな私の知り合いって……?」と考えて、やっと「ああ、あの子か!」とわかったのですが、明らかに私を知っている風に話しかけてくる相手に、しばらくの間、ひやひやしながら話を合わせたのを覚えています。10年ぶりくらいだったから、彼女だとわからなかったのかと思いきや、私が気づかなかった理由はそうではありませんでした。10年も経っていれば、老けたり、太ったり、痩せたり、髪型がガラッと変わったりしてわからない、というのはよくあること。なかには、「お直し」をしたから顔が違っている、という人もいるかもしれません。しかし、彼女の場合は、昔と同じ体形で、髪型も昔とほぼ一緒、そこまで老けたなあという印象もなかったのに、それでも気づかなかった理由――。それは、彼女の「顔つき」が変わっていたから。■「なんか、顔、変になってる!」本当に失礼な話ですが、彼女だと気づいたときに私が真っ先に思ったことは、「なんか、顔、変になってる!」老けた、やつれた、整形した、そういうことではなく、何か言いようのない違和感のようなものを感じたのです。確実に以前とは違うけれど、「じゃあ、どこが違うのか?」と言われるとうまく説明できない、おかしな変化。それは、今までの生き様がそのまま顔に出てしまったかのような。今まで積み上げてきたカルマが顔を作っているかのような。もちろん、彼女は悪人などではなく、むしろ私以上に至極真っ当な生活を送っているため、悪行をはたらいたから悪人面になったとか、そういう話ではありません。ただ、昔、よく顔を合わせていたときのことを思い返すと、ある点においてはものすごく自分本位になったりと、少し変わったところもあり、当時は「悪い人ではないけれど、ちょっと付き合いづらいな」と感じていたこともあります。その「ちょっと変わったところ」が、10年分蓄積されて顔つきに現れてしまった、というのが、彼女の変化を説明するのに、一番しっくりくる理由ではないかと思います。■生き方、性格は顔に出る彼女に限らず、ある程度の年齢の人に対して、顔を見ればなんとなくその人の性格が想像できる、ということは、皆さんも経験しているのではないでしょうか?私も、サロンでお客様のBefore・Afterの写真を撮っていて、やはり顔つきと性格の傾向というものを感じます。目元が優しそうな人は、話してみたらやはり穏やかな人だったり、意志が強そうな目の人は、予想通り強かったり、逆に目の奥が怖い人には、朗らかな人なんていないし、口がへの字の人に「あの人、いつも感じがいいよね」と言われる人はいないのです。もちろん、万人がそうだということではなく、性格は顔に出る傾向がある、ということです。そして、こういうときに「全員がそういうわけじゃない! 顔で決めつけるな!」と言ってくる人もいると思いますが、その人は「そういうことを言いそうな顔」をしているのでしょう、きっと。■過去の「業」が自分の顔を形づくるココ・シャネルが遺した名言「20歳の顔は自然からの贈り物。50歳の顔はあなた自身の功績」は、まさにその通りであり、過去の「業」が自分の顔を形づくっているのは確実。因果応報ではないですが、いい生き方・考え方をしてきた人はいい顔つきが、必ずしもいいとはいえない生き方・考え方の人には、それ相応の顔つきがもたらされるのでしょう。だから「あれ? この人って……?」と、なんとなくイヤな感じがした場合は、極力距離を置くようにするとか、「人を見た目で判断するなんてよくない」なんて思わず、自分の感覚に従って行動した方が無難です。また、そのジャッジは自分にも下されている、と肝に銘じて、自分の普段の顔つきを意識することも必要。今、これを読んでいるこの瞬間、あなたはどんな顔をしていますか?※ この記事は2017年8月18日に公開されたものです。
2021年01月10日現代の大切な価値観のひとつに多様性があります。「美しさの概念はひとつではない」化粧品メーカーをはじめ、さまざまな場所でこのような声を聞くようになりました。そんな時代だからこそ、ランジェリースタイリストである筆者からは、「自分だけの美しさ」をランジェリーで見つけるのも良いのではないか……と提案したい。私は約10年間ランジェリーの仕事をしてきました。その半分以上は百貨店での勤務。年齢でいうと下は10歳から、上は80代までの幅広いお客様と触れ合ってきました。もちろん年齢に限らずとも、理想とするランジェリーやバストへの考え方もさまざまなはず……と思いきや、「小さいバストは大きくする」「大きいバストはスリムに見えるように」といったように、”一般的”な理想の体型へと自分を合わせていくような方がほとんどでした。下着=体型補正のために着るものというイメージの方も多いと思いますが、下着(ランジェリー)には体型補正だけではない魅力がたくさん。”一般的”とはまた違う自分の美しさに気づかせてくれたり、自分の理想へ導いてくれるものだと私は考えています。■なりたい自分になるためのランジェリー選び自分の体型に自信をなくしていた20歳の頃、あるランジェリーショップの前を通りかかりました。そのランジェリーは、当時着けていたランジェリーの数倍の価格ではありましたが「試してみるだけでも……」と思って試着をし、鏡の中に映った自分を見ました。当時、「もっと痩せなければ自分は美しくない」と考えていましたが、その鏡の中に映った自分の姿を見たとき、「今のままでもいいところはある」と思えるようになったのです。その感覚は”諦める”、”開き直る”とはすこし違う、”ありのままを認める”という感覚だったと記憶しています。日本では、「体を補整する(バストのサイズを変える)」「洋服を着たときに透けないものにする」など、機能的な選び方をする傾向が強かったように感じます。ですが「この経験を伝えながら新しいランジェリーの選び方を広めたい!」と考えてから、私の気持ちの変化の正体について調べました。服飾分野にも広げて、被服と女性の心理についての本や論文を読み始めました。そこで、被服心理学(身に着ける被服が、人間の心理や行動において与える影響を研究した学問)に出会います。調べていくと、本の中にこんな記述を見つけました。人は現実の自己像と常に向き合っているが、被服を媒介として理想的な自己像に少しでも近づく事が可能となり、その結果心にうるおいがもたらされ、心理的充足感が得られるものと考えられる。――『新版被服心理学中川早苗編』発行所/日本繊維機械学会より引用20歳の頃の私は「痩せることで綺麗になる」「痩せなければ綺麗ではない」と思い込んでいました。ですがある日偶然に出会ったランジェリーを介して、自分がほんとうに理想とする美しさに近づくことができました。その結果、今のままでもいいところがあるという気持ちの変化を感じることができたのです。■まずは、好きなランジェリーを選んでみよう被服心理学の研究では「好きな被服は嫌いな被服よりも理想の自分に近いところにある」と言われています。皆さんの中にはさまざまな事情で、本当に好きな洋服やメイクを日常的にできない人もいると思います。装いに関しては周囲からの目を気にしてしまうこともあり、自分の好きを100%反映するのは難しいですよね。でも、洋服の下にあるランジェリーは人から見られることなく自分の好きを100%表現できるところであると私は考えます。ここからは、DRESS読者のみなさんがランジェリーを通して、自分の理想とする美しさに出会うための方法をお伝えしていきます。「価格」ではなく「好きという直感」で試着を百貨店に勤めていた頃からお客様には、購入するかどうかは別として「そのランジェリーを着けたご自身の美しさを感じてみてください」ということをお伝えしています。体験しなければ、感じることはできません。着けてみて「自分には似合わない」「やっぱり違うかも」「気後れしちゃう」など、いろいろな感情が湧くと思います。でも、自分を肯定できる感覚、理想の自分に近づいた感覚を持てる場合もあります。なので、まずは<試着をすること>をおすすめしています。「価格ではなく、好きの直感で試着を」とお伝えしている理由のひとつに高級ランジェリーを着けると自信が湧くというのは心理学の研究結果があります。必ずしも高級なランジェリーである必要はありませんが今自分が着けているよりも高価なランジェリーを選んで着けてみるのもおすすめです。まずはさまざまなランジェリーブランドを眺めてみてここからは、皆さんの運命のランジェリーになるかもしれないランジェリーブランドを紹介します。試着はちょっと……という場合には、まず”見る”ことから始めてみてください。1.オーバドゥフランスの高級ランジェリーブランド、セクシーでエレガントなテイストが人気。2.シャンタルトーマスフランスの高級ランジェリーブランド、女性っぽく魅惑的な世界観が人気。3.トレフルワコールのプレステージランジェリーブランド。繊細なデザインは、技術力が高いからこそなせる技。優美なデザインが人々を魅了している。4.L’ANGELIQUE(ランジェリーク)日本のランジェリーブランド。大人の肌を美しく見せてくれるアンニュイなカラーとナチュラルな着け心地が人気。5.ナオランジェリー日本のランジェリーブランド。深い思いやりこそが、最も美しいという考えのもと、女性の自尊心を満たすランジェリーを発表している。デザイナーのこだわりが細部にまで詰まっています。6.バサラシルクランジェリーブランド。フランスの最高級シルクサテン生地を使用。リラックス感のある着け心地と美しさが人気。7.プリスティンオーガニックコットンブランド。こだわり抜かれた素材の心地良さと、締め付け感のない着け心地が人気。***「雰囲気が好き」「なんか気になる」そんな風に感じたブランドはありましたでしょうか?価格にとらわれず、まずは好きを感じることから始めてみてください。そして、気になるブランド、商品があればぜひご試着を。今までの下着の概念に縛られることなく、自分の好きを信じて、ランジェリーを通して自分だけの美しさに気づく方が増えますように。そして、美しさの概念はひとつではありません。だからこそ、自分の理想の美しさへとアップデートしていくときに、ランジェリーその力になれたらランジェリースタイリストとしてこれ以上うれしいことはありません。皆さまのランジェリー選びの参考にしていただけたら幸いです。
