女らしさも男らしさも自由自在。パンツスタイルの楽しみかた
同時に、立っているのがやっと、という感じの9cmのピンヒールも靴箱に増えていったのである。
スカートは「母」から「女性」に自分を戻せる――。
私にとって、そんなファッションアイテムだったのだ。
その後、もう一度ボトムスの変革の時期はやってきた。
「ひょっとして、私って、スカートよりもパンツの方が似合うのでは……」
と気づいたとき、私はもう40代になっていた。
仕事も落ち着き、自分でワークライフバランスが上手く取れるようになった頃、
自分のキャラクターや雰囲気には甘いスカートよりもクールなパンツの方が合っている。まわりからもそう言われることが増えていた。
若い頃には気づかなった、自分の内面とボトムスのマッチング。
それを自覚したタイミングは、自分の仕事に対する信念や、暮らしに対する譲れない価値観の輪郭がはっきりしてきて、その軸が確立したのと同時期でもあった。
現在はパンツとスカートの数はちょうど半々。その日の予定や気分に合わせて自由に選び、着て楽しんでいる。
パンツを履くか?スカートを履くか?
それは、単に好みや流行や、似合う、似合わないだけでなく、女の暮らしと人生と志に大きく左右されるものなのだ。