夫婦喧嘩の仲直りの方法は? 言ってはいけないNGワードと円満解決のコツ
元は他人どうしの二人の人間が夫婦として生活していく以上、必ずといっていいほど衝突が生まれます。時には、ささいなきっかけが原因で大喧嘩に発展することも。
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できれば喧嘩せず仲良く気持ちよく過ごしたいものですが、実は夫婦喧嘩は“しちゃダメ”というわけでもないようです。夫婦喧嘩も大事なコミュニケーション! 喧嘩の原因や仲直りの方法を知って、喧嘩上手な夫婦を目指してみませんか。
気になるみんなの夫婦喧嘩の頻度?
街中で仲のいい夫婦を見かけたり、友人夫婦のようすを見ていたりして「喧嘩なんてしなそうだな…それにくらべてなんでウチはこんなに喧嘩しちゃうの」と疑問に思ったことはありませんか。
じっさい世の中の夫婦はどのくらいの頻度で喧嘩しているのか、気になりますよね。
■最も多かったのは月1~2回
結婚情報センターが2008年に実施した「夫婦喧嘩と仲直り」に関するアンケート(対象は20~60歳の既婚男女660人)によると、夫婦喧嘩の頻度として最も多かったのは「月1~2回」の27.0%、続いて「年1~2回(25.3%)」「週1~2回(16.2%)」となっています。一方で「しない」はわずか10.0%でした。
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つまり、10組の夫婦がいたら9組は(頻度の差はあるものの)日常的に喧嘩をしていて、夫婦喧嘩をまったくしないのは1組だけ、ということになります。
参照資料:「夫婦喧嘩と仲直り」に関するアンケート調査報告|株式会社結婚情報センター
■喧嘩しない夫婦は少数派
別のデータも見てみましょう。ライフメディアが2015年に実施した「夫婦喧嘩に関するアンケート」(対象は20歳以上の既婚男女1000人)では、夫婦喧嘩をする頻度として多かったのは「年に数回(30.7%)」で、「しない」は23.6%でした。
参照資料:夫婦喧嘩に関するアンケート|ライフメディア
おそらく「どこまでを喧嘩と考えるか」などによっても結果は変わってくると思いますが、夫婦喧嘩を「まったくしない」のは、かなり少数派のようです。外には見えにくいものの、実は世の中の夫婦の大半が日常的に喧嘩をしているわけです。
「隣の芝生は青く見える」ということわざがあるように、よその夫婦関係はよく見えるものなのかもしれませんね。
夫婦喧嘩のきっかけや原因は?
つぎに、夫婦喧嘩のきっかけや原因をさぐってみましょう。
■喧嘩の原因1位は相手の「態度・価値観」
先ほどご紹介した結婚情報センターのアンケートによると、「夫婦喧嘩の話題」は多い順に「態度・価値観」「子供関係(学校・教育方針など)」「家事関係(掃除洗濯・整理整頓など)」でした。「生活習慣」「家計関係」も高い割合になっています。
いかがでしょうか? 筆者はすべての原因に、思い当たるフシがあります…。筆者個人の経験や周囲の意見をふまえても、夫婦喧嘩の原因はつきつめれば価値観のちがいだと思います。
そして、価値観のちがいが浮き彫りになるきっかけとして家事の分担・やり方、育児、子どもの教育、生活習慣、家庭のお金問題などがあるのです。
恋人のころは、たとえ同棲や半同棲をしていても、あくまで他人どうし。家事の分担や生活習慣でひっかかることがあっても、根本的な価値観のちがいにいたるまではシビアに考えないものです。
たとえば彼の酒グセが悪かったとしても「イヤだなぁ。でもここで彼と喧嘩したくないし、正気に戻るまでちょっとガマンすればいいか」と流しがちです。
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ところが夫婦となると、日々の生活やその先の長い人生をともにするわけですから、日常のちょっとしたひっかかりもシビアに考える必要が出てきます。「また酔っぱらって帰ってきて……ちょっとガマン……いやこれいつまでガマンするの!? 無理!! どうしてその習慣を変えられないの!?」となるわけです。
みんなどうやって仲直りしてるの? 男女別の傾向は?
夫婦喧嘩をゼロにするのはむずかしい。それなら、せめて上手に仲直りしたいものです。世の中の夫婦は、どうやって仲直りしているのでしょうか?
