コロナ不安で心が沈む…落ち込む気持ちとどう付き合う?



■漠然とした不安との付き合い方

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解決の糸口が見えない漠然とした不安と付き合っていくにはどうすればいいのでしょうか?  

先でご紹介した心理学者の加藤先生は、「現状や理想にしがみつかず次に望むこと、つまり『次善の策』は何かを考えて、それも合わせて目指しておくことで、漠然とした不安を緩和することができます」とご著書で述べられています。

例えば、コロナ禍で育児に不安を感じ、自分が理想とする母親になれるかどうか不安に感じることもあるでしょう。その母親像にしがみ続ける限り、不安が消えることはありません。そういう時、これだけは子どもに対してやらないようにしよう、自分が思いつく最低の母親にだけはならないようにしようと、第2、第3の母親像を用意しておくだけで心はずっと軽くなります。

また、休校やオンライン授業で子どもの学力に不安を感じているようなら、第1志望校にこだわって受験させるだけではなく、子どもに合っていると思う第2志望、第3志望を必ず考えておくこと。

仕事であれば、こういった会社に就職したい、こういう仕事がしたい、こういう働き方がしたいという理想があるのは当然です。しかし、今は数カ月後の未来すら見えない状況なので、理想を追い求めつつ2番目の希望も同時進行で目指すこと。そうすることで、不安が薄れていくでしょう。


今は、世界規模でどんなことが起こってもおかしくない状況。平時なら次善の策を考える必要がないことでも、目標や理想としていたことが自分の努力ではどうにもならない状況なので、臨機応変さが大事です。

今後は副業を持つのは当たり前の時代となるでしょう。昼と夜、平日と土日というように、2つ以上の仕事を掛け持ちする人は増えていくと思います。そう考えると、理想とする仕事は土日で、次善の仕事は平日で…という働き方もできるわけですから、理想を1つに絞る必要はないわけです。

■毎日の手抜き生活から不安が生まれる

また、加藤先生は「不安は毎日の手抜きの生活の垢(あか)から生まれる」ともおっしゃっています。やるべきことに手をつけないまま日々を送ることで不安が生まれるという意味だと思います。

裏を返せば毎日、目の前のことを一生懸命やっていたら不安を感じている時間がないということでしょう。
確かに、頭で考えている間は不安がいっぱいだったけれど、何も考えずに行動してみたら単なる取り越し苦労だった、自然と不安が消えたということは少なくありません。

そういう場合は、現状や事実に不安を感じているのではなく、不安に対して行動できない自分自身に不安を感じているのです。しかし、あなたが不安に思っていることでも、別の人は不安に感じないこともありますし、逆にチャンスだととらえている場合もあるでしょう。

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では今、何をすれば不安が消えるのでしょうか?

それは何でもいいので、自分ができることに集中することです。不安の原因に直接働きかけるものではなくても構いません。とりあえず、何かに一生懸命取り組むことで余計なことを考える暇がなくなり、頭から不安を追い出すことができます。

精神的につらいと感じることは無理をしてやらなくてもいいと思いますが、「やらず嫌い」なら挑戦してみてもいいでしょう。実際にやってみたら得意になった、好きになったということもあるでしょうし、挑戦したことで意味が見いだせることもあります。


今の時代は、たった一つの理想を追いかけるのはリスクが大きく、それがかなわなかった場合は不安が倍増するだけです。目標や理想を変えたり諦めたりする必要はありませんが、必ず次善の策を用意し、まずは目の前にあること、自分に与えられたことを手を抜かず一つ一つやっていくことが大事です。

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