2020年09月13日■「私は私のバストを、私なりに楽しもう」と決めた大きくて、おもわず谷間に目を奪われるような、色っぽいバスト。もちろん素敵だけれど、そういうバストだけが世間から「いい」と言われることには、昔から違和感がありました。私は若いころからずっと、胸が小さいほう。だから、“大きく” “セクシー”に見せるためには、寄せて上げたりパットを入れたりしなければなりません。でも本当に、わざわざそんなことをする必要があるのかな?たとえばドレスを着るときに、ボリュームのある胸だと華やかに見えるのはわかります。だけど、胸が小さいからこそシルエットがきれいに出せる洋服だってある。そもそも私自身、盛るためのパットなんてないほうが、つけていて心地よいのに……。そんなことをずっと考えていて、あるときから、人と比べるのをやめました。その人の雰囲気によって似合うファッションが違うように、バストの大きさによっても、似合う服や着こなしは変わります。なのにバストだけ、みんな同じ「良さ」を求める必要はありません。「私は私のバストで、私なりの楽しみ方をしよう」と決めたら、なんだか気持ちも楽になって。まず、下着の選び方が変わりました。「どうすれば大きく見えるか」「谷間がつくれるか」という視点が、いらなくなったんです。それまではワイヤーのあるものばかり選んでいたけれど、私のサイズならノンワイヤーでも充分。もちろん、パットもつけません。肩紐が細くて華奢で、すっきりと女性っぽく見えるデザインが、いっそう好きになりました。自分が本当に気に入るランジェリーを、ビジュアルやつけ心地で、心底楽しく選べるようになったんです。■背筋が伸びる「よいランジェリー」にも出会えた自分のバストを認めて、愛してあげる。その個性に合わせて、素敵な下着を選ぶ。そんな習慣ができてからしばらくして、この数年は「よいランジェリー」にも興味がわいてきました。20代のころは下着にまではなかなかお金をかけられず、上下セットで数千円のものばかり。「もしいま交通事故に遭って、万が一下着を見られることになったら、恥ずかしいな」なんて思うような柄物をつけていたこともありました……。だけど、昔のバイト仲間が夢を叶えてランジェリーデザイナーになり、自身のアトリエを開くということで、お祝いに駆けつけたとき。サイズを測ってもらい、はじめてオーダーの下着をつくってもらったんです。お洋服ではなく下着に何万円もかけるなんて、なんだかドキドキしてしまいました。でも、その下着は国産のコットンを使っていて、縫製も丁寧。繊細なレースやこだわりのデザインに、彼女の哲学がぎっしりと詰まっていました。気づけば製品だけでなく、彼女のアイデンティティや美学のファンにもなっていたんだと思います。「下着なんて誰にも見せないし」と思っていたけれど、こうして出会ってみれば、やっぱり良いものは良い。身につけるだけで、自分の背筋がすっと伸びたのを感じました。その日、家に帰ってから。私は迷いなく、いままでの古い下着をすべて捨てました。新しく手に入れた、この美しいランジェリーに似合う自分になれるように。前向きな断捨離は、私に大きなエネルギーをくれたんです。もしかしたら、若いころ一緒に夢を語り合っていたバイト仲間がつくった下着だから、という理由もあったかもしれません。彼女の名前は、栗原菜緒。いまをときめく「ナオランジェリー」の創業者です。■誰にも見せないからこそ、自分のスイッチを入れてくれる長くモデルをしてきたから、オンのときの下着は、飾り気のないベージュが鉄板。お洋服に響かない、シームレスなデザインが当たり前です。肩紐がうっかりのぞいたり、Tシャツから透けてしまったりするのは絶対に許せません。せっかくのファッションも台無しになる気がして、いつも注意しています。そんな感覚が強いせいか、オフのときも、私にとってのランジェリーは見せちゃいけないもの。もしくは、本当に特別な人にしか見せないもの。だからこそ、お気に入りをひそかに身につける楽しみも生まれました。自分だけの世界で、自分の気持ちを高めるスイッチを入れるような感覚です。たとえば、この春はおうちで過ごす時間が多かったと思います。私もそうで、毎日自粛してばかりいたけれど、それではなんだか気分が上がらない……。お出かけしないから、ファッションを楽しむ機会もありません。そこで、クローゼットで出番を待っていた、新しいランジェリーをおろしてみたんです。どこにも出かけない、誰にも見せない。完全に自分だけのためなんだけど、その時間がとてもよくて、気分が明るくなったのを実感できました。だからその勢いのまま、同じブランドの新商品を買ったりもして。自分のためだけに選び、自分のためだけにつけて、自分のためだけにまた新しいものを買うのは、とても豊かで幸せな時間でした。お洋服と違って、冒険しやすいのもおもしろいところ。みんなに見られる洋服では勇気が出なかったり、パブリックイメージとは違うデザインも、気軽にチャレンジできます。私はいままで、なんとなくずっと黒いランジェリーばかりつけていたけれど、ふと「もっと明るい色もいいかも?」と思い、いくつか試してみたんです。そうしたら案外、白も悪くない。ちょっとだけ、新しい扉があきました。■自分の魅力も、自分の幸せも、自分で決めるいま私にとって、ランジェリーは、自分の軸になるもののひとつです。たとえば、どれだけ素敵な下着をつけていても、姿勢が悪ければ台無し。バストを本当に美しく見せるためには、自分自身をはつらつとさせなければいけません。そのために私が日ごろから続けているのは、走ること。コロナ禍でランニングすることには賛否両論あったけれど、ソーシャル・ディスタンスをとってひとりで走るぶんには、いいことづくめです。自粛でもやもやした心も晴れるし、なにより筋肉がついて、姿勢がよくなる。自分を整えることとお気に入りのランジェリーは、実はこうやって、つながっているんだと思います。若いころは「大きなバストがいいのかなぁ」と悩んだこともあったけれど、本当は、バストの大小と美しさは関係ありませんでした。大切にするべきなのは、きっと「サイズ」じゃなくて「印象」。そして印象をつくるのは、姿勢のように自分で磨けるものや、心に秘めた「今日は素敵なランジェリーをつけている」という自信、なんだと思います。みんながみんな、おっぱいばっかり見てるわけじゃない。その上の顔つきとか、その奥にある生き方を、感じ取ってくれるはずです。SNSでは、毎日みんなの幸せそうな姿が流れてきますよね。ひとりで家にこもっているとき、たまに出かけたスーパーで仲良し家族を見かけると、急に寂しくなったりもして……。隣の芝生って、どうしても青く見えてしまいます。だけど、人生における幸せに、正解なんてありません。だったら自分が選んできた道に自信をもって、いつも小さな幸せを感じていたい。……人生の幸せも、バストの大きさやかたちも、ランジェリーの楽しみ方も、人それぞれ。ときどき揺らぐこともあるけれど、自分に合うものを見つけていけばいいのかなって、信じています。
2020年07月22日ドラァグ・クイーンもトランスジェンダーも女装家も、なんでも「オネエ」とまとめたがる乱暴な時代で、さらりとそれを引き受ける方の素顔に迫る連載『オネエのすっぴん』。今回は、女装パフォーマーのブルボンヌさんに話を伺いました。テレビのバラエティ番組出演から、ラジオパーソナリティ、講演まで幅広くこなすブルボンヌさん。彼が初めて女性装に惹かれたきっかけはなにか。そしてこれまでどんなことを願い、悩み、歩んできたのか。素顔のままで語っていただきました。ブルボンヌさんプロフィール女装パフォーマー/ライター。1990年にゲイのパソコン通信ネットワークを企画・設立。その後、ドラァグクイーンとして、全国のイベントやパレード、映画のキャンペーンなどに参加。と同時に、ゲイ雑誌『Badi』の編集主幹、ライター、エッセイストとして女性誌、映画雑誌、週刊誌などに連載、寄稿する。女装パフォーマー集団「Campy!ガールズ」のメンバーとして、全国のクラブイベント、各種メディアでも活躍。本名は斎藤靖紀。■着飾ることの力を教えてくれた母私が女装というか、着飾ることの魅力を最初に感じたのはオカンからなんです。母は若い頃にテレビの深夜番組に出てシャバダバ言ってた人でね。その後地方都市に移り住んで歓楽街でスナックを開くっていう、深夜番組に出てた女のお決まりコースをいったような人だったんですけど(笑)、やっぱりそういう世界で生きてる人だから、綺麗だった。授業参観に来てくれるとパッと目立ってね。男の先生からも「母ちゃん綺麗だな」って言われたり、時代ですよね。でもそれが私はうれしくって、自慢だった。オカンが出勤前に化粧をする姿を見て、かっこいいなっていつも思ってましたよ。彼女は主婦グループともつるまなくてね。ずっとひとりでいるもんだから「いいの?」と聞いても「群れるの嫌いなのよ」とさらっと言うような人でした。いつも堂々としていて、シングルマザーのまま私を大学まで出してくれて。母は私の誇りですね。あの人のもとで育ったことが、私に「自分は自分でいいんだ」と思わせてくれたんじゃないかな。私も幼い頃は人並みに、自分の女性的な部分というか、やわらかさをからかわれてしょげたりもしたんですけど、でもふさぎこむほどに苦しまなかったのはオカンの影響が大きいと思います。マジョリティでないことは決して悪ではないと、彼女を見て知っていましたから。■女装はやってみたかったけど、ドリフもおもしろくて私がはじめて女装をしたのは今から25年以上前。ただの余興だったんですよ。身内の小さなイベントで。それがまさか仕事になるなんて思ってもみなかった。面白いですよね、今じゃこれでテレビにも出てるんだから。そのイベントは仲のいいゲイの友人たちとやっていたんですけど、今Netflixで話題のル・ポール先生(※1)が出したアルバム『スーパーモデル・オブ・ザ・ワールド』が当時流行っていて、その曲でショーをやりたいよねってなったんです。じゃあ女装しなきゃ! ってみんなで騒いでね。だけどいざ準備を始めたらもう“上っ面女装”で。『プリシラ(※2)』みたいな映画を観たり、日本初のドラァグクイーン・ムービーと言われる『ダイヤモンドアワー』を見たりとか、表面的には最新のドラァグカルチャーを取り入れたりはしたんですけど、どちらかというと「ドリフたのしいね」みたいな人間の集まりだったので格好いいのはできなかったの(笑)。