まずは、ちくわで一服!『闘う! 母ごはん』中田ぷうさんインタビュー


■母の使命は「家族をひもじくさせない」こと

「じつは、SNSに投稿されている、おしゃれな料理写真を見るのも大好きなんです。私も、これは上出来! と思えたものに『#かっこつけごはん』というハッシュタグをつけて投稿することもあります。

でも、それは時間と心に余裕があるときだけ。普段は、『一刻も早く子どもたちのおなかを満たすこと』が最優先です」

子どもたちが早くごはんを食べられるように、中田家のごはんには特徴があるのだそうです。

・食材はすべてざく切りorひと口大

「時間がかかる千切りやみじん切りはしません。いや、みえをはりました。できないんです(笑)。ニンジンやカボチャなど、厚みがあると火が通りにくい食材は炒め物には使わず、煮込み料理専用にしています。
見た目の繊細さには欠けますが、食べごたえがあり、満足感が高いですよ」

手間も時間もかかる大根おろしは、フードプロセッサーでつくるそうです。

・大皿にどかんと盛る

「食べたい量を食べたいだけ食べていいのよ! というアピールです(笑)。複数の料理をワンプレートに盛りつければ、洗い物もぐっと減ります」

・揚げ物は市販のものに頼る
メインの1品になるから揚げやとんかつは、子どもも大好きなメニュー。素うどんにのせる天ぷらやサンドイッチに挟むコロッケも満足度をあげるアイテムです。

「でも、衣づけの手間や油の処理を考えると、時間がかかる料理ですよね。母の手づくりを子どもに食べさせたいという思いが基準でも、『それはそれ」『これはこれ』という線引きも必要。

だから、堂々と市販品に頼ります。そのかわり、温めは電子レンジではなく、フライパンで。
このひと手間が私なりの気づかいです」

・ひとつのフライパン、ひとつの鍋でつくれるものだけ

「まず卵を炒めて取りだし、次に肉を炒め、先ほどの卵を戻して加える…といったレシピも“複雑レシピ”として却下します。

全食材を一度に入れるか、どんどん足していくだけ! といったシンプルレシピだけが残りました」

・調味料は近所のスーパーで手に入るものだけ

「わが家の味つけは、シンプルです。基本はオリーブオイル、ごま油、さとう、塩、しょうゆ、みそ、酢、酒、みりんといったところ。安心は大切なので、産地を見たり、オーガニックのものを選んだりするようにしていますが、だしパックや粉末のうどんスープも使いますよ」

スペシャルなハーブやスパイスを使えばさらにおいしくなるのはわかっているけど、汎用性が低い調味料は、結局使いきらずに余らせてしまうことに。コスト面を考えてもデメリットになるといいます。

「わが家にあるのはスタメンになるめんつゆとオイスターソース、そしてナンプラーとバルサミコだけです」

毎日つくることを考えると、手のこんだ料理よりも簡単で手間いらずの料理。働くママにとって、負担のないレシピでないと続かないというのが中田さんの考えです。

「でも、働くお母さんに限って、子どもを日中、保育園などに預けている後ろめたさもあって、手を抜かない傾向が強い気がします」

子どものごはんづくりは、まさに闘い。
カップめんの日やスーパーのお寿司をお皿に盛るだけの日がないと、やっていられません。

後編では、“もっとものぐさになっていいんじゃない?”というメッセージを伝えたかったという中田さんの、とっておき秋レシピを紹介します。


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