くらし情報『人は、どのように変容するのか 夏の終わり、生きものたちの姿に、ふと自分を重ねる』

2022年9月5日 18:34

人は、どのように変容するのか 夏の終わり、生きものたちの姿に、ふと自分を重ねる

そこには欲も得もなく、ただ命の営みがあるのでした。

人は、どのように変容するのか 夏の終わり、生きものたちの姿に、ふと自分を重ねる

8月も終わりに近づいた山寺の木立の中で、時折、思い出したように蝉が鳴き始めました。夏の盛りであれば、境内には蝉の大合唱が響いていたことでしょう。

土の中で長い時間を過ごし、短い夏を謳歌するように鳴き、そして命を終える。

蝉の幼虫は約7年間土の中で過ごし、成虫になって土から出ると2週間から1か月で命を終えます。その2週間は、子孫を残す使命を果たすために使われます。

それを儚い一生という見方もありますが、土の中の幼虫はゆっくりと幾度かの脱皮を繰り返しながら変容しているのです。

自由に飛び回り、大きな声で鳴き、そしてからからになって死んでいくのもドラマチックですが、土の中で変容を繰り返す命には壮大なドラマがあります。
人は、どのように変容するのか 夏の終わり、生きものたちの姿に、ふと自分を重ねる

私たちの人生もひと色ではありません。年老いて体が衰えることは、決して嘆くようなことではありません。

何十年もの時間、喜びがあり悲しみがあり、さまざまな努力や苦労があったはずです。時代に翻弄され、思うように生きられなかった時もあったかもしれない。

よくここまで生き抜いてきた。母が人生を終える姿を見、父が老いていく姿を見ていると、命を全うしていくことの尊さに胸が震えます。

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