光で現実を問うリギョン展、銀座メゾンエルメスで開催中
「実体の無いものを待ち続ける話。自分の姿につながるようだ」とリギョン氏。
作家はお気に入りの時間として12時、15時、19時を挙げている。空いた時間に煌めく床に寝そべり、妻の慕情に思いを巡らせ、ゆっくりした時にたゆたうのも一興だろう。
もう一方の「善悪の知恵の木」(2001年)は、アーティストが「方向性を失っていた頃の作品」という。強烈な光が空間を覆い、距離や方向、平衡感覚を失うほどの白光に、彼女の混乱・怒りなど当時の心象を感じる。空間を出ても網膜に残像が残る強烈な体験だ。
穏やかな光と峻烈な光、新旧対照的な作品からは、作家の一貫したテーマ「目に見えるすべてが真実か?」というテーマがヴィヴィッドに伝わってくる。
SF小説で同じように「この世の不安定性」を問い続けたフィリップ・K・ディックと同様、“現実”というものを再考させてくれる。
【イベント情報】
「逆転移」リギョン展
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム
住所:東京都中央区銀座5-4-1
会期:10月31日から2015年1月7日
時間:11:00から20:00(日曜日は19:00まで)
休廊日:年末年始
入場無料
「蛇の口づけ」は、ガラスブロックの壁面から差し込む自然光を取り入れた作品
時間帯により様々な表情を見せる
床は螺鈿敷きで、光により煌めく
「善悪の知恵の木」は、白い空間を強烈な白光が覆う
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