物事を受け入れてから、どうしたいか自分で考える。
大和が言った通りにやってみよう!
「ご迷惑をおかけしてすみませんでした」
深々と頭を下げた私に、新実さんは「いや」と短く答えた。
「怪我はもう良いのか?」
「はい、問題ありません。それで、あの……プロジェクトチームに戻してください」
「そうだな……いや、当分は雑務を頼む」
「え?」
「まだまだ本調子じゃないだろ」
「平気です! これまで通り……いえ、今まで以上に働きます」
「そうは言ってもまだリハビリとかあるだろ。それに、やっとプロジェクトチームがまとまり始めたところなんだ。かき回したくない」
「かき回すって、元々あの案は私が、」
そこまで言いかけたところで、新実さんが大きく2回手を叩いた。
業務準備に取りかかっていた社員たちが、一斉に注目する。
「ちょっといいか、報告がある」
新実さんはそう言うと、部屋の端っこの方にいた雪村さんに向けて手招きをした。
「私事で申し訳ないが、このたび雪村さんと婚約する運びとなった」
「わー、おめでとうございます!」
部署内に驚きの声と祝福の言葉が飛び交う。
隣にいた旭日も目を丸くしながら、私の服を引っ張った。