映画『フジコ・ヘミングの時間』小松荘一良監督インタビュー! 世界を魅了する魂のピアニスト、豊かな人生を奏でる生きるヒントとは?
ーーそうだったんですか。ライフスタイルの素敵さだとか、パリや日本などにあるどの家もこだわりがあってとても素敵で憧れます。それは、きっと家もフジコさんの作品なんだろうなと思います。自分が呼吸し、生きて、座る場所というのは、ホテルだと味気ないからと海外でも演奏のために家を買ってるんです。家は、インテリアの一つひとつをとっても自分の美的センスのあったもの、自分が居心地良くなるものを置いている。あの空気感の中で佇んでるのがやっぱり空想できるし、ご本人がとても好きなんでしょうね。
ーーさすがプロフェッショナルな芸術家ですね。何を誰と食べるかからインテリア、調度品、ファッション、歩いてる姿、側にいる猫も犬も可愛いし、全てが絵になります。
本当にすごいなと思うのが耳が聞こえなくなった時点で落ち込んでダメになったとしてもおかしくないのに、変わらずきちんと毎日ピアノの練習をして、毎年演奏会をやって、コツコツと、そうすることでどこかでちゃんと見てくれてる人がいた。それで60代でフジコブームになった。精神力の強さに驚かされます。
そうですね。絶対的な自信なんでしょうね。
たとえこの世で見出されなくても、毎日4時間の練習をして努力をしていれば、天国では必ず出番があると信じていた。