だから海外のドラァグカルチャーと日本のコミックカルチャーの融合みたいな感じで、たとえば『ガラスの仮面』のパロディー女装劇をやるとか、そういうことになったんです。メンバーはみんな面白い子ばかりでしたよ。「新しい何かをしたい人の集まり」という空気があったと思う。みんなで自主制作の映画を撮ったりしてね。その映画の脚本家も今じゃ売れっ子になられてるし、エスムラルダさん、肉乃小路ニクヨさん、バブリーナさん、皆さんそれぞれのフィールドで活躍されてます。実はマツコ(・デラックス)さんが初めてショーをしたのも私たちのイベントじゃないかな。今になってみたら、あれは日本らしいカルチャーの構築の仕方だったんじゃないかって……、思うことにしてます(笑)。■最後のお便り「ブルちゃんはもう、自虐なんてしなくていい」芸能界には、マツコさんやミッツさんが作ってくれた女装オネエ枠の端くれとして少し入らせてもらったんですけど。はじめはワイドショーとか雛壇のお仕事をさせてもらって、10年くらい前からかな、ラジオや講演のお仕事に力を入れるようになりました。「語り」の仕事と言えばいいかな。ラジオをやることになったときは、一番の武器であるビジュアルを奪われるので不安だったんですよ。聴いてる人からすると生温い、なよなよしたおじさんのトークにしかならないんじゃないかって。しかもオファーをいただいていたのがNHKのAM、その上お昼の番組っていうコンボだったから、聞いてくださる方は50〜70代が中心でね。みなさん「農作業しながら聴く」みたいな世界だったから、自分のことなんてきっと受け入れてくれないって思ったんです。でも、事務所の社長が「やってみないとわかんないじゃん!」って背中を押してくれてお受けして。でも、やっぱり私は自信がなかったんでしょうね。いざ始まってどうしたかっていうと、自虐のギャグを多用したんですね。「みなさん、得体の知れないオネエ声にひいてませんか?」とか「異物混入しちゃってごめんなさいね」とか言って。世間のおじいちゃん、おばあちゃんに嫌われたくなかったから、嫌われるより先に自虐を言えばいいんだって。小馬鹿にされている前提でいれば「気さくでいいヤツだな」くらいには思ってくれるんじゃないかと思ったんです。それで結局2年もやらせてもらって。ファンと言ってくださる方もできたり、たくさんお便りもいただけて、本当に頑張ってよかったと思ったんですけど、最終回でいただいたお便りに「ブルちゃんはいつも『自分なんて』って笑って言うけど、すごくステキな方なんだから、そんな風に思わなくていいのよ」って書いてあったんですね。「まっとうなこと言ってるんだから、自虐なんてしなくていい」って。「これまでありがとう」って。私、放送事故並にギャンギャン泣いちゃってね。あー全部バレてたんだって。ちゃんと伝わってたんだって。「女装は武装」って私はよく言うんですけど。女装を始めてからずっと、なんだろう、自分の中の弱さを払拭したくて。メイクして頭に花とか乗せて「ここまでやってんだから、えらそうに真ん中いっちゃうよ!」ってパワーをもらってきたんですけど、でもそれを続けてきた先で私が結果できたことは、素直な気持ちを語るということだったんだと思います。……この話、思い出すとやっぱダメだわ(笑)。新宿二丁目でひどいショーをやってた頃を知ってる他のドラァグ・クイーンの子が、今の私を見て「いい子ちゃんになったね」って言うこともあるし、そのことで切なくなることもありますけど、ひどい毒舌が笑いにはなりづらい時代で、私は今の自分が役に立てる一番いいフィールドに導いてもらったんだと思います。あとはもうババアの世代になりましたからね。語りの仕事を通じて、ほんの少しでも次の世代が今より生きやすくなるように貢献することが、今の自分のプライドなのかなって。■女装、ワーママ、わかりやすいタグを前にすぐ妄想する人々今女装してパフォーマンスをしたり、お店に立つ上で気にかけているのは、お客さんからジェンダーとかセクシュアリティにまつわる偏見を感じたときは、なるべく突っ込むってことかな。もちろんこの人なら大丈夫そうって人の場合にね、ユーモアを交えながら。たとえば、私に「女の私より女らしいわよ」と言ってくる女性ってよくいるんですけど、「束の間の女装だから女性性を濃縮して出せるけど、反動で家じゃクソジジイそのものよ!」って言っちゃいますね。実際普段の私は座ったら足も開いちゃうし、一人称も「俺」ですし。「女装」とか、きっと「ワーママ」とかもそうだと思うけど、わかりやすいタグを持ってると、こういう風に自分の妄想に当てはめたがる人って絶対に出てくるんです。でも人間っていうのは、そこまでひとつの塊じゃなくて、時間とかによって自分の中のある面をふんだんに出したり、演じたりもできるものじゃない。私は誰にだって内側に多面性があるんだってことを表現したくてこの仕事をしてるので、そういった妄想にはできるだけ突っ込むようにしていますね。■この世代、この感覚だからできることこれから先については……もう何もすることないかも。だめ?(笑)お店は3店舗(※3)も出させていただいて、全国でたくさんの方とお話する機会があって、今はありがたいことばかりなのでそれを失わうことが怖い、みたいになっちゃったね、歳のせいかな。ずっと二人三脚でやってきたうちの社長は白血病を五回くらい再発してる人だし、いつ失われるかわからないことがたくさんありますから。でもこの世代、この感覚だからできることはやっていきたいですね。ちょっと前は「女装大衆演劇ごっこ」というお昼のイベントを同世代の女装仲間とやりました。もう私たちはクラブイベントで深夜2時に「出番です」って言ってもらってもねって。体力ないよねって(笑)。だからずっと着席で、だけどうちらのそれなりに培った感覚で発信できるものをやろうってなりました。テーマも、若い子に無理にこびるというよりは、自分たちと同じように歳をとってきた子たちが感じる孤独とかを扱えたらいいなと思って作りました。「女装大衆演劇」って、やっぱババアの女装だからできる感じがあるじゃないですか、横文字ゼロで漢字6文字も並んじゃって。すごい野望はないけれど、これからもお店での接客とか講演とかラジオとかメッセージを伝えられることはやりつつ、自分の年とやってきたことに似合う表現で、心が動いたものがあればやっていきたいですね。……なんか、すること全然あったね(笑)。■どうでもいい人の話なんて、聞かなくていい。読者のみなさんに伝えておきたいことがあるとすれば、なんだろうな……。「どうでもいい人の話なんて聞かなくていいのよ」かな。若い頃にうちの社長と付き合ってた時期があったんですけど、社長はこの世代に珍しく人目をまったく気にしない人でね。ある日、街中で私と手を繋ごうとしてきたんです。そのときに私は反射的にそれを解いたんですけど、社長はきょとんとしていて。すごく考えさせられましたね。なんで私はもう会わないかもしれない人たちの目を気にして、こんなことしてるんだろうって。ラブラブなふたりの楽しい気持ちより自分の人生に関係ない人たちの目を大事にすることってなんなんだろうね? って、つきつめて考えてみると、なんのために生きてるんだろうね? って話にもなるじゃない。まぁ、最近社長と手を繋ごうとしたら、「もうそういうんじゃない!」って違う意味で振り払われましたけどね(笑)。誰かをジャッジするための枠組みなんて本当はないのに、「社会はこうだ」とか、「あの人はきっとこう思うに違いない」って、敵役を頭の中で生み出してまわりに配置して、何かを言われてることを想像しては、どんどん自分の行動範囲を狭めていく。自分の可能性を自分でつぶしてることが、本当はすごく多いと思います。私はラジオの仕事も講演の仕事も、「きっと受け入れてもらえない」と思い込んでいたけど、本当に挑戦してよかった。だから読者のみなさんも「周りにいるあの人がダメ出しをするだろう」とかそんなことを考えるんじゃなくて、私がしたいことはこうだと、私が今の世の中に求めることはこうなんだということを絶対信じてあげた方がいいと思います。それを信じられたなら、死ぬときだってきっと後悔しないんじゃないかな。もちろん大好きで尊敬してる人から「あんた今おかしなことしてるよ」って言われたときは聞いた方がいいですけどね。でも、そんなことってそうそうなくない?だいたいどうでもいい人の悪口を気にしちゃうんですよね。だから、どうでもいい人の話は気にしなくていいんだよってことは、まぁ……私はこんなこと言っておきながら、これからも気にしちゃうから(笑)、自戒もこめて、言っておきたいですね。「斎藤靖紀」が「ブルボンヌ」になるためのアイテムジュビィ クイーンの秘密メイクセットブルボンヌさん自身がプロデュースするメイクブランド。「ジュビィ フラットヴェール ムースファンデーション」「ジュビィ シャイニーピュア カラーUV(グロウ下地)」のセット。「女装のカバー力の源である舞台用ドーランをムース状にして一般女性が使える軽さに仕上げました。強めのグロー下地と合わせて、イヤなものは全部隠して、内側からのツヤを演出します」本インタビューは2020年3月5日に実施しています。新型コロナウイルスの流行に伴う社会の変化を受け、2020年5月13日のブルボンヌさんからのコメントを掲載します。ブルボンヌです。取材をお受けした当時は「プロデュースするお店を3店舗出せたし、もう何もすることない」なんて調子こいて語っていましたが、ご存知の通り新型コロナで世界は激変しました。近年の私を支えていた、お店は全店営業自粛中、講演も全てキャンセル、ラジオはリモート出演となりました。コスメも市場は売上半減です。無収入どころか家賃だけで大惨事、名指しで危険な場所扱いされた歓楽街がもとに戻るのはいったいいつになるんでしょう。「不要不急」という言葉が自身の存在意義を追い詰める中で、今や遠い昔にも思える、ノリノリだった頃の自分の発言を世間にお出しするなんて……と、この記事を世に出す決心がなかなかできずにいました。ですが、私はもともと何もないところから、自分がしたいと感じた変なことをして生きてきた身です。逆境こそ女装の見栄が生きるのだとも思います。正直しんどい。こんな弱ったアタシを見ないで、とも思う。でもやっぱり見て。女優女優女優。嘘を演じるの!オンラインでの配信や、営業が再開したらド派手マスク女装で店に立つなど、その時できることを必死にやってアタシなりに生き抜かなくては。皆さんもそれぞれのしんどさと取っ組み合って生きてらっしゃると思いますが、華麗に装って、自分を褒めまくって、最期に「アタシなりによくやったよ!」って誇れる人生を送りましょうね。プライドをお守りに。<DRESS編集部より>本連載では、ドラァグクイーンや女装パフォーマーの方にお話を伺っていますが、すべての方が「オネエ」を自称しているわけではありません。(※1)歌手、モデル、司会者としてマルチに活躍するアメリカのドラァグ・クイーン。主演のドラマシリーズ『AJ and the Queen』(Netflix)や、オーディション番組『ル・ポールのドラァグ・レース』(Netflix)が話題。(※2)3人のドラァグ・クイーンが主人公のロードムービー。1994年公開。(※3)ブルボンヌさんプロデュースの店舗は、2020年4月現在「Campy!bar」(新宿、渋谷)、「ASOBi」の3店舗Photo/友松利香(@tm_mt_)、Title logo/hinatä(@_1984hn)
