黒澤明の映画『羅生門』を“徹底解剖”する展覧会、東京・京都で開催 - 三船敏郎ら名優の活躍にも着目
第4章:音楽
『羅生門』前後の黒澤作品の音楽を手掛けた早坂文雄は、優れた作曲家というだけではなく、黒澤の創作活動にも影響を与えた。有名なボレロ形式のテーマの楽譜スケッチなど、貴重な資料を通じて、第4章では、映画の構成を活かした早坂独自の創作術をかいまみる。
第5章:演技
第5章では、限られた登場人物と複雑な構成を持つ『羅生門』を成功させた、俳優たちの多大な貢献に着目。時代を超えた名俳優たちが、本作にどのように向き合ったかを三船敏郎と志村喬の撮影台本や、京マチ子旧蔵写真アルバムなどで紹介する。
第6章:宣伝と公開
第6章では、初公開からヴェネチア国際映画祭受賞後の凱旋上映やリバイバル公開など、国内上映の軌跡を追う。特に、劇場公開オリジナルポスターや公開直前に開催された特別試写会など、金獅子賞受賞前の『羅生門』を伝える貴重な資料を揃える。
第7章:評価と世界への影響
1951年のヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞は、世界が日本映画を“発見”したと同時に、日本映画界が世界に通用する自らの実力に気づくきっかけとなった。最終の第7章では、ヴェネチア映画祭出品の経緯とともに、受賞後の反響と影響を多角的に紹介する。