プチモラハラ系夫「家事は女がやって当然!?」イライラから自分を守る3つの対処法
■プチモラハラ系夫の対処法3:「いざという時“酸素マスク”は自分から」
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高草木さん:また「いちいち細かいことにうるさい夫」、もう、これはスルーでしょうね。先のお母さんたちの不満事例にもありましたが、ワイングラスがくもっているのが気になるなら、「じゃあ、次からあなたが洗ってね」とサラっと返しちゃえばいい。こういうことに、過剰反応してキレて、エネルギーを注ぐことの方がもったいないと思いますよ。
――スルーできずにキレてしまうのは、妻がそれだけ追い込まれた状態にいるのかもしれませんね。
高草木さん:本当に、まず自分に余裕をもたせておくことが第一。
例えば、お母さんと子どもが飛行機に乗っていて、酸素マスクが出てくるような状況になった時、先にお母さんが酸素マスクをつけてから、その後に子どものマスクをつける、という決まりがありますよね? これは、お母さんが気を失ってしまう危険性があり、そうすると親子とも倒れになってしまうから。
まずは、自分がしっかりした状態でないと、子どもを助けることはできないというわけです。
――確かに…。まずは自分を第一に。
高草木さん:今の時代、大事なのは「いかに頑張るか」ではなくて、「いかに手をぬくか」だと思いますよ。ただでさえ、女性はさまざまな役割を求められて大変なのですから。常に、自分の心の栄養を補充できる方法を用意しておきましょう。お友だちとのおしゃべりでもいいし、スポーツでも何でもいいんです。
よく「忙しくてそんなことしている余裕ない」という方もいるのですが、まず「できない」と決めつけないこと。決めつけてしまうと、すべてのことに余裕がなくなってしまい、抜け出せなくなりますから。
今の時代、ベビーシッターや家事代行のハードルがだいぶ低くなってきましたから、そういうのを上手に利用するなどして、自分のための時間を確保しましょう。
――そばにいる夫は、妻の限界に気づかないものなのですかね…?
高草木さん:残念ながら、夫は妻がそこまで限界になっていることに気づいていないことも多いです。妻が倒れてから、平気で「早く言ってよ」とか「言われればやったのに」とか言いますから。
何度も言いますが、「私がこんなに大変なのに察してよ」と夫に期待するのはダメ。男性は、察することはできない生き物だから、しっかり伝えましょう。そして、伝える時はYOUメッセージで「あなたもやってよ!」と責めるのではなく、Iメッセージで「私もう限界だから助けて」などと伝えましょう。
もしそれでも、「は? それはおまえの仕事だろ?」などと言うような夫だったら、もう実家に帰ってしまって良いと思いますよ。
――本当に(笑)。
高草木さん:相手に感謝する気持ちは大切ですが、妻の方も、古い価値観にしばられたり、「私は夫より稼いでないから…」などとヘンな遠慮をする必要はありませんよ。
夫婦は、ともに協力してひとつの家庭を築き、子どもを育てあげていくもので、どっちがえらいなどという問題ではないのですから。
そして、最後に私がみなさんに伝えたいのは、もしあなたが今の生活に変化を求めているなら、「知っている」だけではなにも変わらないということ。「実行」に移して、「継続」していくことで、初めて夫婦でともに成長できるのだと感じています。
夫をどうにかしたいと思ったら、まず自分を変えるのが、一番の近道なのかもしれません。
※なお、この記事で扱っているのは、あくまで軽いレベルのもので、悪質で重度のモラルハラスメントには別の対処方法が必要となります。
参考図書:
「なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか」(左右社)
高草木 陽光著 1,836円(税込)
夫婦問題カウンセリング7000件の実績をもつ著者が、これまでの相談内容から導き出した解決方法を紹介。具体的な事例をあげ、「夫と妻の考え方の違い」「夫と妻の受け取り方の違い」「問題になりやすい事柄」「改善策につながるヒント」「考え方のポイント」を、家事、育児、会話など38のテーマ別にアドバイス。何らかの問題を抱えている夫婦にも、ひとり頭を抱えて悩んでいる夫・妻にも、「うちは問題ない」と思っている人にも役立つ一冊。
取材・文/まちとこ出版社N
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