2020年06月01日50代を迎え、さらに輝きを増す羽田美智子さん(51)。「40代までは自分が主役でもいいけれど、これからは相手を立てる生き方を」と思ったことで、「自分にも光が当たるよう」と話します。ドラマの主演を務めながら、今、思うことーー。「隕石が接近して地球滅亡まであと半年、というドラマのお話をいただいたのが昨年の秋でした。そのときは“非現実感”がおもしろそう、と思ったんですが、今、世界中がかつてない混沌とした状況に陥ってしまって。もちろん設定は違うけれど、時代が、地球が変わるときだと痛感しています」そう話すのは、ドラマ『隕石家族』(東海テレビ・フジテレビ系、土曜23時40分〜)で主演を務める羽田美智子さん。彼女が演じる主婦・門倉久美子は、あと半年の命と知り、自分に正直に生きたいと一念発起。「好きな人がいます!」と家族に告白し、高校時代の初恋の人のもとへと走ってしまう。「人生でやり残したことはないか?と考えたとき、久美子にとっては、かつての純愛を手に入れることだったんですよね。その気持ちをまったく理解できないわけではないし、むしろ、純粋に人を愛した記憶を大事にする部分には共感できて、『正直に生きるってどういうことだろう?』と、自身に問い直す機会にもなりました」また、羽田さんは「地球が滅亡するとして、自分にとって本当に必要なものは?」と自身に問い続けたそう。「すると思いのほか、きっとたいしたものじゃないな、って思えたんです。あの世に持っていける財産は、お金や評価ではないだろうし。人を純粋に愛して、愛されてよかった、という記憶くらい。そして、自分がどれだけ伝えられたか、ってことなんじゃないかな。結局は“あきらめる”ということ。ネガティブな言葉に聞こえますが、もともとは仏教用語で“明らかに眺めて物事に執着しない”という意味のようです。近年の自然災害を経験するたびに実感してきたこともあるんですが、極論『命さえあれば、なんとでもなる』、あらためて覚悟を決めたら、強くなれた気がします」“捨てる”選択をしたことで、心がふっと楽になったという。「あと、人生でやり残したことが、案外、何もなかったんです。結婚も離婚も経験できましたし(笑)、大切な仲間とも出会えました。ただ、そう思えるのも、50代になった今だからでしょうね。40代のころは『まだ何もできてない』という焦りの中にありました。人に『ありがとう』と言うばかりで、言われるような生き方をしてこられただろうか、寂しい人生ではなかっただろうか……」そんな思いもあり、5年前、故郷である茨城県常総市が水害に見舞われた際には、まっさきにボランティアに駆けつけた。「地元の同級生との交流が増え、『美智子が頑張っているから私たちも頑張るよ』と言ってもらうたびに、表舞台に立つ者として、同世代を引っ張る責任もあるのでは、と考えるようになりました。その昔、『女は40代までは楽しいけれど、50代からはみじめよ。鏡を見ればうんざりするし、あちこち不調が出てくるし』と言われたことがあったんです。でも『そんなことはない!』と証明したくって。『あとからくる人たちに“50代の希望”だと思われる存在になる!』って、周囲のスタッフたちにも宣言しちゃったんです(笑)」50歳からの生き方を見つめ直し、昨年にはオンラインショップ「羽田甚商店」をスタート。目の奥がビビッと開いた“本当にいい暮らしのモノ”だけを販売している。「50代からは、相手やモノを主役に立てる生き方をしたいな、と思って。自分の性格的に、人のためが自分のためになるだろうし、実際、それによって自分自身に光が当たっているように感じています」「女性自身」2020年5月5日号 掲載
2020年05月01日月刊 湘南HEALTHISTAs では、【湘南ヘルシスタ】による、ヘルシーでハッピーなレポートを毎月お届けします!連載を担当する【湘南ヘルシスタ】とは、日々をヘルシーに楽しむ女性のこと。気づけば、2019年ももう残りわずか…!!月刊HEALTHISTAsでは、ホリスティックビューティーに欠かせない、ヘルシーでハッピーな人生観とは何かを、改めてシェアします。 「湘南ヘルシスタ」という生き方とは? 湘南女史カルチャーの根幹を知ると、貴女の人生観は多かれ少なかれ変わるでしょう。 湘南に移住しなくたっていい。今いる場所でできるヘルシスタ的な生き方があります。まず、心に誠実に正直に、本当の自分と向き合うことが第一歩。 HEALTHISTAs essenceは、そのお手伝いをします。 「毎日を自分らしく、丁寧に生きるということ。」まずは一番近しい人への愛。つまり自分自身のQOL。そしてすぐ隣にいる家族、友人へ。母として人間として、次世代の地球環境にも配慮していきます。♡ 母、妻、女であれ。でも得意分野も持つ。♡ 負荷を最小に無理をせず、シンプルに始める。そこに持っているエネルギーを十分つぎ込む。♡ 仲間と触れ合うことでエネルギーが増幅する。お互いを認め合い、価値観を共有しよう。♡ エゴを手放せているか、日常の立ち居振舞いを見直す。時には、考え方のパターンを変えてみることも重要。♡ とにかく楽しむ! 笑顔と好奇心は、魂を磨く。 ー What you feel is what you are!! ー変わるのは今この瞬間。決めるのは、貴女自身。 全ての女性に、心身ともに健康で豊かな人生を…湘南ヘルシスタは、貴女を応援します。 毎日を自分らしくヘルシーに過ごすエッセンス。ぜひ参考にしてくださいね。※効果や実感については個人の感想です。
2019年11月18日子どもが生まれると、保育園に始まり、学校や習い事など、数々の局面で親としての選択を迫られることがありますよね。そんなときに、「子どもの生き方」について思いを寄せることもあるかもしれません。子どもたちが歩む人生にはさまざまな選択肢が待ち受けていますが、そんなときに親としてはどのように関わればいいのでしょうか。子どもの生き方についてのアンケートをもとに、考えてみたいと思います。■「自分のような生き方をしてほしい」親はたった3割!?アンケートでは、子どもに自分のような生き方をしてもらいたいか聞きました。その結果、「すごくそう思う」、「そう思う」、「少しそう思う」と答えた人があわせて32.3%となり、その度合いに大小はあるものの「子どもに自分のような生き方をしてほしい」と思っている親は約3割にとどまることがわかりました。一方で、「思わない」という回答は65.5%となり、6割以上の親たちが「自分のような生き方をしてほしくない」とは考えているようです。Q.子どもには自分のような生き方をしてほしい?すごくそう思う 8.3%そう思う 6.1%少しそう思う 17.9%思わない 65.5%その他 2.2%■親の思い1、「諦めた夢、子どもにはかなえさせたい」それでは、まずは「自分のような生き方はしてほしくない」と考えている親たちの思いについて、掘り下げていきたいと思います。「私は学生時代、友だちとは自由に遊べない、夢を持つこと、何かをやり遂げることができない家庭環境だったので、娘には自分をしっかり持って生きていってほしいです」(鳥取県 40代女性)「幼少期に否定されて育ったため、かなりマイナス思考な自分のようにはなってほしくないです。わが子には『いーじゃん! やってみよー!』と言うように心掛けております」(愛知県 40代男性)「バブルに踊らされ、人生しくじりどん底見ているので、子どもたちには後悔しない人生を歩んでほしい」(三重県 50代女性)「私は、経済的に夢を諦めたので子どもたちには、自分の夢をかなえてほしいです。夢をかなえてあげられるように、自分もがんばろうと思います」(静岡県 40代女性)どのコメントからも、自らのつらい経験を思い返して、子どもにはできれば同じ思いはさせたくないと考える親の気持ちが伝わってきます。ほかにも、「自分のようにモラハラな男性とは結婚しないで」とか、「生活のためにいやいやしている仕事なので、子どもにはそんな仕事はさせたくない」などという切実な声も届いていました。家庭環境や経済状況、また結婚や仕事など、人生のさまざまな局面で、親自身も苦労してきた場合、どうしても子どもには同じつらさを経験させたくないと思ってしまいますよね。大事な存在だからこそ、守ってあげたいという親の思いが伝わってきます。■親の思い2、「子どもは自分のコピーじゃない!」また、子どもと親は別の人間だから同じ人生は歩めないという意見も多く寄せられていました。「子どもには自分とは違う可能性があるので、その可能性を少しでもサポートしていけたらと思う」(愛媛県 40代男性)「子どもは自分のコピーではない。性格や特性が違うから、自分に合った生き方をしてほしい」(千葉県 50代女性)「小3の長女に対して、義母も夫も『将来は○○になるのが一番!』など勝手に将来を決めてうるさく言うけど、娘の将来は娘のもの。親なんて二の次で良いと思う」(茨城県 30代女性)筆者は男子2人の母なのですが、長男は自分と性格がまったく違うため、何をするときも少し離れたところから応援してきました。