新生「アキラナカ」がオール・ジャパン・メイドにこだわる理由【INTERVIEW】
――今回の伊勢丹限定ラインも様々な日本の素材メーカーを起用していますが、特に秀でているところを一つ挙げるとしたらどこでしょうか。一つは難しいですが敢えて挙げるとすれば、「カナーレ」と「藤本商店」でしょうか。テキスタイルを織れる業者はいますが、糸の段階からオリジナル企画をして作り上げる「カナーレ」はすごいです。ものすごく手間をかけてクチュール的なものづくりをしています。「藤本商店」はもともと着物を作っていたところで、シルクに対して優れた技術を持っている会社です。ディオールやエルメスなど様々なメゾンからも依頼を受けています。プレタポルテで使うために必要な表情を出す為に、その生地に使われている糸の撚りにまでこだわりを持ち、糸の段階から服地の仕上がりが考えられています。シルクウールのボンディングパンツは「藤本商店」の生地を使っていますが、非常に良く仕上がったと感じています。
値段はある程度しますが、それだけの価値は必ずあるものです。海外のラグジュアリーブランドと素材も縫製も同レベル、そしてシルエットは日本人向けに計算されたパターンを採用しています。このパンツはトップスのスタイリングを選ばず、シンプルなTシャツであってもスタイル自体を引き上げる力があります。