四半世紀ぶりに伝説誕生、アンダーカバーとサカイが東京で合同ショー【2018春夏コレクション】
40以上のルックを次々につなげて行くスピード感がリアルで、東京らしくかわいい、パワフルなウイメンズ。
舞台の下手と上手を逆に、サカイと反対側の正面からショーを引き継いだアンダーカバーは、前後で相反する顔を持つローマ神話の「ヤヌス(JANUS)」をテーマにしたドラマチックな構成。真っ白な光源でファンキーにランウェイを構成したサカイと対照的に、天井からシャンデリアが吊られ、赤のベルベットの向こう側から登場するのはすべて双子を思わせるツインモデル。それぞれのルックは同じアイテムながら、よく見るとすべてがリバーシブル。エンブロイダリーのロリータ風エプロンドレスのツインズの片方は、血が流れるのを連想させるビーズ刺繍が施されているなど、全体が映画のワンシーン。『シャイニング』のオープニングも用意されている。
特に今回のコレクションで象徴的に使用されたシンディ・シャーマンの作品を使ったフォトプリントのドレスやコート、カットソーなどは、テーマである二面性を解説するかのよう。初期の70年代の白黒作品から、80年代の大きなカラー作品まで大胆でグラフィカルな転写は、今後メゾンだけではなく、東京モードシーンのアーカイブの代表作として語られるだろう。