しかし、次男とは性格がとても似ていて、失敗の予測がつきやすく、つい口出しをしてしまうことが多くなってしまいがちです。子どもが歩む人生を見据えつつ、どの程度のサポートをしてあげればいいのか、悩みは深まるばかりです。■親の思い3、「私以上の幸せに」なかには「自分よりもいい人生を送ってほしい」という願いを抱く親たちもいるようです。「生き方とか人生観とか難しい話はともかく、子どもには自分以上に幸せになってほしいと思うのが親心」(千葉県 40代女性)「『何となく』、その言葉がぴったりの私の人生でした。先を深く考えず決める事ばかりで、後悔しまくりです。同じ人生を歩んでほしくないので、いろんな知識や常識を子どもには教えています」(神奈川県 30代女性)「自分の今までを全部否定する訳ではありませんが、私の様にはなってほしくない。嫌なことも良いこともいろいろな経験をして、後悔のないような生き方をしてほしいと思います」(岩手県 40代女性)そのほかにも「しっかり勉強して、知識、社会性、専門性を身に付けて親を越えて行ってほしい」という声もありました。たしかに、親としては子どもにはいい人生を送ってほしいと思うものですよね。そして比較できるものではありませんが、自分が歩んだものよりもいい人生を送ってほしいと考えてしまうのは、あたり前なのかもしれません。■親の思い4、「自分を見て同じ道を歩いて」一方、「自分のような生き方をしてもらいたい」と考えている人たちは、どのような考えを持っているのでしょうか。「『後悔のないように前進あるのみ!』というのが私のポリシー。そんな姿を見て、同じ道を歩いてくれている娘です」(宮崎県 40代女性)「信頼できる最愛のパートナーと結ばれ、かわいい子宝に恵まれてほしい。温かい家庭と信頼関係、そこだけは、自分と同じような生き方になってほしいな」(宮城県 30代女性)「子どもの頃からなりたかった職業につき、やりがいをもって仕事ができていて、嫁ぎ先でたくさんの良い友人ができて毎日楽しく過ごせている。娘にも息子にも自分がやりたいことを見つけ、楽しく充実した生活を送ってほしいなと思います」(神奈川県 40代女性)そのほかには、「学校を出て、普通に就職して家庭をもった。子どもにも同じような人生を送ってほしい」、「子どもには自分と同じように早く結婚して出産してもらいたい」などという、それぞれの人生を経た経験から来るアドバイスが寄せられていました。100%同じ人生を送ることはできなくても、自分が人生で「よかった」と思えたことは、子どもにもできれば同じように経験させてあげたいと思う人も多いでしょう。人生の先輩だからこその親の助言ができるポイントにもなりそうですね。■子どもに身につけてほしい力とは子どもに「親と同じような生き方」または「まったく異なる生き方」を望むとしても、親はどのような力を子どもに身につけてほしいと願っているのでしょうか?「自分の思うように生きてほしい。自分の選んだ道なら、失敗も受け入れざるを得ないし、その失敗の痛みと、はい上がる力、成功の快感を感じながら、なりたい自分になってほしい」(神奈川県 40代女性)「今は、私の時代とは全く違います。どんなに生きづらい世の中でも、強く楽しくまっすぐに歩んでいってほしいと願っています」(茨城県 40代女性)「元気で人の気持ちがわかる人間になってほしい。うそ付かずに、真っすぐな人間になってほしいです」(埼玉県 40代女性)「『あなたに会えてほんとうによかった』、そう言われる生き方をしてほしい。ただそれだけです」(東京都 40代女性)「人の迷惑にならない、犯罪を犯さない、できれば社会の役に立つ人間になってほしいです」(東京都 40代女性)「とにかく、事故や病気で親より早く逝く事がないように、大人になってほしいです」(埼玉県 40代女性)「一人一人、顔や性格が、違うように、生き方も違うと、思います。誰かのまねではなく、自分の人生を思い切り生きてほしい。願うなら、人に囲まれ、笑顔の多い人生を」(愛媛県 40代女性)■子どもの人生に親はどうかかわるべき?それでは親としては、子どもの生き方にどのように関わっていけばいいのでしょうか。いくつか、コメントからヒントが見つけられそうです。「子どもは親と同じような生き方をしなくてもいい。自分のありようを考えながら、つまずきながらでも。つまずいた時は、立ち止まってまた歩けばいいのです。歩き出すサポートはいくらでもします」(山梨県 50代女性)「子の可能性や将来の選択肢の幅を広げる手伝いまでが親の仕事」(宮崎県 40代女性)「子どもの人生は親が決めるものでもないし、親が決めていいものでもない。しかし、親を見てその後をついていきたいと思われるように、自分を磨いていきたい」(茨城県 30代男性)「適当に生きてきた事を後悔してるので子どもには私の失敗談をたくさん話して反面教師にしてほしい。適当に過ごすのではなく、自分できちんと考えて進んでいってほしい」(奈良県 30代女性)ここまで、子どもの生き方について、親の人生との関わりも含めて考えてきました。さまざまな理由から、子どもに親のような生き方をしてもらいたい人としてもらいたくない人がいること、その背景には親自身が生きてきた人生が大きく関わっていることが理解できます。寄せられたコメントのなかでもっとも多く出てきた言葉は、「子どもの人生は子どもの人生」というもの。子どもを心配する気持ちから、つい口出ししてしまったり、先回りして失敗を遠ざけたりしてしまう親のふるまいは、時に重要な役割を果たすこともあります。ただ、その度合いによっては、子どもの道を邪魔してしまいかねない場合もあるかもしれません。親と子の人生は別物だということを、強く認識しておく必要があるのだと痛感させられます。子どもの人生を考えるとき、忘れがちとなってしまう「自分の人生」。親と子の人生が同一のものではないということは、親の人生も親だけのものでもあります。もちろん親としてふるまわなければいけない側面もあるでしょうし、子育て中に我慢しなければいけないこともあるでしょう。でもパパママである前に、一人の人間として「したいことをする」「夢を持ってみる」「毎日を楽しく過ごしてみる」ことも、とっても大事なことだと思います。子どもの人生を応援しつつも、自分の人生を楽しむ親の姿は、子どもにも希望と勇気を与えられそうな気がします。Q.子どもには自分のような生き方をしてほしい?アンケート回答数:4974件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年08月25日企画展「竹久夢二という生き方-明治・大正・昭和を駆け抜けたロマンチスト-」が、2019年4月4日(木)から6月30日(日)までの期間、竹久夢二美術館にて開催される。竹久夢二は、センチメンタルな画風の「夢二式美人画」作品などで広く知られる画家・詩人。大正ロマンを象徴する存在として、今なお注目され続けている。本展では、夢二の「生き方」と「美の世界」にフォーカス。画家としてスタートした明治から、自身がデザインした雑貨を販売する「港屋絵草紙店」を開店した大正、闘病生活を送った昭和までを、『夢二画集 冬の巻』カバーや「暮笛」、「モントレーの丘から」といった日本画・デザイン作品・雑誌表紙絵などの作品約250点と共に追っていく。また、平成最後の年となる2019年、竹久夢二は生誕135年・没後85年を迎える。平成では、竹久夢二をめぐる平成年間の動向も振り返り、その魅力を深く追求する。【詳細】竹久夢二という生き方-明治・大正・昭和を駆け抜けたロマンチスト-会期:2019年4月4日(木)~6月30日(日)場所:竹久夢二美術館住所:東京都文京区弥生2-4-2時間:10:00~17:00TEL:03-5689-0462休館日:月曜日 ※ただしGW期間を含む4月23日(火)~5月6日(祝月)は無休で開館入館料:一般 900円、大・高生 800円、中・小生 400円※弥生美術館と二館併せて入場可能※20人以上は100円割引となる
2019年03月31日●『カノ嘘』を観て「うわー……」大原櫻子の取材に備えて、今さらながらデビュー作を観た。2013年に公開された『カノジョは嘘を愛しすぎてる』は、主演を佐藤健が務め、その相手役となるヒロインをオーディションで選ぶという意欲作だった。大原は5,000人の中からその才能を見出されてスクリーンデビュー。瑞々しい演技の中で際立つ美声に、鳥肌が立った方も多いのではないか。戸田恵梨香とダブル主演を務める映画『あの日のオルガン』(2月22日公開)は、彼女の真骨頂である「歌」が鍵となる作品だ。戦時下の日本を舞台に、子どもたちの命を守るために日本で初めて保育園を疎開させることに挑んだ保母たちの実話が描かれ、保母たちのリーダーで責任感の強い板倉楓役を戸田が、天真爛漫で音楽好きの保母・野々宮光枝役を大原が演じている。『カノ嘘』から約5年。“映画の歌声”は、どのような進化を遂げているのか。俳優・女優のターニングポイントに焦点を当てるインタビュー連載「役者の岐路」の第7回。「歌も芝居」と語る大原櫻子の根底には、「ゴールを作らない」生き方と職業観があった。○■ピアノは弾けてもオルガンは「格闘」――映画化決定のニュースで、「楽しんで演じられると思います」というコメントを出されていましたね。戦時中ですが、子どもたちの笑顔も多い作品なので、変に重くなりすぎないように。光枝の天真爛漫さが周囲を明るくする場面もあるので、楽しい撮影になると感じていました。それから直感で、光枝の役柄がすごく自分に合っているんじゃないかなと。この腕白さとか、楓さんに怒られている感じとか、自分にもあったような気がします。結構、人に迷惑をかけて「ごめんなさい!」と謝ることもありましたので、似ているところが比較的多いかなと(笑)。――「自分に近いような遠い役」ということも書かれていましたね。光枝は、何事もピュアに感情が出るタイプ。その喜怒哀楽の激しさは、自分にはありません。撮影期間中は、つらいときもありました。というのも、オルガンを弾かなければいけなくて。この映画は撮り終わって音を乗せたりするようなことは、一切ないんですよ。生音で撮影することが前提だったので、そのオルガンの難しさと格闘しました。ピアノは弾けるんですけど、オルガンは足を常にパタパタさせて空気を入れないと音が鳴らなくなっちゃうんですよ。