■1年半やってみてわかった、体験農園のメリット・デメリット
一番の楽しみは季節の野菜の収穫
1年半、体験農園をやって感じたメリットは次の通りです。
1.
野菜がおいしいこと。夏のキュウリはみずみずしく、子どもたちが「おやつはキュウリでいい」と言うくらいでした。
2. 野菜がそのままでもおいしいと、ほとんど調理しなくても食卓に出せるので、食事の準備も自然と
時短に。料理ベタの筆者は大助かりでした。
3. 自分たちで育てた野菜は子どもたちも文句を言わずに食べるので、万願寺とうがらしやモロヘイヤなど珍しい野菜も含めて食べる
野菜の量は増えました。
4. 畑では各自が効率よく動かないと作業が進まないので、子どもたちもそれぞれ自分たちのできることを見つけ、
進んで仕事ができるようになりました。
土いじりは大人も子どもも楽しい
それに対して、デメリットは以下の4つが挙げられます。
1.
時間的な制約。決められた作業日に予定を入れられないのはもちろんのこと、結局は平日もちょこちょこと雑草抜きや収穫に行かなければならず、忙しい時は正直「つらいなー」と思うことも度々あります。自宅から自転車で5分ほど、なおかつ子どもの小学校のすぐ近くという立地だから何とか続けられている状態です。
2. 子どもは習いごとやイベントなどで不在になることも多く、結局は
大人だけで作業する日も頻繁にあります。
3.
虫嫌いにとって、やっぱり畑作業はつらいこともあります。筆者は、虫が大丈夫な長女に駆除を頼む、がんばって自力でやる、見ないふりをするという3つの選択肢からその時々によって選んでいます。
4. 野菜はおいしいけれど、土や虫のついた野菜の
下処理はそれなりに大変。
さらに、
同時期に同じ野菜が大量にとれるのでそれを食べきるのも時には悩みに。
しかし、これらデメリットを大きく上回る予想外のメリットが続けていくうちに浮上してきました。
いろいろな虫との出会いがある
■土や野菜に触れるだけで大きなヒーリング効果が
デメリットを乗り越えて「まだ続けよう」という気持ちになっているのは、実は筆者も予想していなかった「思いがけないメリット」でした。それは
畑に癒されるということ。
「忙しいのに面倒だな」。そんな気持ちで畑に行っても、畑で土に触れていると、なんだか本当に心が落ち着き、嫌なことも全部忘れられるような気がしてきます。土のパワー、植物のパワーを実感しました。
そして、自分の子どもだけではなく、ほかの子どもたちも
畑が大好き、という発見もありました。
作業が大変な時は、長女の友だちに声をかけて手伝ってもらうこともありましたが、小学校6年生ともなると体力もあり、大きな戦力。
しかも、みんなとても楽しそうに作業して、
「またやりたい」と言ってくれます。畑の作業が楽になるうえに、なんだか子どもたちの
食育にも貢献できたような、すがすがしい気持ちになります。
さらに、ママ友に
おすそ分けをするととても喜んでくれる、というのも予想外のメリットでした。何かしてもらった時に「ちょっとしたお礼」を何にするか意外と迷うものですが、わが家は「とれたて野菜」にしています。
「買ったきゅうり3本」などあげたら変に思われそうですが、
自作の野菜なら少量でもOK。「この料理を作ったよ」などと写真を送ってくれるママ友もいました。
子どもたちも進んでできることをやってくれる
■体験者だから大きな声で言える、「体験農園のススメ」
最後に、体験農園に興味のある方へアドバイス。
ひと口に体験農園と言ってもその形態はさまざまです。以下の点をチェックしてから始めることをおすすめします。
1. どこまで自分で用意する必要があるのか、農園側にどんなサービスがあるのか、値段も含めて条件をあらかじめ詳しく確認しましょう。
2. 子育て世代は、小さな子どもが農園に入っても歓迎される雰囲気かどうかも、事前に知っておくといいでしょう。
3. 手入れをすればするほど野菜は育つので、通いやすい立地かどうかは最重要。
4. 家族の合意はとても大事。「みんなでやろう」という気持ちがあるかどうかで、楽しさも変わってくるように思います。
「子どもが
何歳くらいから始めればいいか」と聞かれれば、個々のお子さんでも変わってくると思いますが、雰囲気を味わう程度なら園児から(ただし子連れ歓迎の農園)、体験を始めるなら小学校低学年くらいから、そして戦力になってくれるのは小学校中・高学年から(ただし習い事などで物理的に忙しくなっているケースも)と感じます。
虫嫌い、植物を枯らす筆者でもなんとか続けている体験農園。大変なことはたくさんありますが、子どもにも大人にも楽しいので、ぜひ気になっている方は挑戦してみていただきたいです。
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