グローバルワークの“グローバル”を支えるクリエイティブ・ディレクター、トム トーの“感じる”映像【INTERVIEW】
その経歴が少なからず影響しているであろう、彼の哲学や、仕事に対する思いについて話を聞いた。
––––まず経歴についてお聞かせください。不躾で恐縮ですが、難民出身とうかがいました。
ええ。カンボジアを出て10ヶ所以上もの難民キャンプを転々としました。アメリカに渡ったのが14歳の時でした。当時、アメリカ政府は難民受け入れに積極的でしたが、難民認定審査があってなかなかスピーティにはいかず、キャンプ生活から渡米するまでに4年から15年くらいの時間を要すると言われていて、自分も10年以上かかりました。そんなに長く待てないと、親族たちはそれぞれヨーロッパ、カナダ、日本と別々の国に渡りました。
––––やはり、渡米したことで人生が変わったと思われますか?
そうですね。知らない人には想像できないような厳しい時代はありましたが、今はアメリカ人として暮らしています。祖国カンボジアの情勢も改善され、時代の流れも世界情勢も大きく変わりました。そういう意味でも人生の第1章が完結し、アメリカで第2章が始まったと思います。