ピアノとは全く別の楽器に触れている感覚でした。休憩時間があったらスタッフルームに行って、練習していました。――そういえば、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』をご自身でご覧になった時、「こんな演技してたっけ」と後悔も感じたそうですね。その後に出演した作品で変わっていくものですか。感想は変わらないです。いつも、「うわー……」って思ってます。『カノ嘘』に関しては「うおー……」です。これ、文字で伝わりませんよね(笑)。『カノ嘘』の時は、何にも知らない状態ですから。マイクの付け方すら分からず、演技って何? みたいな感じだったので。●「あんた、人生で傷ついたことないでしょ!」で傷心――でも、共通する部分もありますよね? 大原さんが歌うと、演技とはまた違う引き込む力があるというか。演じるのと、演じながら歌うのに違いはありますか?自分の歌で、演じていない時はありません。私はシンガーソングライターではないので、脚本をいただいて歌っている感覚です。映画では、光枝が歌っている感覚なので歌いやすかったです。撮影では、歌にあまり焦点を当てていませんでした。歌も芝居なので。監督からは「間違えても使うから」と言われていたんですよ。間違える覚悟で歌ったら、一発でOKでした(笑)。――スタッフには、山田組でお馴染みの方が揃っていたそうですね。撮影部の近森眞史さん、実は大学の先生なんですよ(笑)。卒業制作の審査員だったんです。こうしてご一緒するのは、今回が初めてでした。録音部にも日芸出身の方がいらっしゃいます。ちなみに、撮影中に卒業を迎えました。出席したかったけど、仕方がないですね(笑)。――戸田恵梨香さん演じる楓は、管理職的な立場から、光枝やほかの先生を厳しく束ねる役目でした。どのような方でしたか?初対面で「戸田さんでよかった!」と思いましたし、すごく単純な話、気が合うと思いました。光枝と楓は真逆だけど、子どもを愛する心はふたりの共通点です。心が通じていく中では気が合わなかったらつらいものがあると思うんですけど、とってもすばらしい先輩でした。――インスタには監督と3人で会食した時の写真がアップされていましたね。監督の頭をかじって、とても楽しそうでした(笑)。映画の話もたくさんしました(笑)。やっぱりこの映画は、ただの娯楽として観てほしい作品ではなくて。今の時代と重なるというか、時代は違いますが、どこかリンクしているところがあって、今だからこそ伝えたいメッセージも含まれています。○■「悔しかったし、ムカついたし、悲しかった」――楓は、戦時下でも「文化的生活」を維持することを目指します。この「文化的生活」について、どのような印象を抱いていますか?光枝を表していると思います。今の大人が忘れがちなこと、というか。この時代の女性たちの生き方が強く、大人に見えるのは、「文化的生活」をとても大切にしているからではないかと思います。でも、光枝自身はそういう言葉をあまり深く考えてないので、演じる上でも意識しないようにしていました。――今回、大原さんのターニングポイントをうかがいたいのですが、『Quick Japan』(2017年8月発売号)には、決定的に変わった瞬間は「まだない」と書かれていました。あえて挙げるとするのであれば、「ソロデビュー」と『水球ヤンキース』(14・フジ系)だと。そこから変わってます。1年前に小川絵梨子さん演出の『ファン・ホーム』という舞台に出させていただきました。これは、大きな転機になりましたね。小川さんから、稽古中に同じシーンも何回もやらされて、「なんで私のシーンばかり」と思っていたら、「あんた、人生で傷ついたことないでしょ!」と言われたんです。正直、あの時は「は?何も知らないくせに」と(笑)。でも、すごく見抜く方で、本当にその通りだったんですよね。私は本当に恵まれているので……。ある意味、そこですっごく傷つきました。悔しかったし、ムカついたし、悲しかった。でも、そこでガラッと芝居が変わって、私の中の壁を壊していただいた言葉でした。●父の金言「明日歌えるだけで、幸せと思いなさい」――そこまで踏み込まれたことはなかったんですか?そんなになかったと思います。あったとしても……小川絵梨子さんほどの言葉は投げかけられなかった。だって、芝居を見て、私の人生のことを言うんですよ?家族を傷つけられた気持ちになって、 「何を知ってんだ!」と腹が立って。でも、愛情があるからこそ、そこまで言ってくれたんですよね。――言われてすぐに思い直せたんですか。実は、稽古中にインフルエンザにかかりまして、お休みをいただいたんです。休んだらすっごく元気になって、めちゃくちゃ芝居が良くなったんです。そこですごく褒められて、私も一皮むけた気がして。ひょっとして、ただ疲れていただけなのかなとか言ってたんですけど(笑)、言われて1~2週間後ぐらいには小川さんの言葉を思い出しました。――大原さんが感謝していること、小川さんには伝わってますかね。たぶん、ネットもあまり見ない方なので……でもいいんです。私が大好きなので(笑)。会うといつもハグからはじまるんです。○■「悲しいとか悔しいとかでは、あまり泣かない」――それから、『Quick Japan』のインタビューでは、大原家には「どんな出来事があっても大きなものとして捉えない」「ゴールを作らない」という考え方があると。『カノ嘘』の出演が決まった時、とびきりうれしかったと同時に、別にそれがゴールじゃないから、「やったー!」という感じではないんですよ。私の中では「勝ち」「負け」で終わるものではないし、「正解」か「不正解」かなんてやってみないと分からない。『カノ嘘』にお客さんが全然入らないとか、撮影中に大怪我してしまうとか、いろいろなことが起こる可能性がある。だから、「ゴールを作らない」と常に考えています。――今も変わらないんですか?変わりません。だから、光枝ほど感情がそこまで表に出ないんだと思います。泣かないですもん。感動して泣くことはあっても、悲しいとか、悔しいとかでは、あまり泣かないですね。――ゴールをあえて作らない中で、大原さんは何のために働いてますか? 職業観は人それぞれ違うと思いますけど。それこそ重たい話になるかもしれないですが……『カノ嘘』のオーディションが目前に迫っている時、父に「緊張する」と弱音を吐いていたんです。すると、父が「地球のどこかでは戦争をしている国もあるんだよ。明日歌えるだけで、幸せと思いなさい。緊張している場合じゃない」と。そう言われてから、生きているだけで幸せなんだ、甘えちゃいけないんだと思うようになりました。それがずっと残っているので、いつも「がんばろう!」じゃなくて、「感謝しなくちゃいけない!」という思いになるんです。1つ1つの仕事に、感謝しなければいけない。きれいごとに聞こえるかもしれませんけど、実際にそう思っています。――ミュージカル『アニー』を見て、この業界を目指したそうですね。憧れを抱いたあの日から芽生えた、「歌う幸せ」や「演じる幸せ」さえあれば続けられると。そうですね。私がライブ大好きなのは、お客さんの笑顔を生で見れるから。あの笑顔は、普通じゃ見れないですよ。なんでそんな笑顔を私に向けてくれるの! というぐらい、キラキラしてるんですよ。すごく幸せなことです。――『あの日のオルガン』は、運命的な作品ですね。だからこそ、台本を読んだ瞬間に「絶対にやりたい」と思いました。どなたが出演するかも何も知らされていなかったんですが、迷いはありませんでした。■プロフィール大原櫻子1996年1月10日生まれ。東京都出身。A型。2013年、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』のヒロインオーディションで5,000人の中から選ばれ、スクリーンデビュー。演技は未経験ながら、日本映画批評家大賞新人賞を受賞した。また、2014年11月には、歌手としてシングル「サンキュー」でソロデビューを果たし、翌年には第66回NHK紅白歌合戦に初めて出場。そのほか、『水球ヤンキース』(14・フジ系)、『恋仲』(15・フジ系)、『好きな人がいること』(16・フジ系)などのドラマ、『舞妓はレディ』(14)、『チア☆ダン』(17)などの映画に出演。数々の舞台にも挑み、2018年には『新感線☆RS「メタルマクベス」disc2』でマクベス夫人を好演した。(C)2018「あの日のオルガン」製作委員会
2019年02月22日レスリング女子の吉田沙保里選手が8日、自身のSNSで現役引退を発表しました。ツイッターに「この度、33年間のレスリング選手生活に区切りをつけることを決断いたしました」と綴ったあと、「後日、改めてみなさんの前で引退のご報告と感謝の気持ちをお伝えしたいと思います」と投稿しています。吉田選手は2004年のアテネ五輪、2008年の北京五輪、2012年のロンドン五輪での55キロ級で五輪3連覇を、2016年のリオデジャネイロ五輪での53キロ級で銀メダルを獲得。さらに、世界選手権では13連覇を達成(2014〜2015年は53キロ級)する偉業を成し遂げています。2012年には国民栄誉賞の受賞も話題になりました。リオ五輪後は選手兼コーチとして、日本代表と至学館大で後進の指導にあたっていました。これに対し、ツイッターでは・吉田沙保里選手、本当にお疲れ様でした!選手ではなくなってもきっと未来にも語られる伝説のファイターだと思います。・吉田沙保里さんレジェンドでした!お疲れ様でした。・吉田沙保里さんが引退と聞いてしまって何も手につかない・東京オリンピックに出ると思い期待してたので残念など、これまでの功績を称える声と引退を惜しむ声が多く見られました。引退後の道が明らかになるのはこれからですが、吉田選手には「総合格闘技の大会へ出てほしい」と期待する人も多数。今後の会見で吉田選手が何を語るのでしょうか――。画像/Shutterstock
