もはや奇跡ではなく呪い。誰ひとり幸せにならない選択と真実の告白【君が心をくれたから#7】
「俺の五感を雨に渡してください。どうなったって構いません。それでこの奇跡を終わらせてください」まっすぐで純粋な叫びにも似た願いに、見ているこちらも目頭が熱くなるものの、もちろんそれはかないません。
本質としては、「太陽をひき逃げした運転手を引き摺り出して、そいつの五感を雨に渡してこの奇跡を終わらせてください」でハッピーエンドなんですけど、ひき逃げ犯はどうなったんですか?警察仕事しろ!
「自分が死んで良かったのに」とやるせない気持ちに打ちひしがれる太陽に雨は言葉をかけます。
「太陽くんには誰にも負けないすてきな価値があるよ。あなたは私の人生を変えてくれたから。太陽はこの世界に必要だよ」
高校生の頃、自己肯定感が底辺だった雨に、太陽が校内放送テロで叫んだあの言葉をそっくりそのまま返すのです。太陽が雨に心を与えてくれた、雨にとって大切な宝物のような言葉。
自分が泣きたいくらいの立場のはずなのに、太陽をはげまし、愛を伝える気丈さ。
前回、太陽は雨の祖母に「雨ちゃんは強くなりましたよ」と、言っていましたが、本当に強くなりました。
■真実は隠す?伝える?どちらが幸せだったのか
今回、奇跡の真相を全て太陽に伝えることとなりましたが、真実を全て伝えるのが幸せなのか、隠したままの方が幸せなのか。