映画『フジコ・ヘミングの時間』小松荘一良監督インタビュー! 世界を魅了する魂のピアニスト、豊かな人生を奏でる生きるヒントとは?
と、僕もそう思っていて「月の光」だったり「ラ・カンパネラ」だったり感動した曲を集めました。
クラシックが苦手な人もちょっと聴いてこの曲いいじゃんって思ってもらえるように。
ーーそうですね。全然知らない方にも聴いてほしいと思うし、この映画を観てほしいと思います。
この空気の中に漂っていてくれるといいなと思います。静かで大きな事件は起こらない映画なんですけど。
ーーいえいえ、充分、ドラマチックなフジコさんの人生を知ることのできる映画だと。
引きで見るとドラマチックなんですが、近くで寄って見ると別に話しているだけで大きな事件が起こるわけじゃないですか。
通常だと事件を起こすんですよ。
ドキュメンタリーの1つの手管として演出側としても用意したりするんです。誰かと誰かを合わせたりしたりしていくことが、よくある商業ドキュメンタリーのやり方なんですけども、今回はあえてそれを絶対しなかった。だから友達に会いに行ったり友達が来たりするシーンは、あれは全て自然なんですよ。
ーーあれ、自然なんですか。
はい。呼んでません。
ーーたまたまなんですか、画家のお友達も……。
すごいですね。
リアルに本当のことだったし、ベルリンに行くって言うのも本人が決めたんです。