2019年01月08日こんにちは。格闘家の青木真也です。AbemaTVの人気番組『格闘代理戦争』。推薦人である有名ファイターの推薦選手同士が、賞金300万円と格闘技団体「ONE」との総額1000万円契約を賭けて争うリアリティー番組です。現在放送のシーズンは女子選手で行われており、女子選手ならでは感情の出やすさで視聴者はもちろんのこと、関係者の感情までをも揺さぶっています。第5回目の今回は、『格闘代理戦争』決勝戦に進出している平田樹選手を取り上げます。1.柔道で培った身体能力の高さ彼女を見ていて、身体の軸(体幹)が強いなと最初に感じました。「身体が強い」と大まかな言葉で語られることが多い平田選手。体力的な強さはもちろんですが、自分が力を発揮する力、相手に力を伝える動作が上手な選手だと、僕は思います。力を持っていて、それをスムーズに出すことができて、相手に伝えることができます。力はあっても格闘技の中で出力できなかったり、伝えることができなかったりして、苦労する選手は少なくありません。キャリア初期で、それらができているのは武器だと思います。12年間闘ってきた柔道での経験で、彼女は身体の強さを獲得したといえるでしょう。柔道の名門クラブ「春日柔道クラブ」で柔道を始めて、高校は強豪校「創志学園」で活躍。高校総体に出場するなど柔道での実績も十分にあります。子どもの頃から組み合ってついた力はわかりやすく、誤解を恐れずに言うのであれば「使える筋肉」です。2.勝負の世界で生き抜いてきた勝負勘がある日本柔道の競技人口の多さは、他の格闘技系スポーツの中では群を抜いています。子どもの頃から試合を繰り返してきているので、勝負の世界を肌感覚で理解しているのだと思います。MMAに初挑戦したときも、極度に緊張することなく、落ち着いて試合に臨んでいた印象を受けました。さすがだなと感じました。自分ごとにして考えてみてください。観衆の前で手袋を少し厚くしたような素手同然のグローブで金網の中で殴り合う。そのときを冷静に迎えることができる“勝負度胸”のすごさは、格闘技経験のない方にも理解してもらえると思います。3.若さと可能性に満ちている彼女は19歳です。格闘技業界に限った話ではありませんが、若い世代は貴重です。これからのキャリアや業界の未来を考えると、35歳の僕よりも19歳の将来ある選手に投資した方が健全です。今から10年選手を続けても30歳に達しない。この若さに期待しないのはちょっと変。選手としての可能性も短いスパンではなく5年、10年単位で見ることで、彼女への期待感も増すのではないでしょうか。女子格闘技、格闘技の未来の一端を担っていると言っても言い過ぎではないと思います。4.SNSで見せる素顔と試合時とのギャップ格闘技選手と聞くと、男勝りな女性を思い浮かべる方も少なくはないでしょう。実際に格闘技界にいると、彼女たちは驚くほどに女性的です。格闘技をしていない一般女性よりも女性的なのではないかと思うくらいです。彼女のSNSを見ると、試合後にカレーを食べたり、同世代の女性となんら変わらない年頃の女の子、という感じ。練習が終わればメイクをして外に出るし、髪が傷まないようにケアを欠かさない。格闘技をすることで、女性らしく過ごす時間が限定されるからこそ、女性であることの意識を強く持っているように感じます。そんな姿と試合で見せる強さと荒々しさとのギャップが魅力的です。■勝負だから必ず、勝者と敗者に分かれる平田選手は、12月29日放送の『格闘代理戦争』内で、青木真也推薦の古瀬美月選手と決勝戦を闘います。17歳と19歳のふたりが争う決勝戦は、日本格闘技の未来を思い描かせるもの。ここでの結果の答え合わせはこの先にあるでしょう。どちらかが勝者、どちらかが敗者になります。どちらも勝者にしてあげたいのが本音なのだけども、勝負の世界は緩くなく、必ず明暗を分けます。僕の推薦選手である古瀬美月には、もちろんがんばってほしい。対戦相手の平田選手にもがんばってほしい。世の中を驚かせるような新時代のMMA。そして最先端、新時代に反するようなエモーショナルな伝統的な格闘技を魅せてほしい。主役は僕たちではない。主役はあなたたちなのだから。
2018年12月27日こんにちは。格闘家の青木真也です。ここ数年、女子格闘技がテレビ放映され、知名度を得ています。ただ、「RIZIN」「RENA」など、団体や個人の名前は知っていても、他の団体や選手を知っている人の数はガクンと落ちるのではないかと思います。大きな団体、表に出る選手の裏には、その何倍もの数の選手がいて、小さな会場で闘っています。第4回目の今回は、女子格闘技団体「JEWELS」のアトム級(47.6kg以下)チャンピオン黒部三奈選手を取り上げます。1.パフォーマンスを維持する気持ちの強さと覚悟があるトレーニング、技術、医療などの進化でアスリートの競技寿命は伸びています。一昔前であれば20代中盤を過ぎたらベテランであったのが、今は30代の選手はよく見かける光景になったし、40代の選手も存在する世界になりました。格闘技においても同じことがいえて、競技寿命は確実に伸びています。これを書いている僕も35歳で、キャリア50戦を超えるベテランですが、まだ終わりが見えてこないほど。黒部選手は1977年生まれの41歳です。男女差を持ち込むのは好きではありませんが、他の競技を見ても、男子選手に比べて女子選手は引退の年齢が早いです。体力の問題だけではなく、環境的な問題もありますが、男性に比べて体力的に厳しいと自覚する年齢は早いと思います。32歳のときに格闘技を始め、35歳でプロデビューと遅咲きなのもあるとは思うのですが、41歳でパフォーマンスを維持する取り組みと気持ちは、同じファイターから見ても並大抵のものではないでしょう(年齢の話を持ち出すのは、本人からすると気持ちのいい話ではないとはわかるのですが、本当にすごいと僕は思う)。2.逆境に打ち勝つ粘り強さを持つ彼女のファイトスタイルは体力と気持ちを担保にした粘りのファイトスタイルです。彼女の試合で圧倒されたのは、2018年3月に行われたJEWELSアトム級防衛戦。最強の挑戦者といっても過言ではない、SARAMI選手を相手に1Rにダウンを喫して劣勢を強いられるも、2R、3Rと進み、打撃で押し切っての判定勝ち。ダウンを喫したところから盛り返すすごさは、会場で熱狂する観客以上にファイターである僕たちに響きます。格闘技に限らず、完全に不利な状態に陥ってから、盛り返す強さは実力はもちろんのこと、気持ち、取り組みが揃わないとできないことなので、格闘技以外の仕事に置き換えるとわかりやすのではないかと思います。男女関係なく、この試合を見たときから、僕は彼女を「ファイター」として認めています。3.いま、自分の人生を本気で生きているファイターとはいっても、ひとりの女性です。恋もするし、結婚もするし、仕事でのキャリアも考えます。男性に比べて、女性は競技生活で失うものが大きいと思います。出産して選手を続けるキャリアもあるけれど、スポーツ選手の1年は他の仕事の1年に比べて大きいです。社会の圧力もあるから、余計に難しいし、だからこそどのような葛藤があり、あったのかを彼女に尋ねてみたいと思いました。現役のトップファイターが発する言葉が残ることで、社会の役に立つように思うし、それが格闘技の価値なのではないかとお節介にも思っている部分もあります。彼女に失礼を承知で聞いてみました。清々しい返信が来たので原文で味わってほしいです。現役を続ける続けないで結婚できるかどうかは関係ないと思ってます。むしろ格闘技をやってる方が私の良さがでるので結婚の可能性はあがるんじゃないかとも思ってます。ぶっちゃけて言いますと結婚したいというよりは、私が好きになった人が私のコトを好きになってくれて一緒の時間を過ごせたらいいなぁぐらいにしか、考えてませんけど...41歳でこんなこと言ってるからダメなんですね!!出産に関してはすでに諦めているというか、そんなに願望がないんだと思います。多分本当に子供が欲しかったらもっと早い段階で婚活なりしてたと思いますがそれをしないでここまで来たので...不躾な質問にも丁寧に清々しく答えてくれました。彼女は本気で自分を生きています。多様性とか男女問題を謳って理屈をこねくり回しがちだけども、個々が自分の人生を懸命に生きていけばそれでいいじゃないかと思います。なにかと生きづらい世の中ではあるけれども、格闘技を通じて生き方を提案してくれているように感じました。ファイターは試合を見せる仕事ではなく、生き方を見せて行く仕事なのだと改めて思います。たった一度の格闘技人生、胸を張って満喫してほしいです。黒部選手の次戦が決定しています。AbemaTVでの放送もありますので、彼女の生き方をご覧ください。【大会概要】開催名:AbemaTV Presents DEEP JEWELS 22日時:2018年12月1日(土)18:00開場 19:00開始場所: 新宿FACE DEEPJEWELSアトム級5分3R タイトルマッチ黒部三奈(MASTER JAPAN)VS 前澤智(リバーサル立川ALPHA)abeamTV 放送予約
2018年12月01日こんにちは。格闘家の青木真也です。AbemaTVで放送中の『格闘代理戦争 3rdシーズン』が注目を集めています。昨今の女子格闘技の盛り上がりもあり、3rdシーズンは女子格闘技で行われます。番組をご存知ない方のために説明すると、同番組は優勝賞金300万円と格闘技団体ONEとの総額1000万円の契約を賭けて、有名選手が推薦する若手たちが闘うリアリティショーです。第3回目で取り上げるのは、青木真也推薦選手として出演する古瀬美月選手です。高校3年生の17歳。1.感情をさらけ出すことができる彼女は感情表現が素直です。躊躇なく自分自身をさらけ出せる人。番組でも試合敗戦後に悔しくて、涙するシーンがありました。試合に負けて泣く選手は珍しくありませんが、彼女は子どもが駄々をこねるように泣きます。感情を出すのは恥ずかしい、とする風潮もどこかにありますし、がんばる姿を見せるのが恥ずかしい世代でもあると思いますが、彼女は一切の躊躇なく感情を露わにするのです。若さがそうさせるのか、持って生まれた才能なのか、僕にもわかりませんが、ここまで感情を出せる選手は男女問わず、他に浮かんできません。感情表現が豊かな選手はそれだけで魅力的ですし、想いの強さは力に変わると僕は考えています。僕の試合を生で見ても涙を流すことがある彼女は、自分の中で湧き上がる感情に対して素直。そんな彼女は美しいと思うのです。2.自分の言葉を獲得している彼女の存在が僕の視野に入ってきたのは、番組が始まる半年前の3月です。