展覧会「虫めづる日本の人々」サントリー美術館で - “虫”にまつわる絵画や工芸品などを展示
展示を6つの章に分けて紹介する。
虫めづる国にようこそ
日本の物語や和歌に数多く登場してきた虫たち。時に主人公を助ける名脇役、またある時には自ら和歌を詠んでその優劣を競ったり、人間さながらの恋愛劇を演じたりと、擬人化され多彩な活躍を見せる。第1章では、『源氏物語』や『伊勢物語』など、文芸と深く結びついた日本の虫たちの姿にフォーカス。住吉如慶『きりぎりす絵巻』などを展示する。
生活に用いる道具を彩る虫たち&草虫図の受容
また第3章では、中国で成立した草虫図に着目。画中には多種多様な草花と虫が描かれており、それぞれ立身出世、子孫繁栄などの吉祥を表している。孔子による「詩を学ぶことで鳥、獣、草木の名前を多く知ることが出来る」という論も相まって、多くの生き物を知り、自らの知識を増やせる草虫図が愛好されるようになった。
伝 趙昌《竹虫図》などを通して、中国で画題として確立した草虫図が、日本で将軍や大名など時の権力者たちに愛好された様子を紹介する。
西洋の科学技術流入により進展する草虫図
18世紀以降の江戸時代は西洋の技術の流入により、本草学や、書物に登場する動植物の名前を同定する名物学が飛躍的に進歩。