2019年2月28日 17:00|ウーマンエキサイト

「片づけられない女」だった私が、片づけ本を出すまでになったワケ【苦手が得意に変わる「片づけの最強メソッド」 Vol.1】



■片づけ下手はまず最初に「しまい場所決め」から手をつける

――村上さんは片づけの必要性に目覚めたわけですが、30年ほど片づけをしていなかった(?)状態から、どうやって一気に巻き返したのでしょう?

村上さん:いったんスイッチが入ると、ASDならではのモノごとをとことん突き詰める特性が発揮されたのだと思います。まず、「片づけとはどういうことか?」を考え、次に片づけに必要な行動を分析し、「自分がどこでつまずいているからうまくいかないのか?」を洗い出しました。

――そこで洗い出された、つまずきとは?

村上さん:私がつまずいていたのは、次の3つでした。

1.モノの出し入れを面倒に感じていること。

2.片づけが苦手なのに「その気になればすぐできる」と自分の能力を過大評価していたこと。

3.「そもそも何のために片づけをするのか」をよく理解していなかったこと。


いろいろ調べるうちに、自分が片づけをする目的は「仕事と家庭の両立のために、家の中を使いやすくすること」と明確になりました。理由がわかったので、次は具体的な行動に落とし込むスキルを研究しました。


――そこで、この本で紹介されている3つのステップを編み出したワケですね?

村上さん:片づけに必要なのは、次の3つのステップです。

1.場所:目的にあったしまい「場所」を決める。

2.量:しまい場所に入りきる「量」を決める。

3.しまい方:しまい場所に合った「入れ方」を決める。


まず、一番最初に決めるべきは、モノのしまい「場所」です。すぐ出せる場所、簡単にしまえる場所を決めることで、使いやすく散らかりにくくなるからです。

次に、「量」を決めます。すでに「場所」が決まっているので、そこに入るだけの量に減らします。
最後は、「入れ方」。どう入れると出し入れしやすいか考えます。
「片づけられない女」だった私が、片づけ本を出すまでになったワケ【苦手が得意に変わる「片づけの最強メソッド」 Vol.1】

イラスト:花津ハナヨ


――まず、はじめに「場所」を決めるのですね? よく言われる「量」の方ではなく?

村上さん:まず量を減らそうとすると、モノの「要・不要」を決めることになり、片づけが苦手な人にとっては、なかなかむずかしいのです。判断に迷うばかりで、挫折してしまいがちです。

例えば、量を決めるにしても、決められた場所に入りきる量、というような目に見える尺度に沿って進めていく方が、片づけが苦手な人にはわかりやすいのです。ですから、最初に場所を決めることが大事。

――村上さんは、この3つのステップで、長年苦手だった片づけが得意になっていったのですね?

村上さん:片づけができるようになってから、モノが思った通りの場所にあり、やりたいことがすぐできる生活はなんて快適なんだろう! と感動したくらいです。逆に、「今までの私はどんだけ損していたんだ!? と後悔しきりでしたね(笑)。


もちろん、どちらの生活を選ぶかは個人の自由ですが、どちらも経験している私からすると、もう以前の生活には戻りたくない、というのが素直な実感ですね。


村上さんに、「片づけはコミュニケーションのためのインフラ」と言われて、妙に納得してしまいました。確かに、介護までは想像できなくても、例えば、自分が病気で寝込んだ時、家の中が片づいていれば親やヘルパーさんに手伝ってもらいやすいですね。

さらに、わかりやすくラベリングされていれば、熱に浮かされながら、いちいち人にモノの場所を説明せずにすみそうです。

次回は、「片づけが苦手な人はまず何からはじめるべきか?」をテーマに、具体的な片づけ方法をうかがっていきます。

参考図書:
『発達障害の人の「片づけスキル」を伸ばす本』(講談社)
「片づけられない女」だった私が、片づけ本を出すまでになったワケ【苦手が得意に変わる「片づけの最強メソッド」 Vol.1】
片づけや整理整頓についての本を読んでその通りにやってみたけれど、どうもうまくいかなかったという人、現状を変えたいけれど、どこから手をつければいいのかわからないという人へ。アスペルガー症候群の当事者である著者ならではの工夫によってできあがった、挫折しない「片づけのしくみ」を作るコツがつまった一冊。


取材・文/まちとこ出版社N


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