■「がんになる可能性あるかも…」と思ったら
© realz2009 - stock.adobe.com
「もしかして、私もがんになる可能性はあるかも…」と思った時が、チャンス!
がんサバイバーであり、
ファイナンシャル・プランナーの黒田尚子さんは言います。「若い世代の女性にこれだけがんが増えている今、
『もしかして、私も』と思った人こそ勝ちですよね。なぜなら、
情報は力ですから」
「もしかしたら、自分も…」と、今、ちょっと一瞬、立ち止まって情報に触れてみる。そんなあなたに、「がんの知識」でとりわけ大切なことを4つお伝えしましょう。
▼がんの知識1、国が推奨するがん検診
© Monet - stock.adobe.com
国が推奨しているがん検診は、次の5つです。
<推奨されているがん検診5つ>
(「がん対策推進企業アクション」より抜粋。ウーマンエキサイト編集部作成)
子宮頸がん検診、乳がん検診、大腸がん検診は、
死亡リスクを下げるということが国際的にも証明されている検診です(※1)。
胃がん検診、肺がん検診も有効性があるとして推奨されています。多くのがんのなかでも、これらはとくに検診に向いている「がん」です。
▼がんの知識2、がんになっても妊娠できる可能性はある
© polkadot- stock.adobe.com
「これから妊娠を希望しているのであれば、まずは『がんになっても、
妊孕性(にんようせい)は温存できることもある』ということは知っておいて欲しいです。
その上で、自分で多少の知識武装はしておいた方がよいかもしれませんね。なぜなら、がん専門医は、『がん治療』を主軸に物事を考えがちです。たとえば卵巣がんの患者さんの多くは、出産可能年齢を超えた高齢者です(※2)。
担当医に妊孕性の知識が十分でなければ、卵巣がんの治療に、『妊孕性温存』という視点が抜けてしまうケースは、実際に起こり得るんです」(黒田さん)。
▼がんの知識3、がん治療にはお金がかかる
© WavebreakMediaMicro - stock.adobe.com
「がん告知を受けると、手術を含めた治療が流れ作業のように行われていきます。
それが始まってからの私の正直な感想は、
『がんって、お金がかかるのね!』でした」(黒田さん)
▼がんの知識4、がんになったら保険に入れない
© ktktmik - stock.adobe.com
「『病気になったときに、保険を使う』ということは知っていても、
『がんになったら入れない保険の方が圧倒的に多い』ということを知らない人は多いですね。
元気なとき、『もし、自分ががんになったら、保険に入れなくなる』なんて考えてもみないでしょう?
でも、たとえば、夫婦型の保険に入っていたとき、妻ががんになってしまうと、この先に妻の保障がなくなることを避けるために、夫の保険の見直しができないというケースは、少なくありません」(黒田さん)
黒田さんは、こうも言っていました。「あるがん患者さんに『がんになって変わったと感じたことは?』と質問したら、『がん患者になってみて、初めて見えてくる世界というのがあるということを知った』と答えてくれた方がいました。『がん患者の世界』というのは、すごく奥深いですよ(笑)」
次回は、そんな黒田さんが実際にがんになった時のお話しを伺います。
■今回のお話を伺った黒田尚子さんのご著書
『がんとお金の本』
黒田尚子さん/ビーケイシー(1,620円(税込))
●黒田尚子(くろだ なおこ)さん
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。2009年乳がん告知を受け、2011年に乳がん体験者コーディネーター資格を取得。自らの実体験をもとに、がんをはじめとした病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行う。
現在は、各種セミナーや講演・講座の講師、新聞・書籍・雑誌・Webサイト上での執筆、個人相談を中心に幅広く行う。
みずがめ座は「しんどさをバネにする1週間になる」