連載記事:苦手な人とうまく付き合う“境界線”の引き方
過保護・過干渉になっていない? 「心配だから」「あなたのためだから」は要注意!【苦手な人とうまく付き合う“境界線”の引き方 第4回】
■子どもの友人関係「ついつい口を出してしまう…」
子どもが成長するにつれて、気になるのが
友人関係。子どもの自主性を尊重しなければと思いつつも、
乱暴な子や言葉づかいの悪い子とはあまり付き合って欲しくない、と考えてしまう親も多いでしょう。
「でも、乱暴とか言葉づかいがというのは、その子の一面に過ぎませんよね。世の中には、大人だけに良い顔をする子もたくさんいます。子どもの判断で付き合っているのだから、きっとその友だちには違う面があるのではないでしょうか?
気になる場合は、子どもに
『お友だちのどこが好きなの?』『どういうところが良いの?』と聞いてみるといいでしょう。そのうえで、『そんなに良いところがあるんだね』『良い部分を引き出してあげるあなたもすごいね』と、ほめてあげるといい。そうすると子どもはますます、相手の
良いところを引き出せる人間に成長していきますよ」(おのころさん)
たとえ今は“悪い子”に見えても、周囲から良い影響を受けることで変わっていく可能性は大いにあります。子どもの選択を尊重してあげつつ、成長を広い心で見守ってあげるといいでしょう。
■子どもの宿題や支度「必要以上に手伝うのは過保護?」
幼少期なら、親が子どもの世話をするのは当たり前。でも、子どもが成長しているのにいつまでも介入し続けるのは、子どもの世界へのバウンダリー・オーバーです。
「いわゆる過保護の問題の背景には、
親側の不安があります。宿題をやってあげるのは、自分が子ども時代に宿題で失敗した経験の影響かもしれませんし、身支度をやってあげるのは自分が忘れ物をして悲しい思いをした記憶が残っているからかもしれません」(おのころさん)
「恥をかかせたくない」「傷つけたくない」という親心は一見、子どものために思えますが、実は
自分の欲求を満たそうとしているだけにすぎないのです。
「子どもには子ども自身の
感情世界があり、園や学校、友だち、先生など、複雑な人間関係のなかで生きています。“脳の中の判断ルーム”を
親が占拠するのは良いとはいえないですね」(おのころさん)
親と子の間にバウンダリーがあることを意識しておけば、もし超えてしまった場合も
同じ過ちを繰り返さないように心がけることができます。
ママたちの人間関係はとても複雑。自分の領域に侵入されて困ることもあれば、自分が行きすぎて失敗してしまうこともあるでしょう。
人間関係を円滑にしてストレスから身を守るために、
「バウンダリーを上手に引く」という考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考図書:
『人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方』(同文舘出版)
おのころ 心平 著 1,512円(税込)
24年間、のべ5万時間以上のカウンセリングから導き出した「病気にならない心理学」の本。快適でベストな人間関係を築くために、自分と相手とのバウンダリー(境界線)を引くことを提唱する。表情・しぐさ・言葉遣いをほんの少し変えるだけで「自分の領域」を守る方法や、バウンダリー上手な人になるためのテクニックを紹介。
イラスト/野原広子
取材・文/まちとこ出版社 渡辺裕希子
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