2019年3月15日 13:00|ウーマンエキサイト

西加奈子、「母、女性としても輝く」は求めすぎ。自由を願う彼女の子育てと仕事



■本はいつ何を読むか、何を感じるか、すべてが“自由”

「まく子」西加奈子さんインタビュー

「映画で印象的だったのは、最初に慧くんが集落を走っている場面。コズエちゃんとお母さんが、お祭りで名前を呼び合うシーンもすごく好きです」


――原作『まく子』は児童小説ですが、映画を観て、子どもたちに感じてほしいことはありますか?

それはまったくないですね。子ども、大人という線引きは、正直自分の中でできてなくて。見た目が大人、お酒を飲めるのが大人、運転できるのが大人、というのはあるかもしれませんが…。

でも、自分がサトシくんと全然違うかというと、サトシくんの気持ちもすごくわかる。41歳の私よりしっかりした子どももいるだろうし、それこそサトシくんのようにお父さんよりすごくしっかりしている子どももいます。“子どもだから”とか“子どもの見方”ということは考えたことがないですし、本当に自由に観てほしいです。

――西さんは2017年にご出産されましたが、『まく子』はそれ以前の作品。
お子さんを産んで、本作に対する気持ちの変化はありますか?


子どもが生まれてからも、作家としての変化はとくにないんです。もし子どもが『まく子』を読んでくれたとして、「自分こんなんちゃうわ」と思ってくれてもいい。何も変わらないですね。

――お子さんには、いつ頃『まく子』を読んでほしいというのはありますか?

いつでもいいです、ほんまに(笑)。読んでくれなくてもいい。そこは強制しないです。もちろんハードなポルノ作品は、禁止しておいた方がいいと思うんだけど、それ以外は、何歳で何を読もうが自由だと思っています。

――(笑)。
対象年齢は関係なく、何歳で読んでも、何を感じても良いということですね。


そうです。それが小説ですから。

――ふだん、お子さんと本を通じた触れ合いの時間はありますか?

絵本の読み聞かせはしています。読んでほしい絵本は、子どもが自分で選んで持ってきます。私も絵本を出しているので、そのなかから選んでくれることも。でもすぐに飽きてしまうので、それほど長い時間は読み聞かせできないのですが…。

――ご自身の子ども時代はいかがでしたか?

よく絵本は買ってもらっていたし、好きだったんだと思います。
小学1年生から4年生までエジプトにいたのですが、日本人が帰国する際に置いていってくれた本が図書室にあって、いつもその本を読んでいました。日本人学校に通っていたのですが、日本語にあまり触れられないから、きっと日本語に飢えていたんだと思います。

――その頃の環境が、今の自分に与えている影響はありますか?

自分が自分以外の人生を歩んでいたら客観的に見られると思うんですが、自分は自分を生きてきたから、どう影響されているのかわからないんですよね(笑)。もちろん、全員にとって子ども時代は大事だから、大きな影響はあったんだろうなとは思います。でも、それがどういう影響なのかまではわからないんです。


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