スタイリストの草分け、高橋靖子さんと著書から学ぶ! 一生可愛く生きる秘訣
確定申告の職業欄に初めてスタイリストと記して、日本でフリーランススタイリストの第1号と登録された
高橋靖子さんをご存じですか?
デヴィッド・ボウイ、
T・レックス、
YMO、
忌野清志郎、
坂本龍一、
布袋寅泰らをスタイリングし、ハリソン・フォード、アーノルド・シュワルツェネッガー、吉永小百合、矢沢栄吉、北野武、山崎努らのCM衣装を担当し、40年以上のキャリアを誇る現在も現役バリバリの、
通称ヤッコさんを!
高橋靖子(たかはし・やすこ)。1941年、茨城県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。大手広告代理店でコピーライターを経て、スタイリストに。多くのロック・ミュージシャンのスタイリング、様々なコマーシャルの衣装を担当し、現在も第一線で活躍中。
最近、彼女が上梓したエッセイ集「時をかけるヤッコさん」のトークショーを訪れると、そこここで「可愛い!」と声が挙がったり、2ショットを撮りたがる若い男性が列を作ったり。何でこんなに人気者なの? その秘密を知りたくて、彼女の著書を繰りながら、ヤッコさんご本人に自宅でインタビュー。彼女から、
一生可愛く生きる秘訣を探ります。
70年代の原宿が生き生きと描かれた
自伝的エッセイ「表参道のヤッコさん」上)「表参道のヤッコさん」。1960~70年代にかけて世界を席巻したロンドンのブティックBIBAのTシャツと。 下)単行本は2006年にアスペクトから、文庫本が2012年に河出文庫から発売。
それまで日本に存在しなかったスタイリストという職業を、自身のイマジネーションと心配りと遊び心を頼りに、模索しながら体現化していく様子がワクワクするような臨場感で描かれます。世界的なスターと仕事していても、道端の花に感動し、テレビの朝ドラに涙ぐんだりする感性は、昔も今もまったく変わっていません。ハードな現場もユーモアで和ませちゃうのがヤッコさん流ですが、それは彼女の
愛されキャラあってこそ。
―― 「可愛い」ってよくいわれませんか?
「最近、激しくいわれますね(笑)。どんどん解放されて精神的な余裕が出て、自分の可愛さに集中できるようになったのかな。
普段はすごいシャイでも、もう、いいや! と思って自分流にエイヤッ! と出しちゃってる時、可愛いっていわれることが多いですね」
トークショーが大混雑し、後列の聴衆が伸びあがるのを見た瞬間、「後ろの人、私のビボーが届かなくてごめんね!」。それ以降、会場は和やかな雰囲気に包まれたのでした。
―― 可愛い衣食住に囲まれてらっしゃいますが、それも可愛くなれる秘訣でしょうか?
「うちのカーテンが可愛い? もちろん可愛いものは大好きよ。お洋服も、その時その時で欲しいと思ってる可愛いものが常にあります。ただ、あんまりスタイリッシュなものって興味がないのね。だから、写真撮られる時、決めのポーズとかもしないの(笑)」
左)ヤッコさんちのカーテン。仕事柄、生地の残りを集めてパッチワークされたもの。 右)パーティなどでよくお召しのワンピースは、ミントデザイン、鮮やかな赤のカーディガンは、Machiko Jinto。
ヤッコさんは、Machiko Jintoのお洋服がお好き。
この品性がまさにヤッコさんらしさ。本書はそんな彼女の
美意識に触発される一冊です。