帰ってきた言葉のタイムカプセル。自分の言葉が導いた選択と別れ【海のはじまり#9】
そうなれば今ここに海はいないし、夏との幸せな交際がそのまま続いていたわけです。果たしてどちらが弥生にとって幸せだったのか。悪く言えばあの言葉が、弥生が描いていた未来を奪ってしまったともいえます。
良くも悪くも、あのノートが弥生自身の人生を大きく変えたのでした。一見悲しい美談のように見えて、一方で裏を返せばなんとも皮肉な展開。
母親、中絶と、ずっと苦しみと我慢を強いられてきた優しい弥生。今回もまた、犠牲を伴いながらの悲しい選択をせざるを得なくなりました。どうか幸せになってほしい……。
これから、もし、気持ちが変わることがあって、夏と海との人生を歩むようなことがあれば、この意味はまた変わってくるのですが。
海と2人での暮らしを始めることを決意した夏。海にもたくさんの環境の変化が訪れることで新たな問題が生まれると思われますが、果たして……また次回。
(やまとなでし子)
2人で生きることをやめた夏。気づけば始まっていた、海のはじまり【海のはじまり#最終話】