彼女は女子格闘技団体「DEEP JEWELS」で試合をしていました。対戦相手は現役アイドルグループ「仮面女子」のメンバーである川村虹花選手でした。川村選手が勝つことを期待してマッチメイクされた試合で、負け役として組まれた試合。その試合ではスイングした試合を見せ、古瀬選手が勝ちます。その後のマイクで、当時負け続きだった古瀬選手は、「(私を)見捨てないでください」とリング上から発信します。試合自体に魅力を感じたわけではありませんでした。でも、この言葉を聞いたときに、魅力のある選手だなと感じました。言葉を獲得している選手が少ない中で、17歳にして自分だけの言葉を手にしている。そのことに驚きましたし、魅力的に見えたんです。以降、SNSをフォローして彼女の言葉を追っています。3.SNS発信が巧みで、人を惹きつける僕は35歳です。若い世代のSNSの使いこなしっぷりに、ついていこうと試行錯誤するものの、インスタグラムに悩み、動画SNS「ティックトック(Tik Tok)」に足踏みしています。若い世代の感性、文化を否定すると成長が止まると考えているので、触れてみるものの、イマイチうまく使いこなせていない気が。彼女のインスタグラムやツイッターを見ていると、写真の撮り方が上手なだけではなく、動画を編集して載せたり、言葉の選び方が上手かったりして、見入ってしまうことが多々あります。プロ格闘技選手をしている以上、SNSの運用は避けて通れないので、彼女の投稿を見ながら勉強しています。一緒に番組をやっていくからには、彼女の感性を少しでも理解しようと、彼女の好きなミュージシャン「レペゼン地球」を聴いていますが、これもどうも頭に入ってきません。「世代が違うしな」で片づけそうになるのをぐっと堪えて、今日も聴きます。4.異常なほどの集中力と繊細な気分屋古瀬選手を見ていると、自分が熱中することには、他を圧倒する集中を見せる一方で、興味のないことには一切触れなさようなタイプだなと感じました。僕も自分の興味があること以外にはやる気が出ないタイプです。実際に「そういうタイプだよね」って話をしましたし、自分に似ているぶん、彼女の気持ちもよくわかります。唯我独尊のように見えても、実際は繊細で傷つきやすい人。歪な人間とも言えますが、歪なものは魅力的です。出演が決まったときに、放送期間中の3カ月だけでいいからがんばってみようと伝えました。それから今に到るまで、彼女の格闘技への集中度は、前のめり気味に見えるほど高い。■古瀬美月選手の未来「格闘代理戦争」を通じて、彼女は今までにないくらい、格闘技ファンの間での知名度を高めるはずです。僕は世に出ることが必ずしも幸せだとは思っていません。いいこともあれば悪いこともあります。いい思いもすれば、嫌な思いもします。彼女を世に出すことに対しての責任も感じているし、彼女にとっていいのかどうか、否定と肯定を繰り返しています。彼女がやると言った以上、彼女を全力で担いで、行けるところまで行かせてあげるのが僕の仕事だと思っています。優勝するに越したことはないのですが、優勝できるのは出場選手のうち、ひとりだけです。一番になるのはどんなスポーツでも争いでもひとりだけです。一番を目指してやるし、一番になるように必死にサポートしていきます。ただ、僕には彼女に豊かになってほしいし、幸せになってほしいとの想いがあります。格闘技は一番になるためのものではなく、豊かになるものであり、幸せになるためのものだから。格闘技も一生懸命やって、勉強もして、恋もして、遊んでと好きなことを一生懸命にやってほしいです。それが格闘技での強さや厚みにつながります。彼女の結果がどうなるかは誰もわかりません。どんな結果になろうとも、必死に関わって、挑戦して良かったとお互い思えるように、懸命に愛を持って接するつもりです。彼女の格闘技人生に幸あれ。
2018年10月20日僕は、さして特筆することのない学生生活を送っていた。超売り手市場と言われた2008年の就職活動においても、周りが続々と大手企業へ内定が出るなか、一人なかなか受け入れてくれるところが見つからなかった。大きな自信も個性もなく、業界研究すらろくにしないまま盲目的にコピーライターに憧れていただけの若者を雇ってくれるほど社会は甘くない。結局、人材会社に契約社員として拾ってもらい就職浪人を免れたものの、心はずっとモラトリアムを彷徨っていた。振り返ると、どこにいても居心地が悪かったように思う。持って生まれた人当たりの良さが、学校内の文化系、運動系、ヤンキー系、それも男女問わず別け隔てなく仲良くなれた分、どのグループにも確固たる自分の居場所はなかった。たくさんの人と付き合いはあっても、心を許せる友だちは数えるほどもいない。言いようのない劣等感と反骨心ばかりが育まれた学生時代。心の拠り所は、たいてい漫画だった。■迫られる人生の選択。決断の基準はただひとつ心が弱っているとき、テンションを高めたいとき、そして大きな決断を迫られているとき。そんな折に触れて読み返す漫画がある。南勝久先生の『なにわ友あれ』だ。平成元年〜2年ごろの大阪の泉州という非常にローカルかつガラの悪い地域を舞台に繰り広げられるヤンキー漫画で、一部『ナニワトモアレ』と二部『なにわ友あれ』をあわせて59巻もある。女性向けWebメディアにおよそ似つかわしくない作品ではあるが、そこは迎合しても仕方がない。漫画の中での好きなシーンがある。喧嘩に明け暮れるクズな主人公・テツヤが大阪環状線の走り屋集団スパーキーに入り、どんどんクルマに魅せられていく中で、ヒロちゃんから伝説の改造車を譲ってもらうときの会話だ。「若いうちに本物のスリル味わいたいってかーー?だからって環状なんか経験したってロクな大人にならんぞ!」「でもオモロイ大人にはなれるんちゃうの?」大阪環状線を時速180kmで走る環状族は、事故ったらもちろん即死。テツヤはそんな大惨事を目の当たりにしても、車の魅力に取り憑かれていた。「ロクな大人」よりも「オモロイ大人」になりたいーー。そんなテツヤの台詞が、社会人5年目を迎えた僕の心を揺さぶった。約10年の社会人生活において、ベンチャー企業への転職と自身の起業という、ふたつの決断をした。悩んだときは、テツヤの台詞が脳裏に浮かぶ。「でもオモロイ大人にはなれるんちゃうの?」アラサーの男がそんなノリみたいなテンションで進路を決めて「アホちゃう?」と思われるかもしれない。しかし、大きな決断ほど、合理性よりも「オモロイかどうか」で決めた方がいい。そんな生き方が、理屈抜きにかっこいいと思った。そして僕はアホになった。転職も起業も、確固たる勝算はないが、オモロイ大人に近づいている確信がどこかにあった。■成功も失敗も、すべて自分の責任話を再び『なにわ友あれ』に戻す。本作シリーズの第一部で主人公を張り、第二部でもテツヤと並んで主役級の存在感を放ったグッさんは、僕の心のリーダーだ。イケイケの環状族・トリーズンレーシングの初代会長・ヒロちゃんたちの引退とともにチームを脱退したグッさんは、当時数十~百人規模のチームが多数を占めるなかでスパーキーという新しいチームをたった4人で立ち上げた。二代目会長と反りが合わないがために、潰されるのを覚悟で新しいチームを作る。たとえその道が向かい風であっても、自分の人生の舵を他人に握らせたくなかったのだろう。頑固でわがままで、融通の効かないやつだ。成功も失敗も、すべて自分の責任。ゼロから何かを始めるということは、要するにそういうことだ。それだけ大変な思いをするからこそ、大きなインパクトを残さなければ意味がない。グッさんが、こんなことを言っていた。「10年ーー20年ーー30年後ーーーー。俺らの知らん誰かが環状族を思い出す時ーー……話す時……。そこにスパーキーの名前が常に上がったらーーーー……最高やんけ!!」今やSNSの発達により自ら発信する機会が増え、自分の手柄を自ら主張できてしまう風潮がある。だからこそ、自分たちが成し遂げたことに対する評価を他者に委ねるスタイルを貫くグッさんたちの生き方に美学を感じた。シンプルにかっこいいと思った。グッさんはこの台詞で、「誰に対して大きなインパクトを残したいか」の重要性を説いている。自分の人生を一生懸命に生きるということは、「自分がどの土俵で戦いたいか」「誰のために人生を捧げたいか」という問いに対する答えを導き出すこと。その答えを導き出すことができたら、あとは不特定多数の誰かにどう思われようがブレない強さを持てばいい。自分が貢献したい世界の外側の声に耳を傾ける時間がもったいないからだ。グッさんにとっての環状族がそれであり、僕にとっての漫画がそれなんだと思うと、自然と視界が開けてきた。■アホになれば、「平凡の呪い」から解放される『なにわ友あれ』に登場するキャラクターたちは、何者でもない平凡な不良少年たちだ。彼らは、環状族という走り屋集団と出会い、悩みながらも自分の生きる道を見出していく。平凡というのは、僕にとってある種の呪いだった。しかし、その呪いは他者との比較の上で成り立つものであり、他人のふんどしを借りて相撲をとっているようなものだと気がついた。グッさんたちが自分の居場所を求めてレーシングチームを立ち上げたのと同じように、僕は起業という道を選んだ。それが、僕なりの「平凡コンプレックスからの脱出」だったのかもしれない。社会人になり、スタートアップの世界に飛び込み、起業という道を選んだ。「すごいね」「大丈夫?」「そろそろ安定したら…」周囲からはいろんな声をもらったが、それに一喜一憂することはなくなった。2回アホになってみて、少しずつ人生の主導権を自分のもとに取り戻せてきている感覚がある。ここからどんな道が続くかは分からないが、僕はこれからも、道に迷ったらいったんアホになってオモロイ道を選ぶだろう。グッさんやテツヤたちのように、ジジイになったときに酒でも飲みながら笑って話す日が来ることを願って。Text/タクヤコロク1985年兵庫県宝塚市生まれ。「マンガのセレクトショップ」がコンセプトのiOS向けマンガアプリ『マンガトリガー』編集長。好きなマンガは『ナニワトモアレ』『惡の華』『からくりサーカス』など。Twitter:@coroMontaDRESSでは9月特集「今夜は、漫画を抱きしめて」と題して、漫画から素敵な影響を受けた人々が、作品の魅力を綴るコラムやインタビューをお届けしていきます。
2018年09月30日