■仲直りの方法と秘訣
先にご紹介したライフメディア実施のアンケートでは、仲直りの方法や秘訣としてこんな意見が挙げられています。
・ケンカをするときはお互い言いたいことを全部言い、絶対に次の日に持ち越さない。一晩寝たら昨日の事は無かったことにする。(三重県 50代女性)
・たいていどんな時でも夫が先に謝ってくれる。それから自分で反省してこちらも謝って仲直りをする。(神奈川県 40代女性)
・夫婦喧嘩はつまらない事が原因。とにかく、スピーディーに謝った方が大きくならない。(宮城県 40代男性)
・相手が嫌だと思う言い方をしない。多少きついことを言われても、お互い様と諦める。(北海道 40代男性)
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また、先にご紹介した結婚情報センターのアンケートでは「仲直りまでの平均時間」として約半数の夫婦が「寝て、起きたら仲直りする(している)」と答えています。
「仲直りするとき、どちらから歩み寄ることが多いですか」という質問に対しては「夫」が過半数(64.1%)という結果でした。
これらの結果を見てみると、夫婦喧嘩をこじらせないためには「自分が悪かったら早めに謝る」「翌日まで持ち越さない」のが基本のようです。
また、一般的に夫は「とりあえず謝る」「夫婦喧嘩はささいなこと」と考えるのに対して、妻は「自分からは謝らない」「言いたいことを言うべき」と考える傾向があるようです。
せっかく仲直りしようとしているのに、なぜか喧嘩がこじれてしまった……という経験は筆者にもありますが、その原因はこうした男女の考えかたのちがいにもありそうです。
男女のコミュニケーションがうまくいかない原因として一般によく指摘されるのが、たとえばグチや不満に対して「男性は論理的な解決策や正論を示しがち」「女性は純粋に聞いてほしい、共感してほしい」というちがいです。
喧嘩もコミュニケーションの一種と考えれば、こういった男女の思考回路のちがいも頭に入れておくと、変にこじれるのを避けられるでしょう。
「離婚」「人格否定」は絶対ダメ! 夫婦喧嘩の禁句とは
夫婦喧嘩にも「これだけは言ってはいけない」という禁句や「やってはいけない」NG行動があります。
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■夫婦喧嘩の禁句
【離婚】本気で離婚する覚悟がないかぎり、言ってはいけません。頭に血が上ってつい「離婚しよう」と言ってしまい、相手も売り言葉に買い言葉で「いいよ」と、引くに引けなくなってしまったら最悪です。
【モラハラ的な発言】「だからあなたはダメだ」といった相手の人格を否定する発言は、モラル・ハラスメント=精神的な暴力です。外見などを否定するのもNG。
【暴言】「死ね」「消えろ」などの暴言は、どんなに身近な人であっても絶対に言ってはいけません。
【収入のこと】「給料が安い」など相手の収入を否定する発言は、結果として相手の仕事そのものへの否定になってしまいます。とくに男性に言うとプライドが大きく傷つく傾向があるので、注意してください。
■夫婦喧嘩のNG行動
【暴力】DV(ドメスティック・バイオレンス)は犯罪です。自分では軽い力のつもりでも、相手に手をあげてしまったら、まぎれもない暴力です。絶対にやめましょう。
【無視】相手に対してシャッターを閉じてしまっては、何も解決しません。また、相手の存在を無視し続けることはモラハラの一種です。
【子どもの前での激しい喧嘩】喧嘩はお子さんが見ていないところでしてください。とくに幼いお子さんの場合、言い争っている内容は理解できず両親が「怒っている」という状態への恐怖だけが残ってしまいます。
夫婦喧嘩を解決するコツは?
「喧嘩するほど仲がいい」とはいうものの、できれば避けたい夫婦喧嘩。喧嘩にならないようにするには、どうしたらいいのでしょうか?日常生活では、次のようなポイントを心がけましょう。
■相手に感謝の気持ちを伝える
いつも当たり前にしてもらっていることも、意識して「ありがとう」と伝えましょう。心の中で感謝していても、なかなか相手には伝わりません。
「不満を伝えるなら同じくらい感謝も伝える」という意識をもつだけで、言われるほうの気持ちは全然ちがってきます。
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■相手は自分とはちがう人間だと理解する
冷たいようですが、夫婦といえども他人どうし。「価値観が合わないからこの人とはダメだ」と悲観する人もいますが、そもそもあなたと完全に価値観のあう他人はまずいません。
いない相手を求めるよりも「どうちがうのか」「お互いに納得できるのはどのラインか」を考えるほうが建設的でしょう。
そしてもし喧嘩のきっかけになりそうなひっかかりを感じたら、時間をかけて話し合うことを心がけましょう。相手は価値観のちがう人間だという前提を意識して、自分と相手の考えをなるべく冷静に出し合うようにすれば、喧嘩ではなく話し合いになるはずです。
「喧嘩ゼロ」より「喧嘩上手」の夫婦になろう!
今回は、夫婦喧嘩の原因や禁句、仲直りの方法などをご紹介しました。いかがでしたか。
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夫婦喧嘩も悪いばかりではありません。極端な例ですが、長年言いたいことを溜め込みつづけた結果、どちらかが爆発して【熟年離婚】となってしまうこともあります。
それよりは日常的に喧嘩をして言いたいことを言い合い、きちんと仲直りをする【喧嘩上手】な夫婦のほうが、結果としていい関係を築いていけるでしょう。
まずは仲直りや解決方法の1つから実践してみて、じょじょに自分たち夫婦に合う解決パターンを増やしていってみてくださいね。
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