映画『ナチュラルウーマン』――私らしく、私を生きる愛の物語!
前向きに生きようとするマリーナは、歌のレッスンのために師の元を尋ねます。
「何時に来ようと構わない。君の支えにもなる。だが私は歌曲の先生だ。サルサやメレンゲじゃない」という師。
部屋にはピアノに合わせてマリーナが歌うヴィヴァルディの「sposa sondisprezzata」が響き、彼女は向かい風の中を進んでいきます。
この映画の象徴的な場面です。
ある日、帰宅すると家は荒らされ、愛犬ディアブラの姿が消えていました。
マリーナは、身の危険を感じ荷物をまとめてアパートを引き払い、姉夫婦の元に身を寄せます。
しかしながら愛犬のディアブラを取り戻しに行くと言って、来るなと言われていた通夜へ向かった彼女を待っていたのは、オルラルドの息子たちの手ひどい暴力でした。
傷心のままクラブへと行った彼女は、音楽に身を任せながらオルラルドの亡霊を目にします。
度々、幻影となって彼女を励ますように現れるオルラルド……。
自分らしく生きるとは、愛するとは?
『ナチュラルウーマン』は、法で守られていないパートナーシップの社会的な脆さや、マリーナのジェンダー・アイデンティティを拒絶し、ふたりの関係を理解しない人たちの姿を描いてます。