2023年10月27日 10:00
「知らなかった!」 革製品の値段の差はなぜ生まれる? 老舗に聞いてみた!
山本社長の話によると、同じ革でも元は生き物なので、部位によって向いている『使いどころ』が違うのだそうです。
例えば、よく曲がる首の場合には皮も目がその方向に走っており、財布にする時も目に沿って曲がるようにパーツ取りをするとのこと。
また、お腹の部分の皮は柔らかいので、こちらも財布になった時に柔らかさを生かせるパーツ取りをする必要があります。
つまり、単純に洋服の型紙に従って布地を裁断するような方法ではないということです。
『箔押し』や『革漉』に求められる熟練の技
『箔押し』は、革の上に刻印を転写すること。革の上に『箔』と呼ばれるシートを乗せ、その上から刻印を押し当てます。
これを小さな文字まできれいに転写するのは、なかなか難しいのです。
革が紙のように滑らかでつるつるであればスタンプ押しのようにできますが、革は表面に立体的なシワがあります。
きれいに転写するには、ここでも技術が必要とされるのです。ちなみに、革の表面にあるシワ模様のことをシボといいます。
また、革製品の場合、裁断した各パーツに革漉(かわすき)という作業を施さなければなりません。
パーツによっては漉いて薄くしながら厚みを変えていくといいます。