同情されたくないと思いつつ、自ら墓穴を掘るとは。
返事をする代わりに、パスタを口に入れる。
「浮気男なんてこっちから願い下げですよ。次行きましょう、次」
「次ねぇ……」
「先輩って、どんな人がタイプなんですか?」
「そうだなぁ、背伸びをさせてくれる人かな」
「どういうことです?」
「一緒にいることで自分が成長できたり、ちゃんとしなきゃって襟を正したくなる人」
それでいて溢れるような魅力があって、オーラがあって、余裕もあって。
仕事とプライベートをちゃんと分けていて、そのどちらも充実させている。
そんな大人な男性が、私の理想。
「なるほど、先輩っぽいです。でも、そういう人って疲れません?」
私には無理だ~、って旭日が苦笑いする。
「じゃあ、旭日の理想は?」
「私は自然体でいられる人が良いです。その方が楽じゃないですか」
どうだろう?恋愛に楽(らく)さを求めたことがないから分からない。
「たまには自分のタイプと違う人と付き合うのも楽しいかもしれませんよ」
「うーん」
「まずはそういう人と出会うところから始めません? と、いうことで一緒に合コンしましょう」