2020年8月28日 14:15
金沢21世紀美術館でミヒャエル・ボレマンスとマーク・マンダースの2人展、“作品と対話する”静寂の空間
ボレマンスの絵画と映像、そしてマンダースの彫刻、計60点あまりの作品が、沈黙と静寂の中、訪れる人々に語りかける。また、2人の作品と妹島和世+西沢立衛 / SANAAが設計した金沢21世紀美術館の建築がどのように対話をするかも見どころだ。
ミヒャエル・ボレマンスの主な展示作品
ミヒャエル・ボレマンスが手掛ける《機会の家(生涯のチャンス)》は、オランダ風の屋根に、数えきれないほどの窓がついた家を描いた作品。家は、2002年から2007年にかけて、ボレマンスが好んで描いたモチーフの一つだ。画中に描かれた人やそのサイズ、人物と家の不可解な関係と、“家”という身近なものを通して、見るものに現実と想像の世界を語りかける。
また、ボレマンスのモナリザとも評される《天使》も、違和感を覚える作品だろう。黒い顔面や、人間のサイズを超えたスケールは、一般的な天使のイメージからかけはなれた表現。力なく立つ姿からは、ボレマンスが描く人物像によく見られる、無活動、人間的な感情や感覚の喪失、孤立感が如実に現れている。
マーク・マンダースの主な展示作品
マーク・マンダースによる《狐 /鼠 / ベルト(建物としてのセルフ・ポートレイトからの断片)