疲れた心にじんわり刺さる。吉本ばなな『幸せへのセンサー』から学ぶ“幸せの本質”
これまで何かに傷つくたび、疲れ果てるたびに自己啓発本を手にとってきた。本屋に行くと数え切れないほど、心のストレスに向き合うための本、疲れを癒やすための本が置いてあって、どの本も読めば、読む前よりスッキリする。だけど意外にも、また疲れが溜まった時に「もう一度読み返そう」と思える本がなかった。
言っていることはなんとなく分かる、思っていることを言語化してもらってスッキリはするんだけど、ただそれだけで。生理の時に飲む、痛み止めのようなもの。対処療法にはなるのだけど、心の傷に対する根本解決にはなかなかならない。
だけど今回は生まれてはじめて「何度も読み返したくなる」、カウンセラーのような本をやっと見つけることができた。
【この本を読んで分かること】
・他人にとってや社会にとっての「幸せ」と、自分の幸せは一緒とは限らない
・自分を理解することと、自己肯定感は違う
・「自分を愛すること」とは、日々の微調整を自分の価値観で行うこと
■小説家が書くエッセイ×自己啓発本
『幸せへのセンサー(吉本ばなな著・幻冬舎)』の著者は、1980年代から活躍する小説家。世界から評価される作家なので、有名な作品なら読んだことがある、という人も多いかもしれない。